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ポーの一族(東京宝塚劇場 2/20 18:30) [観劇メモ]

すごく昔の話ですんません。
具合悪かったり年度末で忙しかったりで、今更ですが、アップします。

---

ホテルの階段を四人が下りてくるところ、
漫画から出てきたみたいに見えた!
そんなことってあるんだ、
ベルばら初演で、漫画から出てきたみたいだと思ったって逸話、
ほんとかよって思ってたけど、ほんとだった(笑)

みりたん、当たり役だ!
歴史に残る!

とにかく、登場人物が二次元を三次元にしてることがすごい。

ただ、ポーの一族が大劇場ミュージカル、
しかも群舞とか、ちょっと笑える。
ポーの民はあんな豪華な衣装着てないっしょ。
文芸作品が俗っぽくなっちゃった感じ。
宝塚あるあるだよなあ。
もっと小さい劇場で、うすぐらーくやってほしい。

でも、生身ゆえに、よりいとおしく、より切なく感じる。
エドガーを抱き締めてあげたい。
実在しないと言われるつらさは、
常に異邦人を描き続けた萩尾作品の真髄。
親に愛されなかったモー様の辛さがひしひしと、
漫画を通してよりもっと生々しく伝わってくる。

エドガーは、原作より少しわがままに感じる。
でも、メリーベルにはと~っても優しいのね。
その差も、生身ゆえに強調されて感じるのかも。

エドガーの年齢は少し上に設定したみたい。
シーラの扱いが大きくなって、エドガーが好きっていう設定も強調。トップだからね。
メリーベルも問題なく美少女。
事前に心配だった点は全部クリア。

一巻をやるのが最適だろう、でも配役は?
と思っていたけど、やはり一巻を中心にして、
後世、ただし70年代の最終話ではなく、
50年代の探してる人たちに、語らせる手法をとった。
三巻の出だしだけを最後に使って、余韻を持たせる。
上手い! さすが小池だ。

降霊術の人たちは、オリジナルの役だけど、実在らしい。
ちょっと面白い仕掛け。

マイティの役、何かと思ったら、
クリフォード先生の友人なのね。
その子孫てのはオリジナルだよね?

原作のちょっとした材料をふくらませているってわけだ。
いいねいいね。

しかし、オズワルドとユーシスが一瞬てのはさみしいなあ。
エドガーの出自の話なのになあ。

消える仕掛けが難しかったね。
老ハンナではやれたけど、大半、ピストルで撃たれる設定に変更。
ポーツネル男爵が馬車にひかれる場面好きなんだけどなあ。

あと、アランのロケットを原作と違って捨ててなかった。

男爵は、威厳より暴力的に感じた。
クリフォード先生はより遊び人に感じた。

柚カレーのアランも、そのものだよね、
ほんと奇跡だ。
ただ、アランのほうがガタイいい。仕方ない。

そうだ、タソがリアル階段落ちしてた



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ひかりふる路 / SUPER VOYAGER(東京宝塚劇場 1/23 18:30) [観劇メモ]

主軸が定まらない話だった。

途中までは、マリー=アンヌが主人公なんじゃね? と思ったのだ。
憎んでいた男に恋をするという大変化があるから。
しかし、元貴族で一人生き残ったから、革命の主導者を殺そうとする…
あまりにもベタな設定だ。
一体どうやって暮らしていたのだろうか。かなり荒唐無稽に感じる。
(でも歌が上手くて、「私はマリー=アンヌ~」とか名乗る素っ頓狂な歌詞も、
違和感なく聞けてしまうからすごい)

途中からは、ロベスピエールの苦悩が中心になる。
独裁者になるしかなくて、本当にこれでいいのかな? 
いや、これしかない、と自分に言い聞かせてる様子が切ない。
髪が乱れているのが色っぽい。
しかし、なぜ独裁者になるのか不自然。
親友ダントンに裏切られたから? それだけ?
ちょっと何段階かステップをはしょっている気がするなあ。

本当は、だいもんが『BUND NEON/上海』の杜月笙をやりたいって言ってくれてたから、
生田先生は、同じような悪の権化みたいなのを予定してたんじゃないのかな。
でもトップお披露目だし…ということで、白い味をつけちゃったら、
わけわかんなくなっちゃったのでは?

で、結局おいしいのは、小悪魔ちゃんサン=ジュストだという…
この人は一貫してるし、魅力的。
結局、サン=ジュストが操ったから、ロベスピエールは悪くなっちゃった、
っていうふうに取れなくもなくて、
じゃあロベスピエール小物じゃん、てことになりかねない。

ミュージカルとしては、
二人が夜道を帰りながらお互いを探り合うナンバーとか、
祭典で殺そうとするナンバーは面白かった。

そうそう、祭典の最中に殺そうとするとか、
最初がルイ16世の裁判で、最後がロベスピエールの裁判っていうのとか、
構造はなかなか面白い。

歴史上有名なセリフがちゃんと入ってるのも、考えてる。

歌は本当に素晴らしいね。
2人とも、歌だけで演技できるから、堪能。
それだけに、話の「?」が目立っちゃうんだよねえ。


そうそう、まあやちゃんのメイクはもう全然OK。
かわゆいかわゆい。

サン=ジュストの朝美さん、爽やか系かと思ってたけど全然違うんだね。
これは本当に当たり役。
歌も上手いし、将来が楽しみだ。

さきちゃんが、人情に厚いあんちゃん系で、
役といい、声といい、ショーでの上着脱げそう加減といい、
もう、湖月さんにそっくり。

まなはるがけっこういい役だったな~。

なぎしょーが女役。
ニジンスキーのときは怖いだけだったけど、なかなかいい。

コマつん!
ショーでのシャンソンすごく良かった~。
男役/女役っていう枠を超えてきちゃったね。
ああ、13年前の今頃、その舞台の上で、
キタロウくんにいじめられて(る役だっ)たよね、
さみしくてたまらない。

ショーは、前作の野口作品ようなスペクタクルってほどじゃないけど、
人の動きがやっぱり面白い。

スーツの場面がとてもかっこよかった。
振付は三井聡!
この人、マジーの公演でいいなと思ってたんだよ! 自分、見る目ある、えへん(笑)
宝塚っぽいけど、テンポが速くて現代的なの。

全体的に音楽も面白かった。
中詰めのyou'd be so nice to come home toのラテン風なんてはじめて聞いた。

ただ、ジャニーズみたいな場面は、好きじゃなかった…
むしろ苦行だった。あんなん、ニーズあるのかなあ?
わしが老人なだけ?

お披露目ムード、宝塚礼賛ムード全開なのも、お披露目にピッタリ。
野口幸作は元ヅカファンだって聞いたとき、
『ガーシュイン』のひどさから全く信じてなかったけど、
これなら信じられる。

さきちゃんの相手役が朝月ばっかりなのはつまらないな。


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秘密の花園(シアターウエスト 1/17 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

唐十郎作品を観るのは、少女仮面滝の白糸につづいて3つめ。

ストーリーがあるようでいて無い、
え、何それ、ファンタジー? みたいな設定もあったり、
見得を切るような、時代がかった部分もあるし、
いやー、アングラだなー、と思いながら見ていた。
アングラ演劇って、見世物小屋だよねえ。
でも、セリフ劇っぽくて、セリフでぐっとくるところもあったり。

面白くて後からいろいろ思い出すんだけど、
全体としては、そんなに集中できなかった。

三角関係の2つの角にあたる、
妻:寺島しのぶと、夫:田口トモロヲが、
軽やかすぎて、あまりファンタジーでは無かった、気がする。
現代劇ならすごいと思う人たちなんだけど…。

愛人:柄本佑は、とても良かった!
柄本明の息子なんだね。
しかも、この作品の初演でこの役を柄本明がやっていたという。
ぬぼーっとしてて、つかみどころがなさそうなんだけど、
声が良く出て、演技もすごく骨太。
ファンタジーの世界なのに、リアリティを感じる。
すごい逸材じゃない?
この人が末井昭をやる映画があるそうな? 見なくちゃ!

お目当ての、柿喰う客の玉置玲央は、
完全にファンタジーの人だった。いい仕事してた。
ていうか柿って、アングラの系譜だよね?
あの筋力で、タンスで懸垂したり、本水使った舞台で跳んだり跳ねたりして、
私の大好きなあの滑舌で、わけのわからないことをしゃべっていた。

そのお父さん役の、池田鉄洋という人もすごかった。
顔を赤と白に塗り分けて、着物みたいな服で、本当に見得を切る。

主役じゃないけど、こうやってぐわあっと舞台をかっさらっていく役者さんが好き。

あ、演出の福原充則も出てたんだ。へー。
日暮里の駅で、主人公(?愛人)を現実の世界と区分けしている謎のオジサンの役。

舞台は日暮里なんだけど、
現実の、卑俗な街を「秘密の花園」とネーミングするのが、
すごくわかる。素敵。

で、聞くのもヤボだけど、、
菖蒲って何の比喩なんだろ…?

あとあと、木造アパートの窓が開いて、ババーンと主役登場!
みたいなのって、銀ちゃんにもあったような。
(銀ちゃん=「銀ちゃんの恋」=「蒲田行進曲」の宝塚版)
同じ時代の演劇なんだなあ~。
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WEST SIDE STORY(国際フォーラム 1/13 15:00) [観劇メモ]

映画、大好き。何度も見た。
舞台は、劇団四季のを一回観たことがある
宝塚版は、98年月組版を生で観たことはない(←お察しください)。

体育館のダンスからマンボ、そして二人が出会うシーンの流れは、
今の言葉で言うなら、まさに神!

今回、生で、日本語で、観れて良かった~~
特に、宝塚で観れて良かったかも。

宝塚でWSSって、68年の初演当時は特に、
女の子があんなアクションシーンを、
という懸念があったらしい。
確かに、ほそっこいな、という気はする。
でも手足長いから10代後半の男の子には見えたよ。
喧嘩のシーンは、ダンスと殺陣の中間だから、
力が足りなくてやや段取りに見えてしまうけど、
ダンスだと思えばまあいい。

むしろ、若いってことがぴったりだな、と思った。
しかも、宝塚という閉鎖的な世界で、
理不尽なこと、嫌な感情にたくさん襲われながら、
懸命に生きている彼女たちが演じることで、
なんか不思議なリアリティを感じた。
10代の男女の演者でやってみるのもいいと思うけど(劇団四季は老けすぎ 笑)
宝塚という変なカンパニーならではっていうのを強く感じた。
これは、宝塚に夢だけ観ていたときなら感じなかったことかもなあ。

あと、普通なら、トニーが間抜けでかっこわるくて、
マリアはわがままでいまいち感情移入できなくて、
主役二人が、わりを食っちゃう話だけど、
宝塚のスターシステムで二人がクローズアップされているから、
ちゃんと二人に感情移入できた。

シマを荒らされたから、相手が挑発してきたからって
闇雲に喧嘩したら、取り返しのつかないことになる。
武器は持ってはいけない。
馬鹿だと思われても、対話をすべき。
…というメッセージがちゃんと伝わった。今、目の前にある話じゃん!
真風が最後の挨拶で「愛と平和」って言ってた。

真風の、シャツにネクタイ姿が良かったなあ。
あの胸板から腰のまっすぐ具合がいいわあ。
たまきちの場合は胸と肩のガチムチ感がいいけど、
真風の場合はストーンとしてるのがいいよねー。
(変態…)

真風とまどかの組み合わせは、
ヴァンパイアで全然いいと思わなかったし、
今も別にいいとは思わないけど、
今回のように人種が違うと、とてもいい効果が出ている。

キキちゃんのベルナルド、
もともと好きな役だし、リカちゃんがやってたから、
いろいろ比べちゃいそうだったけど、
全然良かった! ときめいたよ!
もともとスタイル超絶いいしね、頭の形がふみか様に似てるしね、
健やか系が多かったけど、
2番手時代にこういう黒い役やるのが、大事よね。

アニタはね…
自分がミュージカル女優だったらやりたい役(なんだそれ 笑)、
映画のリタ・モレノ最高、
だから厳しくなっちゃうけど、
顔と声が男役すぎた。女の色気が無いー。
ダンス、歌の技術は素晴らしかったけど。
リーダーの女という感じがしなくて、
肝っ玉母ちゃんになってしまった。
そのぶん、マリアのために犠牲を払おうとするくだりは合ってた。
じゅりぴょんはきゃしゃで声も高かったから、女っぽさがあったんだよね。

あ、96期だからっていうのはそれほど感じなかったな。
秋音光もほんと芝居が上手いよねえ。
裁判所で見た防犯カメラの映像は脳裡にちらつくけど、、
下っ端や傍観者にはそれほど罪がないと思っているのかな、自分。

えびちゃんが超かわいかったなあ。
ヴェルマって役で、リフの彼女、、、あれ? 
リフの彼女はグラジェラじゃないんだっけ?

リフのずんちゃん、華も技術もあるうえに、
今、少年ぽさがまだ残っている時期にやれたのも良かった。

じゅんちゃん(英真なおきさんね、念のため)がドク、、、
ロミジュリの神父様が同じポジションの役だー。
真風にとっては元組長さんで心強いんだろうなあ。

ところで、今、鈴木大介というライターの
振り込め詐欺とかに関するノンフィクションを読んでるんだけど、
「クラプキ巡査」のナンバーって、まさにその世界なんだね。
このナンバー、どちらかというと退屈な曲だと思ってたけど、
歌詞をちゃんと聞くと深い!
親はヤク中、アル中で、学校にも行かず、少年院では、家庭裁判所では…。
でも本当は頭がいい子も多いし、みんな情に厚い。
って、振り込め詐欺やってる子たちと全く一緒じゃん! 
ていうか本当に普遍な問題なのだ。格差の犠牲になる子供。
現代、振り込み詐欺をしているような少年少女たちを登場人物にしたら、
現代版のWSSになるだろうか???
うーん、、少年たちの背後にいる大人がキモかも。
WSSには、そういう悪い大人が警察以外出てこないけど、
本当(1950年代のニューヨークの裏社会と少年)はどうだったんだろう。
リフやベルナルドたちは、何をして生活してたんだろう。



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鳳凰伝(横須賀芸術劇場 12/8 18:00) [観劇メモ]

初演で嵌ってたくさん観ました。
キムシンの3大名作の一つ(私認定。王家、鳳凰伝、オグリ)。

2003年? もう14年も前??
覚えてないところもいっぱいあって、ほどよく新鮮。
(…初演のビデオを探してから比較しようと思って、
アップするのがこんなに遅くなったんだけど、結局ビデオが見つからないという…)


やっぱいいわ~~
これ、すごくいい!

寓話なんだよね。
問いと答えがふつーの組み合わせでないところとか、
「飛躍」がすごく気持ちいい。
心情描写とか一切不要。
こういうのって貴重。
キムシンよ、この方向で復活してくれ!

最後の「その名は、愛!」は鳥肌だよ~~
泣きそうになる。

つくづく思うけど、
男社会の理不尽さは許せないけど、
男性そのものを嫌っているわけではないのよ。
女性を対等に扱って、敬意を示して、
みずからをオープンにできる男性なら、
むしろ好きなの!

…基本、オペラと同じあらすじなんですね。
セクシー場面がオリジナルなのかなあ?

でも、こういうリアリティのない寓話を、
宝塚でやるのって、ピッタリじゃん。
架空の「素晴らしい男性」と、
架空の「姫」、
だからこそ真実の「愛」が表現できる。

あとやっぱり、甲斐正人の曲がいいよねえ。
それがあってのキムシンオペラだわよ。


たまきちカラフの安定感。
あの女は俺が獲得する! っていう健全な闘争心。
命をかけちゃう潔さ。

ちゃぴトゥーランドットは、さすがにニンが違っていたな。
お花様のような少女の狂気は無い。
でも、謎かけで挑発するときや、
最後の愛に目覚めたあたりは、イキイキしてて合ってた。
あと、メイクが出雲綾さんぽかった(笑)。

バラク月城さんの成長が著しい。
スカステで「銀二貫」見たけど、あれが2年前?
すごい成長ぶりだね。
芝居が上手いのがいいんだよね。
声が低いところが出るようになって。
しかもショーでの歌い方が、安奈淳さんみたいだったよ(褒めすぎ?)。

アデルマ姫の人、抜擢なんだろう、慣れてない感はあったけど、
声が良かった。

ショーはやっぱりオリンピアのとこが好き。

芝居で抑えていたぶん、ちゃぴがくるくる回るのが気持ちいい。

ちなみからんちゃんが、コマ枠になってきた。いいぞ。


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相談者たち(三鷹市芸術文化センター 12/1 19:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

トロワグロが面白かったので。

日常生活、特に家庭の中にあるドロドロした部分を、
ふつーっぽい会話の中で、チクチクついてくる話。
台詞がすごく上手いので、うなる。

ただ、トロワグロは基本、笑いだったけど、
今回のはちょっと深刻でいまいち笑えない。

特に、年配の女性に対して優しくない。
これはつらい。
浮気した夫に捨てられようとしていて、
でもしがみついている設定。
上手ければ上手いほど、悲しい。

浮気相手の女性が、
超地味でメンヘラなのに、
変な色気があって、怖い。気持ち悪い系。
逆にそれがリアリティがある。

露悪もやりすぎると、ちょっとなあ…という感じ。

夫妻の娘の善良な婚約者が橋本淳くん。
まばたきばかりして猫背でおどおどしている、新しい役作り?
すごく上手い。
それでいて最後のあたり、冷たい素地が見えるのが、こわーい。

最後、妻が夫と愛人を刺すかと思ったのに、そうしなかった。
カタルシスが得られないのも、トロワグロと違うなあ。

「相談」というのは、
娘さんと結婚させてください、
離婚してください、
離婚しないでください、
というそれぞれの要望のことで、
設定としては、なかなか面白いと思う。

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この熱き私の激情(銀河劇場 11/17 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

元娼婦で作家、34歳で自殺したカナダの女性ネリー・アルカンの作品から、
6人の女優と1人のダンサーが、散文的に表現する。

全くストーリーが無いので、
これは失敗かなーと思いながら見初めたんだけど、
なかなかどうして、意欲的で実験的な作品でした。

10個の箱(5列2行)、リビングやトイレや、寝室、いろんな部屋に
一人ずつ女優がいて(空き部屋もある)
手前はガラスで、そこに女性たちがはりつくように位置している。
娼婦としての「はり店」状態、もしくは標本。

部屋が、マグリットやバルデュスの絵のように、
普通なんだけどちょっと変、っていうのが素敵。

全員でしゃべる部分と、一人ずつの場面が交互にあり。
ダンサーはそれぞれの部屋を行き来して、
部屋の上から足だけ入れてきたり、
お父さん役になったりと、いろいろ絡むのも面白い。

6人の女優は全く相互に会わないわけ。
でも部屋同士でシンクロしてたりして。

「年を取ってはダメ」と老いにおびえる女性、
北極や宇宙にあこがれた子ども時代を思い出す女性、
自分が生まれる前に死んだ姉のことを語る女性(←きりやん)

一見、バラバラなようでいて、
でも、だんだん収斂してくる。
母親は男の子をほしかった。
父親は宗教的に厳格な人だった。
愛されない自分。
若くて男性に求められるうちだけ自分に価値があると感じられる。
でも、求められるその理由=セクシーであること、
すなわち、罪。

最後の部屋の女性は、もう死んでいるのかも。
最後の部屋担当の宮本裕子って人の語りが素敵だったな。

しかし、銀河劇場は広すぎたかも。
もう少し小さくて、猥雑な場所の激情のほうが合ってたかも。
でもセットに高さが必要だから難しいなあ。

ネリー・アルカンの映画もあるそうで、観たい
と思ったらもう終わってた。
小説を読んでみよう。



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散歩する侵略者(シアタートラム 11/12 18:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

劇団イキウメの本公演を観るのは初めてです。

蜷川版の「太陽2068」を観て、前川知大ってすごいなと思い、
「奇ッ怪 其ノ参」も観ていて、いつかは本公演も観たいと思っていたところ、
テレビで「聖地X」をやっていて、これがもう、爆笑。そしてシュール。

「散歩」の追加公演が売り出されたタイミングだったので、早速ゲットしました。

予想以上にシンプルなセット。
そして、あまりに荒唐無稽な設定。

失踪した夫が、いろいろ不自然になっていて、
じつは、宇宙人になっていると言う。
散歩しながら出会った人から、いろいろな「概念」を収集して、
侵略の調査をしているという。
「概念」を教えてあげた人は、その「概念」を失う。

でも、リアリティがあるんですよねえ。
脚本も演者も上手いから、そうかそうかと思って観ちゃう。

ネットのインタビューなどで、この作品は、
ウルトラマンのとある怪獣から思いついたとのこと。
前川さんと私は3つ違いかな? 同世代だわああ。

「所有格」という概念を失った人が、
共産主義者になるとか、面白い。
(でもそこから反戦運動につながるのは、距離がありすぎな気も)

日本海側のある街という設定で、
隣国からのミサイルが…! という、
本筋とは関係ないように見える背景があるんだけど、
これは、「宇宙人の侵略」が「戦争」の比喩だということなのよね。
知らない間にひたひたと侵略されている、おぞましいもの。
初演が2005年で、今はさらにリアリティが増している。
(北朝鮮が、という意味よりも、
社会全体が戦争を是としつつあるという意味で!)

ラストどうするのかなと思ってたら、
ヒューマンな終わり方で驚いた。
(一応ネタバレ避ける)
希望のある終わり方。

しばらく、いろんなシーンを思い出して、しみじみします。


帰りにはDVDを買いました。
2016年版の「太陽」と、
チラシが素敵で観たいと思ったけど都合が合わなくて観れなかった
「地下室の手記」(イキウメの公演だったのですねえ~)。

「太陽」のラストは蜷川版と大違い。
前川さんと出演者のコメント音声があって、
発想としてはバンパイアものであると。なるほど。
演技とか、人の出入りとか、いろいろ工夫していることがわかる。
リアリティってのは、計算されたものなのだなあ。

「地下室の手記」はもう大爆笑。
ドストエフスキーすごい、前川知大すごい、安井順平すごい。

ほかのも観たいぞー。


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神々の土地(東京宝塚劇場 10/17 18:30) [観劇メモ]



文学的で、すごく良かったなー

ラスプーチン暗殺の実行者が主人公=まあくん、
で、友人の真風さんは美術コレクターの貴族で、これも暗殺の首謀者。
ある程度史実にそった話なんですね。

架空の人物として、主人公の思い人に、
アレクサンドラ皇后の妹で、主人公の義理のおばさん、
っていうのを設定。これがうらら様。

主役二人の、お互い好きなんだけど絶対にそうは言わない、
切ない関係が、たまらーん。
最後の最後に一夜をともにする(んだよね?)けど、
その後も、態度が表面上はそれほど変わらないのが、また切ないーーー。

二人の出会いはどうだったんだろう、
10代のまあくんと、ちょっとお姉さんのうらら様?
ロシア語を教え教わり?
なんて、描かれない部分を想像すると、また苦しい。

二人が雪原で踊る様子とか、雪投げ合いっことか、たまらん。

こうして考えると、
向田邦子ドラマみたいな感じかも(唐突ですが)。
欲望をおさえて、決められた枠の中で生きている、その切なさ。

あと、ショーとしての良さもあったな。

冒頭、紗幕の向こうで、皇帝の暗殺未遂(うらら様の夫が犠牲になる)。
そこから雷の音で、貴族の館にぱっと転換。
上手いなー。

酒場で民衆が盛り上がって踊り狂う場面もすごい。

軍人の任命式が大階段だったり。
ラスプーチン暗殺が、銀橋をしずしずと皇后とラスプーチンがわたり、
そこから大階段の上で暗殺ー
(実際に階段で殺したらしい。なかなか死なないのも史実通り)。

くーみん、次はショー作品だよね、楽しみだ。


キャストでは、
まあくんの凛々しさと、うらら様の美しさは言うまでもなく。

凛きらの初女役? アレクサンドラ皇后が陰気で面白かった。
みんなが私をいじめるんですもの、みたいな卑屈さがある。
(これが、ふみか様なら、もっと威圧的になるんだろう 笑)
あ、くーみんは『翼ある人々』でも、
凛きらに「ベートーベン?」っていう面白い役をふってたから、
けっこう好きなんだね。

皇帝の松風さん、頼りなさが活きてた。メイクも本物みたい。

次期トップの星風まどかは皇女オリガ。
正直、顔が苦手なんだけど、歌のうまさはもちろん、
演技に華があるよね。一気にみんなをひきつける勢いがある。

今回退団の瀬音りさちゃんが、超大きな役でうれしい。
ジプシーの娘さんで、貴族のあっきーとラブなの。
革命を起こそうとしている弟(桜木さん)と板挟みに、、、、
低い声の歌も上手い!
退団してからも舞台に立ってほしいな。

あっきーは優しくてダメなところがこれまたピッタリで、、、
桜木さん、野太い声が出てて、男らしくなったなあ~ほれぼれ。

すっしーさんが女役でかっこよかったよ~。

愛月ひかるのラスプーチン怪演もすごいが、
連れてる巫女の首からさげてるのがガラガラなるのが怖い。
演出効果抜群。


「神々の土地」というのは、ロシアがやや土俗的というか、
西欧的な考え方ではとらえられない、ということなんだよね?
民衆のあの勢いがそれを表しているんだろう。
(人類初の共産主義革命はロシアだからこそ起きた、ということ)
ラストも、主役二人だけでなく、民衆がどわーっと出てくるし、
影ソロは民衆代表の桜木さんらしい。

(そういえば、この11月でロシア革命100年ですね。)
(ところで、ジプシーも共産主義革命に参加したの??)

うらら様の役はドイツからお嫁に来て、革命直前に戻ることもできたのに、
ロシアにあえて残って、ロシア貴族として死ぬ。
ロシアという土地への愛。
でも、まあくんの役は、偶然とはいえ、生き残っちゃうんだよね。
それもまた切ない。(そればっか)

この土地は、ここで懸命に生きた人のものである、
というようなことを台詞で言ってたな。

で、くーみんはパンフでこう言ってた。
「宝塚がいつまでも、そこで懸命に生きた生徒たちのものでありますように」

そうだね、本当にそうだ。

あー、もう一回観たい。


ショーは……あれ? 全然覚えていない(笑)
曲が良かった気がする、、、それ以外出てこない、すみません

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危険な関係(シアターコクーン 10/27 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

ジャンヌ・モローとジェラール・フィリップ主演の映画が大好き、
もちろん「仮面のロマネスク」も好き、
グレン・グローズ主演の映画も見た、
玉木宏の顔と声がすごく好き、
すみ花が出る、

当然、観ますわな。

しかし、
やっぱり無理があった。
舞台の人でないとつらい。

玉木んが下手なのは最初からわかってる(笑)。
鈴木京香も下手なのは残念だった。

台詞をちゃんとこなしてはいるんだけど、
その裏の意味が伝わってこない。

玉木んの初舞台
田舎の素朴な青年だったから、下手さもスター性の内だったんだけど、
この芝居はさすがに難易度高すぎた。
裏の裏の裏をかけひきしながら丁々発止するんだもん。

すみ花が、がんがんに空気を動かしていって、さすがだった。
本当は好きなのに、好きじゃないって言い張って逃げる、とかさ。
台詞のはしばしから、身体の奥から本音がにじみ出ちゃう、なのに台詞は裏腹。
そうよ、舞台を観るってこういうことなのよ!!
ただ、全体としては空気が動かないから、すごく変な人っぽかった(笑)
でも、トールベル夫人は変な人だから、それで良かったと思う。

おばさま役の文学座の方もすごくいい発声でびしっとしまった。
なのに客席が笑ったりして、残念。

玉木んがやたらと脱ぐのもなー。
自分が男性の裸体にそれほど興味ないのもあるし、
この芝居は脱いだりしないほうがいいんじゃないの。
台詞でやりあうエロスを楽しむものなんじゃないかしら。

舞台装置がとても面白かった。
1960年代の日本かぶれのフランス人の部屋、みたいな感じ。
盆栽があったり、ふすまと畳みたいになってたり。
衣装も着物を意識したもの。
ただ、そこにランニングマシーンとかあるのは変。
現代のテクノロジーはやりすぎ。

高橋恵子もなかなか良かった。60代? お美しい。

ストーリーで気になったのは、
ダンスニーがなんでヴァルモンに決闘を申し込むのか、
メルトゥイユ夫人が告げ口したってことがすっ飛ばされてるので、
原作知らない人はついていけただろうか?

あと、ラストは面白かった。
メルトゥイユ夫人が、何食わぬ顔で、このままずっと生きていけると言ってて、
突如、目隠しをされ、人形みたいに動いて終わるの。こわーい。おもしろーい。


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