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コメディ・トゥナイト(新橋演舞場 3/5 16:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

ソンドハイムの作品というと『南太平洋序曲』を見たことがあるけど、
すごく難しいという印象。
でもこれは単純なドタバタコメディなので、わかりやすかったです。
女装したり、人を取り違えたり、というよくあるやつ。

でも多分、日本人にはわからないことが多いんじゃないかな。
古典を踏まえたりしてるんじゃないの? と思った。
それか、すごくシニカルでドライな話??
あと、韻を踏んだりしているはずだよね?

ヒロインがものすごくバカだったり、
身分制度が歴然としてあったり、
武士がものすごく横暴だったり、
普通のお話しだったらちょっとあり得ないぐらい「よろしくない」ことが多い。
あえてそうしているとしか思えない。
でも、その意図は伝わってこない。
なので、大爆笑というわけには全然いかない。

あ、だからやっぱり「難しい」んだな。

主役はラブリンで、ひたすら動く役で、恋愛も発生しないので、
なかなかやりづらい役だとは思うが、まあ合ってたんじゃないでしょうか。
(藤原紀香が客席入口でお知り合いにご挨拶してた)

女装させられるルー大柴が良かった。
下手うまなの。山田花子みたい。
棒読みなんだけど華がある。
このキャスティングがあるからこそ、成立してた。

あと、老人役の徳井優がものすごく上手かった。
ちょろっと出てきて、ちょろっと台詞言うだけなんだけど、
拍手喝采。

おばかなヒロインが平野綾。
はじめて見たけど、うっとり顔とうっとり声ができてて、
ヅカっぽくてすごくいい。

ジェントルマンな印象がある鈴木壮麻さんが、
マッチョでバカな役で、ちょっと無理してて切なかった。
歌はめちゃウマ。

女郎屋の主人のダイヤモンド☆ユカイが一瞬、山本耕司に見える。
まあこのひとも上手いよね。うさんくささ含めて。

お母さん役の松田美由紀が芝居が下手だったのと、
お父さん役の高橋ジョージが芝居や歌は下手じゃないんだけど、
美しくないのが、残念だった。


それと、どうしても書いておきたいことがある。

「女中に夢中」という曲があって、
オッサンは若い女中さんが大好き、という内容なんですが、
それ自体はまあ、そう思うことは勝手だし、よくあることだろうし、
オッサンはバカだなーっていう曲としてアリなんですが。

その中に出てくる「秘密を守ってくれる女中さん」
「夜は自分の部屋に来てくれる女中さん」っていう歌詞に顔面蒼白になった。
それはあんたが雇用主の権力で無理強いしとるだけだろうが!

オッサンがそう思うのは勝手だけど、なんの批判もなしに
「楽しいナンバーですよー」「嫌なことが一つも起きないお芝居ですよー」
という触れ込みで、搾取を肯定する歌詞を垂れ流さないでほしい。

たとえば歌い終わったあとに上からバケツの水が降ってくるとか、
そういう批判を入れればいいのに。

ほかにも、「あの子はバージンだから」と30回ぐらい言ってて、
1~2回なら「オッサンのたわごと」で済むけど、連呼しないでくれ。

設定として女郎屋がメインだから、
その手のことを取り除けというわけではない。
歴史的にどこにでも存在していたこと。
ただ、「搾取」をあからさまに肯定するな、ということです。

ふ~

あ、今回も(←亜門演出という意味)、
咲良さんがアンサンブルで出ていて、
長い手足とダンス力をいかした役でした。
ほんと華やか。

曲はなかなか良かったです。
演奏する人が和服で、最初に花道を通ってやってくるのもいい演出。


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エリザベートガラコンサート(オーチャードホール 1/20 17:30) [観劇メモ]

友達からチケットを回してもらって、運よく観られました。

アニバーサリーバージョンというやつで、しかも千秋楽。
いやはや。

一通り順番に歌うんだけど、場面によって演者が変わるという。
壮大な役替わり公演みたいな。

しかも、時空を超えて20年ぶんですぞ!
なんて贅沢なんだ~。

随所に、同期同士とか、相手役とか、いろんな組み合わせがあって、
面白いし。(ワタルルキーニと美穂さんのマダムヴォルフ、楽しそうだった!)

最初は、歌うだけで、しかも次々人が変わるから、
中途半端なんじゃないか、
歌が上手い人のほうが得なんじゃないか、と思ってたんですが、

いやいやいや。
さすがみなさん集中力がすごい。
突然出てきて歌い始めるだけで、世界がばああっと成立しちゃう。
歌の上手い下手関係ない。

太った人、痩せた人、
現役のときと変わらない衣装やメイクの人、全く違った解釈での衣装やメイクにした人、
いろいろなのも、「その後」をどう生きるか、生きてきたか、
と思わせてしみじみ。

現役時代を生で観れなかった、
大峯麻友さんが観れたのもうれしかったし(表情だけで渋いオジサマになってた!)
一路トート、やっぱりこれが基本だよねーと確認、
ワタルキ、明るくて、みんなが大好きになるよねーと再確認、
革命家トリオがなぜか私がちょい好きな、ねったん&キング&みっしょんだったのもツボだし、
現役時代にはやってなかったけど10周年ガラコンで好評だった伝説の樹里ルキもやっと観れたし、
制作を天地ひかりと一色瑠加が担当しているとか、
えっとえっとえっと、

何よりも、
20年ぶり、二度目、ナマで白城あやか様を観れたのが、
もう、もう、胸いっぱいでございます。。。

私の宝塚初観劇は「二人だけが悪」でございました。
私のベストエリザベートは星組版でゆるぎません。

変わらない美しさ、
情感あふれる大人な演技、
ややエキゾチックな顔立ち、
倍音が聞こえる深みのある声、
は~~、うっとり。

僥倖としか言いようがありません。

友達よ、ありがとう。
企画してくれた人、ありがとう。


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虚仮威(こけおどし)(本多劇場 1/8 14:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

柿喰う客、一年半ぶりの本公演。

現代に生きる「僕」が、愛人らしき女性に呼び出され、
彼女の祖先の話を聞かされる。
という入れ子構造で始まる。


明治から大正時代、女性の祖先は東北の寒村で、「長者」をやっていた。
山の神にお伺いを立てながら、自然と共存していたんだけど、
謎の赤い服の老人が年末にやってきて、
プレゼントをくれるようになる。
サンタクロースというらしい。
その人を迎えるために、山の神に断らずにモミの木を切ったりしちゃう。

物質社会が自然をないがしろにする構図。


主人公である長者の長男は立身出世を願って上京、
学問のほか、社会運動にも参加、
なにがしかの人間にならなければならないと思っている。

つねに上昇、成長しなければいけない「文明」。

長男を助けるために、次男三男が犠牲になる。
男を助けるために、女が犠牲になる。


とはいえ、次男は河童の婿になり、三男は山の神の生贄になるの。
こういうところには自然と共存していた時代の風習が残っている。
『遠野物語 奇ッ怪』を思い出す。


中屋敷はアフタートークで、(彼は青森出身)
自分のおばあちゃんは大正生まれで、
サンタクロースを信じていなかった(知らなかった?)、
でもその頃東京ではクリスマスで盛り上がっていた、
そのギャップに驚いたことから考えた話だと言っていた。

劇中、「(今は)大正○年」ということをしきりに言っていて、
なるほど、現代のような社会と、それ以前の社会が、
シフトしていく時代を描きたかったんだ、と納得。


と、後からまとめて書くと、理路整然としてる芝居のように見えるけど、

柿なので、そんなことは全然ない。


とにかくパワフルで、恐怖と爆笑が入れ替わり立ち代わり。

なんたって、七味さんのサンタが、怖い怖い。
いや、かわいい? いやいや、怖い。
夢に出てきそう。

主人公は玉置。出世にまい進してエネルギーを出しまくっているのに、
からだの中は空疎な狂気に満ちている。

長者の永島さん、突然出てきていろんな役をやる大村さん、
山の神の葉丸さん、元からいたメンバーは本当に上手いのう。
三男の田中穂先が、前回のフランダースで間抜けな子をやっていた人。
これはめっけもんだ。次男の加藤ひろたかも細いけど可能性ありそう。

「僕」の牧田くん。これが大根でねえ。
前回主役をやった「フランダースの負け犬」の感想では
あまり触れないようにしたんだけど(笑)、
なぜか、観劇後、友人たちと、牧田くんの大根ぶりについて語ってしまって。
これって、愛? 愛なの? (笑)
宝塚でも、「美貌枠」「綺麗なのに何もできない、そこがかわいい」
ってのあるからなあ。


サンタが、最初は文明の象徴だったのに、
途中から、子どもの本心によりそう良い存在にスライドするのが、
ちょっと「?」だった。

最後のオチは、全く予想していなかったけど、
そういうこともあるかもなあ、とちょっと切ない。


あ、そうそう、産休でお休みしていた深谷さんが復活していて、
アフタートークに出演していたんだけど、
かーなーりぶっとんだ人だった。話聞いてない系(笑)。
我が家には、「世迷言」のときに売ってた出演者コメントつきおみくじがかざってあって、
深谷さんが「平穏が一番」みたいなことを書いてるんだけど、
凡人からしたら、あんた全然平穏じゃなさそうだよ、と
いやはや、役者の狂気をぞんぶんに味わえる柿は、ほんとすごいと思う。


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プリシラ(日生劇場 12/28 18:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

LGBTが広まってきたとはいえ、
日本ではまだ無理なんじゃないか、という気が…。
いや、それが原因じゃないかなあ。うーん。

オーストラリアのドラアグクイーン3人が、
シドニーから、田舎を目指すロードムービー。

年とった、かつてのパイオニア(性転換者)が、陣内孝則で、
乙女ちっくな感じで面白い。彫が深い顔だから、
あー、こういう年とったオネエさんているよね、と思う。

若くて挑発的な子は、古屋敬多という人で、スタイルもいいし、歌も上手い。
(Wキャストらしい)

何よ、ババア!
何よ、若造!
みたいな感じでいがみあっていた二人が、最終的に仲良くなる過程が、
なかなかドラマチックで良かった。

特に、パイオニアの過去の業績について、若造は全く認識していないんだけど、
その時代のファンの人と途中で出会って、
ファンの人の回想で、美しいレビューが上演されるところが、
とっても素敵! (若造も尊敬せざるを得ないような美しさ)
(回想シーンはさすがに陣内じゃない人がやってんだけどね 笑)

しかも、このファンの人とくっつくのよ。さらに素敵でしょ~~
(ファンの人はCONVOYの人らしい。役柄上、すげーいい男に見える)

だがしかし。
肝心な主人公(いっくん)のドラマがよくわからないのだ。
ドラアグクイーンなのに、子供がいるんだよ。
で、妻が経営している田舎の劇場でショーをする(妻とは今や親友)、
子供が自分の仕事を理解してくれるか…
バイってこと? それはわからないでもないけど、
妻と今でも仲良しっていうのが、都合よすぎないか~?
うーん…

と悩んでいたが、ふと気づいた。
『ラ・カージュ・オ・フォール』と構造は同じじゃん!!
(しかも、いっくんはラカージュでは息子のほうを演じてたよね~)

なんで、ラカージュは、自分の仕事を子供に理解してもらえるか、
という悩みが、すんなり入ってくるのに、
プリシラでは、なかなか伝わってこないんだろう。
うーん…

ひょっとして、ロードムービーの特性上、
子供がなかなか登場しないからかな?
ラカージュみたいに、目の前で、子供に否定されたりしないからかな?
そうかもしれん。

映画も見てみよう。

あーー、ラカージュが観たくなってきた!(笑)
将来、いっくんのザザが観てみたいなあ!
(その前に、岡っちにやらせてあげてよ!)

そうそう、
陣内の役の人が昔やってたのは、ヅカファンになじみ深い「レビュー」。
ラカージュでやってるのも、「レビュー」っぽい。
それと、ドラアグクイーンの文化って、当たり前だけど、つながってるんだね。
ナイトクラブでおネエさんがやるショー、を
あえて「ドラアグ」と名付けていったのは、いつ頃、どういう動きだったんだろう??

あと、プリシラでは、導入部分に本当のドラアグクイーンが登場して、
場を盛り上げてくれるんだけど、すごくいいんだけど、
でも3人のオネエさんぶりが足りないようにも見えてしまい、難しい。
ミュージカル俳優として表現する部分も必要だから、
完全にオネエっぽくするのも変だし。

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磁場(本多劇場 12/23 14:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

『HEAD'S UP!!』の倉持裕が脚本で、
同じくユウヒさんが出るというので、観ました。

『HEAD'S UP!!』はすごくよくできたエンタメだったけど、
こちらは小劇場らしい作品で、
倉持さんの守備範囲の幅広さに驚き。

登場人物一人ひとりについていろいろ考えてちゃう
(その後どうしたかな、この前はどうだったんだろう、等々)
っていうのは同じで、やっぱりすごく上手いんだと思う。


そいでもって、めちゃくちゃ怖い話なんですよーー。

新進の脚本家が映画脚本執筆のためにホテルのスイートをあてがってもらって、
監督やプロデューサーと打ち合わせしたりするんですが、
ホテル代をはじめ、映画全体のスポンサーである大企業の会長さんが、
最初は善意っぽく、でもだんだんネチネチと、口出してくるわけです。
会長の意向を勝手に汲む秘書との関係性とか、
(会長にボコボコに殴られても秘書を続けている)
知られたくない過去まで調べて脅迫するとか、

観ながら怖くて怖くて、やめーてーー
と心の中で叫んでました。

大なり小なり、こういうことってあるじゃないですか。
組織の中で、一番力のある人をみんなで持ち上げて、
勝手に推測して勝手に自粛したり、
で、力のある人は孤独になり、もっと力を発揮しようとして、
誰も楽しくない状況になっちゃう。

せっかく面白く作られたものを、自分のセンスが悪いからって、
「一人よがりだ」ってケチつけて、超つまらないものにしちゃったり、さーー。


最終的にはどんでん返しで、ものすごく悲劇的な終わり方をします。
脱力…


パンフによると、実際にあったことを、
ちょっと誇張したり、ちょっと大人しく書いたりした、とのこと。
えー、これよりもっと怖いことがあったのー?!

こういうことは「巻き込まれる」とか「ひっぱられる」とか、
紐とか布のイメージなんだけど、
それを「磁場」っていうのが面白い。

会長役の竹中直人が、怖すぎて怖すぎて。

ユウヒさんはその愛人で、売れない女優。
ややダサい服で、一見どっちの味方かわからない感じなんだけど、
実は慈愛に満ちていて、それとなく主人公を助けようとする。
宝塚の元男役に、慈愛って大事よね。
でも「売れない」のはちょっと似合わなかったな、風格がありすぎるんだもん(笑)


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本の感想 [ヅカってなんだ?的記事]

あけましておめでとうございます。

1年前は、ふみかちゃんが退団して、ぽかあーーーーーんとしていました。
その後、どうなるかと思っていましたが。

ふみかちゃんは芸能活動を始め、羊たちの同窓会もあり。

自分も、宝塚はアウェーな場所になってしまったけど、
ちょこちょこ観劇しては、感想を書きたくなって今に至る、と。

「余生」をぼちぼち生きられたらと思います(笑)。


で、ふと振り返ったら、記事にしてない文章がありました。

退団公演でムラに何往復もしていたとき、
飛行機や新幹線の中で、せっかくだから、
読んでなかった宝塚本を読んでたんですよね。

昔は、宝塚研究の本を片っ端から読んでいたんですが
(そのときの感想一覧→http://www009.upp.so-net.ne.jp/ft2/koutenteki-zukafun/library.html
96期裁判でどんどん醒めていったため、
「ブラック企業に経営のコツとか聞いても、意味ねーわ(怒)」
と思って、途中から一切読んでいなかったという(苦笑)。

とりあえず読んだ5冊の感想をここに載せておきます。

-----------------

○ヅカメン! おとうちゃんたちの宝塚 / 宮津大蔵(廣済堂出版 2014)

ルンパさんの御夫君が書いた小説。
中学生でも読めるような、わかりやすいお話しでありつつ、
複数の人物がバラバラに登場するのに、それぞれ関連しあっていて、
最後はフィナーレで全員が登場する、とても気の利いた作りです。

宝塚を支える生徒監、プロデューサー、大道具さんといった男性のほか、
生徒のお兄さんやお父さんも含めて、
男性の立場から宝塚を描くことで、
戸惑いつつも宝塚への愛情が湧いていく様子が、イキイキと伝わってきます。

サンバさんという名前で登場する上級生男役さん(もちろんルンパさんがモデル)、
ちょっとだけ、ふみかちゃんと重なったりもしました(/_;)
こんな伴侶を見つけてくださるなら、喜ばしいことです(/_;)
(本の感想と関係ない 笑)



○宝塚百年を超えて 植田紳爾に聞く / 川崎賢子(国書刊行会 2014)

紳爾に賢子が聞き書きした本。
いやー、これはマジ面白い!!

これまでの著書では語られていなかった話も、
聞かれると答えちゃうってことで、
白井鉄造との確執!! 山村家への婿入り、等々
初出エピソード多数です。

北条秀司に師事したというようなことも、
詳しい経緯とともに、当時の演劇事情がよくわかります。

宝塚での実際の現場の
昔と今の変化などもそれなりに語られているので、
紳爾ファン(っているのか 笑)以外にももちろん面白いです。

宝塚文化をどうとらえるか、今後どうあるべきか、というような部分では、
賢子がガンガンに突っ込んで聞いても、
全然答えになっていない部分もあったりして、それはそれで(^_^;)

賢子には、ほかの先生方にも是非聞き書きをしていただきたいです。
(渡辺武夫はキムシンがインタビューしてましたが、本にはならないのかな?)

ちなみに、例の裁判については、
「個人情報保護で生徒の家庭の事情がわからなくなったからだ」
と紳爾が答えていて、
「そりゃ違うだろー!」と読みながら全力で突っ込んだら、
賢子がビシっと反論してくれていました。



○元・宝塚総支配人が語る「タカラヅカ」の経営戦略 / 森下 信雄(角川書店 2015)

「どうして再演が多くなったんだろう、どうしてあんまりショーやらないんだろう」
「どうして大劇場と東京の間の休みが短くなったんだろう」
と疑問に思っていたことの大半が、
「コストがかかるから」「儲からないから」だと明言されていて、
おおぅ……、となりました。

しかもそのきっかけ的なものが、国鉄民営化だというから興味深い。
バブル前じゃないですか。
経済は長いスパンで見ないといけないのですね。

悠長な少女歌劇が、不況の時代、どうやって儲けを出すか。
けっこう赤裸々で面白く、また切なくなります。
はーあ。



○宝塚歌劇 〈なつかしさ〉でつながる少女たち / 永井咲季(平凡社 2015)

卒論をまとめたものだそうで、
自分の卒論を考えると穴に入りたくなります。

「なつかしい」という用語が、現在のノスタルジックな意味だけでなく、
「慕わしい」という意味で使われていること(宝塚だけではなく、時代的に)
に着目したことがとても面白いです。

現在、宝塚が生き残っているのはノスタルジックな性質からではないか
と思うので、そこをもっと掘り下げてほしかったです。



○宝塚ファンから読み解く 超高関与消費者へのマーケティング / 和田 充夫(有斐閣 2015)

マーケティング手法の説明など難しいところもありました。

ヅカファンの属性や行動様式を、
年間観劇回数ごとのグループに分けて事細かに分析していて、
あーー、あるある、的なこともありつつ、
えー、なんか違うんじゃないか、的なこともありつつ。

結論としては、ファンクラブをもっと重視しろ、となっていて、
それには同意なんだけど、
自分がマーケティング理論について理解できていないせいか、
どうしてその結論になったか、いまいちわかりませんでした(^_^;)

その業界の人には、「おお、参考になるぞ!」と思うのかな???




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私立探偵ケイレブ・ハント / Greatest HITS!(東京宝塚劇場 12/15 18:30) [観劇メモ]

そういえば、雪組も観たんでした。

ハリー作品、久々に、ちゃんと起承転結がありました。
誰が犯人なのかなー、どうなるのかなー、というサスペンスだからね。
(※『スターダム』は残念ながら観てないです)

始まってすぐ、時代的には50年代半ばかな?
と思ったら、セリフからもそうだということがわかった。
ハリー作品は、50年代の白黒ハリウッド映画、
ていうか、あれだ、ビリー・ワイルダー的な雰囲気がある。

しかし、咲妃みゆの芝居は、それにしては重い。
上手いだけに、リアルを狙いすぎて、ちょっと重かった。
(重い芝居は好きだけど)

そして、ちぎちゃんの芝居は、重くならない。
いつもはコンビとして素敵に見える二人が、今回は軽重が違いすぎた。
岩波少年文庫の二人が、ビリー・ワイルダーやったら、
今まで見えてなかった違いが明らかになった。

そのために、サスペンスに二人のラブがからむ、というのが
ちょっと浮いてたな~。

ハリー作品はいつもヒロインが、
なんらか仕事なり立場なりで悩んでいる、
っていうのがいいんだけど、
そこがあんまり活きてないことになっちゃった。

でもまー、ハリー作品がそこそこ楽しめるものになっていて、
信者としてはとってもとっても嬉しかったです。


がおりがかっこよすぎた。

月城かなとさんが悪役芝居も上手かった。

ハリーは芝居の上手い人とヘタな人とで役に差をつけすぎ(笑)

星乃あんりが、大人っぽくなっていた。驚き。
ロリータ少女がそのまま大人っぽくなると、なんかセクシーでいいかも。

朝風れいさんに素敵な役がついていて良かった。


ショーは、こちらもアメリカンなヒットメドレーということで、
ノリが良くて、それほど退屈しない。
マドンナのマテリアルガール、宝塚でやったことあったっけ?

ヒメの超絶技巧ソロのサマータイムで
ちぎ&だいもんがBL風に踊る場面が、めちゃくちゃかっこよかった。
センターの二人のことは全然目に入らず、
周囲で踊る娘役たちが、妖艶!
太田先生の音楽かー、え、若央りさ振付なのか、へー。


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双頭の鷲(神奈川芸術劇場 12/10 15:00) [観劇メモ]

原作が面白いんだろうなあ、これ。
映画も見てみたい。

ジャン・コクトーは『恐るべき子どもたち』
しかも萩尾望都の漫画でしか読んだことないけど、
耽美! 反体制! 破滅!
いいね~。


王妃を殺しに来た反体制の詩人と、
引きこもりなうえに自由主義的でエキセントリックな王妃

王妃と暗殺者という立場が、
じつは同じ歯車に組み込まれていた被害者同士だという連帯感に転じ、
そこからラブ~

フェーズが次々変わっていく。

王妃付の侍女と、軍人が、もともとは恋人同士だったのに、
今は王妃の寵愛を奪い合うような
変な力関係になっているのも興味深い。

それらを台詞の応酬で見せて行くのが、
演劇だなあーって思えてすごく楽しい。


え、じゃあ別に宝塚でやらなくても、という気もするんだけど、

でもでも、宝塚だからこそ、
舞台装置や衣装もとーっても豪華で素敵。
さすが植田景子。

そしてなんといっても、
理事様とみりおんがぴったり!

みりおんはアメリカンなさばさばした子だと思っていたけど、
こういう役もできるようになったんだなあ。
娘役が大人っぽくなっていくのを見るのも、
宝塚の楽しみの一つだよね。

もちろん、さばさばがエキセントリックに転じているのも有利。

理事様は、見た目の耽美さに、
若さとピュアさがあるのがすごい。

斉藤恒芳の音楽も耽美感を盛り上げまくってた。

ラストの死に方なんか、究極のラブだわ~、
耽美で美しい世界は、やっぱ宝塚こそよね!


ただ、ストーリーテラーとアンサンブル(パパラッチという役名)は
生徒さんに役を作るためだけなんだろうな、と。

これら無しで、6人だけでやってもよかったんじゃないかな。。。

もちろん、和希は上手いし、
パパラッチも下級生ウォッチできて楽しかったけど。

アンサンブルが冒頭にずらっと並んで歌うのは、
『シニョール・ドンファン』や『クラシコイタリアーノ』と全く同じじゃーん。

パパラッチが現代の服装をしていたり、
ストーリーテラーやパパラッチが、ダイアナ妃のことを持ちだしたり、
この作品の設定がエリザベートとルキーニみたいだよね、とか、
「こういうのお好きでしょ?」と言ったりするのが、
言わなくてもわかるって、と現実に引き戻されてしまう。
耽美な世界に浸らせてくれよ~。

ただ、アンサンブルが出演していない間、
舞台の脇の椅子に座っているという仕掛けは、
『ラストパーティ』と同じだけど、
パパラッチという役割で、すりガラスの向こうから見ていることで、
王室を眺めまわしているという意味合いになるので、
はじめてこの仕掛けの意味がある! とは、思った。


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キネマと恋人(シアタートラム 12/3 13:00)


昭和11年、とある地方の架空の町(方言も架空!)、
映画好きな主婦ハルコが、映画の中から出てきた登場人物と恋をする!

荒唐無稽で、下手したら滑ってしまいそうだけど、
すべてが上手くかみ合って、笑って泣いて、楽しいエンターテイメントでした。
もっと大きな劇場でやってもいいんじゃないかな。

劇中劇の時代劇、それっぽく作ってあるのに、
ストーリーが「江戸の町にミイラが!」という、
当時だったらありえない感じ(ミイラは紹介されてたかもしれないけど、
時代劇と合せて笑いになるのは現代のセンスだよねえ)、
そこで、ががーっと笑いに引きこまれた。

登場人物が一人いなくなったから話が進まなくって、
残りの登場人物が映画の中でずっと花札してるとか、
ネタとして面白いことがわんさかある。

でも根底にあるのは、映画への愛。役者への愛。

登場人物に恋をしてしまう気持ちは、
役者にはまった人なら誰だってわかるよねえ〜。

それと併行して、役者本人とも恋をしそうになるのが奥深い。

「あの作品のあの役、とっても素敵でした!
○○っぽかったです〜(はぁと)」
「あれは○○を意識してたんだよ、わかってくれたのは君がはじめてだ!」

なんてやりとり、
役者とファンの間にだけ起こり得る両想い!
あるある! いや、そのまんまは経験ないけど、
でも似たようなことあるよ! 気分だけかもしんないけど、ある!
この場面、ウルウルしちゃう。

映画の登場人物との恋は実るわけないけど、
役者さんとの恋は実るかもしれないよね、

と思わせておいて…
まさかのビターエンドーーー。

役者とファンの間にはやっぱり大きな河があるんだよねえ。

でも、ハルコがいたからこそ、彼はスターになれた。
ファン冥利に尽きることなのかなあ。

DV夫の家には戻らず、せめて妹と暮らして、
幸せになってほしいな、ハルコ。
そんな、後先を友達と語り合うぐらい、
ハルコに感情移入していました、我々。

ハルコは緒川たまき。
声が素晴らしいのよね、この人。トップ娘役の風情なのよね。
健気で、おとぼけで、クラシカルで。

憧れの役者さんが妻夫木聡。
舞台で初めて見たけど、悪くないねえ。スターさんだねえ。
顔が大きくて濃くてちょっと大芝居で、本当に昔のスターさんみたい!

ハルコの妹ですぐ男にだまされるミチルがともさかりえ。
この人も舞台で初めて見たけど、すごくいい。
幸薄いのに気が強くて、男の前ではデレデレで、切り替えが上手い。

ハルコのDV夫の人も上手かった。怖かったよ〜。

大スターさんが橋本淳くん。
ほっそり怜悧で、妻夫木のことを嫌ってるし、
ともさかりえをポイ捨てするしで、わるーい人でした。
でも劇中の時代劇では篤実な感じなの。演じ分けが面白い。

「この作品の中の半次郎は、寅蔵のことが好きなのよ、
いくらあんたが高木くんを嫌いでも、それは変えられない」
という脚本家の台詞も良かったなあ。
作品の中の登場人物はちゃんと生きているんだよね。

その脚本家が村岡希美さん。
この人も、出てくるとちょっとレトロになるよね。
だから好きなのかもな、自分。
(しかし、当時女性の脚本家なんていたんだろうか。)

みなさん、ちょっとずつ違う役も演じていてそれも面白かったけど、
着替えが大変だろうな。

場面転換がモダンな踊りで、ちょっと間延びしかかったけど、
あれは昭和初期にはやっていたモダンな舞踊のイメージなんだろうか。
橋本くん演じる大スターさんが、ファンにサインするところの振付なんか、
ものすごく面白かった。

衣装も可愛かった! 靴下履きたくなった。
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バレンシアの熱い花 / HOT EYES!!(神奈川県民ホール 11/26 18:00) [観劇メモ]

もう柴田作品を上演するのは無理かもしれない、
と思ってしまった。

なんかねー、場がうまってないんですわ。

スターさんはスターオーラでうめてたけど、
全体的に、スカスカな感じがしてしまったんですわ。
音響が悪いせいかもしれないけど。

柴田作品て、古いし、台詞が文語調だし、
場面転換とかもスピーディじゃない(当時としては多分普通)。
だから、台詞のあとの余韻みたいなものが舞台をうめる。

その余韻がない。。

タニウメのお披露目は10年前でしたっけ、
あのときすでに、「多分半分ぐらいしか柴田作品の雰囲気が伝わってないんだろうな」
と思ったけど、今回は1割しか伝わってこないな、と思った。

みんな若いから?
とにかく老け感が少なすぎる(老け役好きな私)。
老け感が堪能できるのは、すっしーさんとせーこちゃんぐらい。
誰か、専科さん出てー。
ていうか、上級生辞めすぎなんとちゃうー?

あ、でも、タニウメお披露目の新人公演を映像で見たことあるんだけど、
みんなうまくて感心したなあ。
あまちゃきのマルガリータ! 藤咲えりのシルヴィア!
八雲美佳のレオン将軍! 暁郷のルカノール!
若い人でも、場はうまってたと思う。。。

今回も、みんな上手いよ、上手いのよ、誰がダメとは思わないのよ。
でも、2010年代、なにごともスピーディで、密で、
物にあふれた時代に生きている人間が、
柴田作品を演じるのは、もう無理なのかもなあ。

直近だと、月組全ツの激情を観てるけど、あれは謝作品という面もあるからのぞく。
花組の仮面のロマネスク、雪組のコルドバを観てないので、わからんけど。。。

それに、この話って、
え、なんでイサベラと別れなくちゃならないの? ってちょっと思うじゃないですか。
まあ、身分違いってことなのねーと頭では理解できるけど、
今の価値観とはかなり違う。
でも、50~60年代の日本映画を見てると、
正妻と水商売のお姉さんは別っていう価値観がふつーに存在していて、
ああ、初演の76年は、まだそういう価値観をみんなが体感できてたんだろうなあ、と。


あっ、ロドリーゴってこういう人なんだってはじめて理解したのは収穫でした。
だって、前は蘭寿さんかみっさまで、どっちも暑くるしかったんだもん(笑)。
あっきーの怜悧さで、あー、貴族で繊細でインテリな人なのねー、
それが恋に苦しむなんて美しいわぁ、って理解できた。
(前の全ツは七帆ひかるかー、観てないけどピッタリだったろうなあ)


ところで、うらら様がつぎのトップ娘役って発表されてないん?
みりおん退団後もずっとうらら&まどか体制でいくん?

うーん、確かに今回の作品みたいに役がいろいろあって、
それぞれ似合う役をっていうメリットはあるけど、
でも、宝塚は関係性を味わうものだからなあ。
トップコンビっていう夢が見たいなあ、私は。
(この記事参照)
http://pt-omoitsuki.blog.so-net.ne.jp/2011-03-03-1


県民ホール、音響ここまで悪かったっけか?
会のみなさまのショーでの手拍子がズレまくっていて、
音響が悪くて前奏がよく聞こえないせいだと思うんだけど…

苦言ばかりですんません。

真風が近くに来てくれてウハウハでした。