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プリシラ(日生劇場 12/28 18:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

LGBTが広まってきたとはいえ、
日本ではまだ無理なんじゃないか、という気が…。
いや、それが原因じゃないかなあ。うーん。

オーストラリアのドラアグクイーン3人が、
シドニーから、田舎を目指すロードムービー。

年とった、かつてのパイオニア(性転換者)が、陣内孝則で、
乙女ちっくな感じで面白い。彫が深い顔だから、
あー、こういう年とったオネエさんているよね、と思う。

若くて挑発的な子は、古屋敬多という人で、スタイルもいいし、歌も上手い。
(Wキャストらしい)

何よ、ババア!
何よ、若造!
みたいな感じでいがみあっていた二人が、最終的に仲良くなる過程が、
なかなかドラマチックで良かった。

特に、パイオニアの過去の業績について、若造は全く認識していないんだけど、
その時代のファンの人と途中で出会って、
ファンの人の回想で、美しいレビューが上演されるところが、
とっても素敵! (若造も尊敬せざるを得ないような美しさ)
(回想シーンはさすがに陣内じゃない人がやってんだけどね 笑)

しかも、このファンの人とくっつくのよ。さらに素敵でしょ~~
(ファンの人はCONVOYの人らしい。役柄上、すげーいい男に見える)

だがしかし。
肝心な主人公(いっくん)のドラマがよくわからないのだ。
ドラアグクイーンなのに、子供がいるんだよ。
で、妻が経営している田舎の劇場でショーをする(妻とは今や親友)、
子供が自分の仕事を理解してくれるか…
バイってこと? それはわからないでもないけど、
妻と今でも仲良しっていうのが、都合よすぎないか~?
うーん…

と悩んでいたが、ふと気づいた。
『ラ・カージュ・オ・フォール』と構造は同じじゃん!!
(しかも、いっくんはラカージュでは息子のほうを演じてたよね~)

なんで、ラカージュは、自分の仕事を子供に理解してもらえるか、
という悩みが、すんなり入ってくるのに、
プリシラでは、なかなか伝わってこないんだろう。
うーん…

ひょっとして、ロードムービーの特性上、
子供がなかなか登場しないからかな?
ラカージュみたいに、目の前で、子供に否定されたりしないからかな?
そうかもしれん。

映画も見てみよう。

あーー、ラカージュが観たくなってきた!(笑)
将来、いっくんのザザが観てみたいなあ!
(その前に、岡っちにやらせてあげてよ!)

そうそう、
陣内の役の人が昔やってたのは、ヅカファンになじみ深い「レビュー」。
ラカージュでやってるのも、「レビュー」っぽい。
それと、ドラアグクイーンの文化って、当たり前だけど、つながってるんだね。
ナイトクラブでおネエさんがやるショー、を
あえて「ドラアグ」と名付けていったのは、いつ頃、どういう動きだったんだろう??

あと、プリシラでは、導入部分に本当のドラアグクイーンが登場して、
場を盛り上げてくれるんだけど、すごくいいんだけど、
でも3人のオネエさんぶりが足りないようにも見えてしまい、難しい。
ミュージカル俳優として表現する部分も必要だから、
完全にオネエっぽくするのも変だし。

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磁場(本多劇場 12/23 14:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

『HEAD'S UP!!』の倉持裕が脚本で、
同じくユウヒさんが出るというので、観ました。

『HEAD'S UP!!』はすごくよくできたエンタメだったけど、
こちらは小劇場らしい作品で、
倉持さんの守備範囲の幅広さに驚き。

登場人物一人ひとりについていろいろ考えてちゃう
(その後どうしたかな、この前はどうだったんだろう、等々)
っていうのは同じで、やっぱりすごく上手いんだと思う。


そいでもって、めちゃくちゃ怖い話なんですよーー。

新進の脚本家が映画脚本執筆のためにホテルのスイートをあてがってもらって、
監督やプロデューサーと打ち合わせしたりするんですが、
ホテル代をはじめ、映画全体のスポンサーである大企業の会長さんが、
最初は善意っぽく、でもだんだんネチネチと、口出してくるわけです。
会長の意向を勝手に汲む秘書との関係性とか、
(会長にボコボコに殴られても秘書を続けている)
知られたくない過去まで調べて脅迫するとか、

観ながら怖くて怖くて、やめーてーー
と心の中で叫んでました。

大なり小なり、こういうことってあるじゃないですか。
組織の中で、一番力のある人をみんなで持ち上げて、
勝手に推測して勝手に自粛したり、
で、力のある人は孤独になり、もっと力を発揮しようとして、
誰も楽しくない状況になっちゃう。

せっかく面白く作られたものを、自分のセンスが悪いからって、
「一人よがりだ」ってケチつけて、超つまらないものにしちゃったり、さーー。


最終的にはどんでん返しで、ものすごく悲劇的な終わり方をします。
脱力…


パンフによると、実際にあったことを、
ちょっと誇張したり、ちょっと大人しく書いたりした、とのこと。
えー、これよりもっと怖いことがあったのー?!

こういうことは「巻き込まれる」とか「ひっぱられる」とか、
紐とか布のイメージなんだけど、
それを「磁場」っていうのが面白い。

会長役の竹中直人が、怖すぎて怖すぎて。

ユウヒさんはその愛人で、売れない女優。
ややダサい服で、一見どっちの味方かわからない感じなんだけど、
実は慈愛に満ちていて、それとなく主人公を助けようとする。
宝塚の元男役に、慈愛って大事よね。
でも「売れない」のはちょっと似合わなかったな、風格がありすぎるんだもん(笑)


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紫吹淳コンサートLe histoire(日経ホール 11/25 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

今までのコンサートの中では一番好きです。
短くてシンプルだけど…それでいいっていう気が。

なんといっても、
女優燕尾が完成されてた!

ターコさんが、「卒業して一度男役を解体して、
女優を身に着けて、それからでないと燕尾服は着れない」
みたいなことを言ってたと思うんですが、
それができてたと思う!

メラニーで女優になれたと思ったのが卒業後7年目、
女優燕尾は12年目、
長い道のりだ~

いまどきの曲をやらなかったのも私好みの理由の一つです。
半分が宝塚の曲で、あとはお芝居仕立てのカルメンと、
ジャズと、ショパンのピアノソロで踊る、って感じだったかな。

カルメンがすげーかっこよかった。
「役」でいるほうが合ってる。
(かわいい女の子キャラが一人もいなかったのも私好み)

名前のある「役」でない場合は、
女優燕尾的な男役でした。
これがねー、しらたまさん(アンパンマンのキャラね、リカちゃんがモデルのあれよ)
みたいな髪型で、かっこいいだけじゃなくて、すっっごくかわいいの!!

歌うときのスタイルが確立できたらいいのに、
って思ってたけど、
女優として新しいスタイルができたわけじゃないけど、
この女優燕尾的なスタイル、なかなかいいんじゃないかなあ。
このスタイルで、いろんな歌を歌えるんじゃないかなあ。


…と思ったら、あらっ
男役は封印するとな!??
http://natalie.mu/stage/news/210848

うーん、なんか違う気が。

だって、もはや男役そのものと違うっしょ。
この女優燕尾的な男役が、女優を身に着けたうえでの男役ってことで、
逆に、いいほうに進化してると思うけど??
やっと、ここまでこれた! って思ったけど???

…リカちゃんの考えていることはよくわからん。いつも全然わからん。

こういうんだったら、またやってほしいけどなああああ。




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遠野物語・奇ッ怪 其ノ参(世田谷パブリックシアター 11/2 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

『太陽2068』が面白かったので、同じ脚本家前川知大の作品を観ることに。

柳田国男の遠野物語に着想を得つつも、
舞台は、現代とも未来ともつかない架空の日本。
「標準化推進法」とかいう法律で、世の中が均一化され、
迷信や曖昧な事柄はおおやけにしてはいけない。

現代日本への批判なわけであります。

ヤナギタという作家が、遠野という村の「話」を青年ササキから聞き取って、
自費出版→拘留→検閲官が尋問。

その会話の中に、遠野で聞いた「話」が織り込まれる。

その織り込まれ方がいかにも演劇的で面白い。
警官が突然、遠野の人になったりするの。

舞台にはちょっとだけ高くなった四角いスペースがあって、
取調室でもあり、遠野のどこかの家の中にもなる。

「曖昧な話は、おおやけにしてはいけない」
と言う警官や検閲官が、迷信の中の人になっている。
だから、どんな人もそういう部分も持っているよね、という。


じつはわたくし、仕事で、
記録を残す、歴史を編む、ということを意識することが多いのですが
(まわりくどい言い方ですんません)

オーラルヒストリーを採取するか、
ということが懸案になりがちです。

そんなもの必要ない、
不確かだ、裏が取れない、
という意見も多いです。

じゃあ、紙に残っているものだけが事実なのか?
そんなこたぁねえだろう。

「話」として伝えられていること、
そのこと自体も、重要な情報のはず。

不確かなものを排除しようとする社会の動き。

「話」、「語り」に託したい、個々の人間の心。

…いろんなことを考えさせられました。



ただ、頭で考えちゃう感じで、エモーショナルな感じにはならなかった。

検閲官が自分の心情を吐露する場面があるんだけど、
そこに至るまで、ヤナギタともっと熱い感情のやりとりがあると良かったな。

遠野物語からとったエピソードがけっこう多くて、
面白いんだけど、それに時間を取りすぎたのかもしれん。

主人公ヤナギタ自身が、作中であまり変化が起きないからかな。
ササキ君も心情では変化は起きないし。
一番変化があるのは、検閲官。

今気付いた。検閲官の名前はイノウエ。
『新釈遠野物語』を書いた井上ひさしから来てるのかー!
すげー!



ヤナギタは仲村トオル。
声がよく響くし、背も高いし、やや一本調子なのも大物っぽくて、
スターさんだなあと思いました。

遠野の青年ササキが瀬戸康史。
東北弁といい、霊媒体質っぽさといい、ほんと上手い。

検閲をするのは山内圭哉。
生で見るのは『宝塚BOYS』以来だろうか。
冒頭、語り手的な感じで、関西弁で観客を誘導するのが面白かった。

ササキのおばあちゃん(途中で幽霊になっちゃう)
銀粉蝶が、やや高めの声がいっちゃってる感じで、
かわいかったな~。60代とは思えないぐらい綺麗。



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スカーレット・ピンパーネル(赤坂ACTシアター 10/22 17:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

パーシー、マルグリット、ショーブランの三人の力が拮抗して、
ビシバシと火花を散らし合って、
それを素晴らしい歌唱力で訴えかけてくるもんだから、
ものすごい満足感が得られました。

宝塚版では、群衆がいて、
その背景を背負って、ショーブラン<マルグリット<パーシー
という壮大なピラミッドができていたけど、
宝塚は出演者がたくさんいるから、そう改変したんでしょう。
(もちろん、それはそれで奥行があってよかったです。)

でも、もともとは、メインの三人の心情を中心にしていたんですねえ。
パーシーのマルグリットに対する疑い、
マルグリットのパーシーに対する幻滅、
ショーブランのマルグリットに対する執着、、、

石丸さんのパーシーに、トウコのマルグリット、
絶対すごいものになるとわかってたけど、
なんとしてでもチケットを取ろうと思ったのは、
石井一孝さんがショーブランだから!
ショーブランの苦しみが、切なすぎて、、、最後かわいそすぎて、胸が痛かった!

CD出ないかなあ~


以下、宝塚版との違いのメモ。


宝塚版は、冒頭で、群衆がマダム・ギロチンを歌って、
その中で、ピンパーネル団がすでに活躍してる場面がある。
群衆を出すためもあるし、この場面があることでわかりやすくなってる。
元の版ではこの場面はなくて、いきなりマルグリットが劇場で歌っている場面。

この場面を入れた結果、
元の版では、この作品の中でピンパーネル団が発足するけど、
宝塚版では、最初は3人で活動していて、あとから人数が増えることに。


マルグリットが元娼婦で、
娼婦だったことをパーシーにばらすと、
ショーブランに脅されて、サンシール公爵の居場所を教えてしまったこと。
当時の女優は当然そういうものなのに、
宝塚版だと貴族と同級生ってことになってて、疑問に思っていました。
すみれコードに反するから改変したのはよくわかる。
あと、なんで重要な秘密をショーブランに教えてしまったのか、
説得力がいまいち足りなかったけど、元がそういうことだと知って、納得。

すみれコード関連だと、
パーシーとマルグリットが知り合って6週間で、
まだ清い関係だということも。
宝塚版だと、当然、大人の関係だという前提で観てた。
「清い」を明確にすると、かえってすみれコードに反するから、明確にしなかった、
逆に、清くないことになってた、という面白い例。


一番違うのは、
ルイ・シャルルが出てこないこと!
救いに行くのは、ルイ・シャルルではなくアルマンだったのねー。
そのうえ、助けに行ったマルグリットもつかまっちゃう。
(トウコの、やや蓮っ葉で無鉄砲な感じが合ってた。
元パーシーでなくても納得のキャスティング)

宝塚版だと、アルマンは若手有望株がこの人ですよ、
と示すためだけの役だったよね。。。

マルグリットが下層の暮らしをしてたということが明確だからこそ、
弟と苦労して暮らしてたんだろう、助けに行くのも無理はない、と感じる。


で、ルイ・シャルル。
宝塚版では、ルイ・シャルルを通じて、
パーシーがスカーレット・ピンパーネルだとマルグリットに伝わる、
そして、ルイ・シャルルを通じて、
「ひとかけらの勇気」という宝塚版のための新曲が
マルグリットに伝わり、それをマルグリットが歌うことでパーシーに愛が伝わる、
という、ミュージカルならではの仕掛けがあるわけだけど。
そこでものすごいうっとり感が得られるんだけど。

このクライマックスは、あらためて、
小池天才!! と絶賛せざるを得ない。

元の版だと、これがないので、
クライマックスがちょっと早く来ちゃうの。

クライマックスは、マルグリットがパーシーを裏切っていなかった、
ということをパーシーが知って、ソロを歌う場面。
これも素晴らしくって、うっとりするカタルシス。テンション上がるー!
それまで、パーシーが間抜けだったこともあって、
かっこいいい、目がハート、になる。

ただ、二幕のわりと早い段階で来ちゃうので、そのあとが物足りない。
そのあとのアルマン救出劇で、
どうやって救出するんだろうというワクワクはあるけれども、
クライマックスー、うっとりーー、っていうんではなくなっちゃうのよね。


あと、宝塚版だとアルマンの恋人になってたマリーが、
全然、そういうキャラではなかった。
マリー・グロショルツ、じつは、
蝋人形で有名なマダム・タッソーの名前と旧姓なんですね。
知らなかった!

ラストのパーシーとショーブランの対決が、
蝋人形を使ってだます、というもので
(宝塚だとちょっと生々しいからやめたんだろう)
その人形を作るのが、マリー。
マリーのフィアンセの苗字がタッソー。

今回はなんと、あの96期の人なのですよ。
娘役にしてはゴツイと言われていたけど、
宝塚以外では全くゴツくなく、アンサンブルとして馴染んでた。
キムの相手役させられたのは本当に気の毒だった。
でも、女性の役で二番手というには、すごく綺麗というわけでもないし、
いや、まあ、宝塚ほどの美貌は求められないからいいのか、
逆に、個性的なおばちゃんの役というには、
若すぎるし、すごく演技が達者というわけでもない。
マリーが、どういうポジションの役か、ますますよくわからない。
彼女は歌がすごく上手いということだからソロがあるかと思ったら、ないし、
どういう意図のキャスティングなんだろうか?? 素朴に疑問。
(いや、この件に関しては心が凍ってしまって、
完全にプレーンには見れていないのかも。
彼女が一番に悪いわけではないと知っていても。)


そうそう、石丸さんのパーシーは笑いがややすべっていて、
笑いはトウコのパーシーのほうが上手かったな(笑)
ま、そのおかげで、かっこいいパーシーとの対比が効果的なんだけどね。




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娼年(東京芸術劇場 9/3 13:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

ものすごく実験的でした。

というのも、Hシーンを、最初から最後まですべて、ちゃんと演じるのです。
最後までって最後までですよ。
こんなん初めて観た。

普通は暗転するところを、全部やっちゃうから、
客席はどうしたらいいのか困惑。

でも、それにちゃんと意味がある。

ダンサーが成長する物語なら、
踊りで、下手なのから上手になるのを表現しなくちゃならないじゃないですか。
こういう踊りをする人が、こういう場面では違うふうに踊った、とか、
踊りに心情があらわれる、とか、あるじゃないですか。
それと同じことを、ベッドの上で表現するわけです。

いやあ、ほんと大変だと思う。
全く新しい試みなのでは。
映像ならあるだろうけど、舞台で、だよ。

イケメンだけど物憂げな大学生が、娼婦ならぬ娼夫として成長?する話なんですが、
結果として8回ぐらいあったかな、そのシーンが。

どれも個性的でした。

女性の欲望が個性的ってことなんですね。

見た目にコンプレックスがある、
セックスレスを気にしている、
人と違うことで興奮する、等々。

それに寄り添う娼夫。

完全に夢物語ですわ。

でも、そんなんあったらすごくいいな、と思う。

男性が次々女性を食っちゃう話なら、
90年代ぐらいの青年漫画によくあったけど、
それとは違うのはなんでだろう。

また、男女が逆だったら、
「女性に都合のいい役割をおしつけて」
「これだから男は」
って石投げられるよね。(私なら投げます。)

それだけ、女性は買われる性だったということ。
この話はそれに真っ向から挑戦している。
だから夢物語。

主人公のことを好きな女の子が、
「一番いいエッチは、好きな人とするものに決まってる」と言っていたのに、
結果的に、金で主人公を買って、好きな人とできたのにも関わらず、
プロの技だったことで衝撃を受ける、
なんていう、かなり特殊なドラマがあったりするのも、面白い。

二幕最初に、笑える場面があったのも良かったな。

立ち見を求める列に並ぶ女性が多くて、
主役の松坂桃李を観たいだけでなく、
女性にとっての真の夢物語を求めているんじゃないかと思う。

松坂桃李は、ほんとーに真面目な人なんだろう。
真面目で物憂げな役柄にあっていたし、
真面目でなければ、こんな役、こんな場面、やり遂げられないと思う。

娼夫の元締めの高岡早紀、立ち姿がいちいち決まってて美しかったです。

村岡希美が客として登場するんだけど、
この人への信頼感がさらに増しました。
体全体を使って、Hシーンを演じているのが、
真の役者さんだなー、と安心して観ていられる。

役者さんたちがみんな全力投球でやってるのを観たら、
なんか不思議なテンションになって、
終演後、友達と、そっち方面について、
今まで話したことないようなことまで、いろいろ語った。

道行く人たちを見ながら、
みんなそれぞれに、それぞれの性生活があるんだなあ…
と、いとおしく思えてきたり。

いい芝居だったかと聞かれたら、
脚本とか、ムーディすぎる音楽とか、バーやオフィスのセットがちゃちいこととか、
気になる点はいっぱいあるけど、

でも、衝撃的な芝居であったことは確かです。

そうそう、舞台中心のベッドに、
長い長い階段を降りて松坂桃李が降りてくるのが、
待ってましたー! と思えて面白かった。
この記事によると、女性の心の奥底に降りてくる、という意味なんじゃないか、とのこと。
なるほどー。

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狸御殿(新橋演舞場 8/11 16:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

狸御殿というのは、戦前のミュージカル映画で、
人間のふりをした狸たちが、歌って踊ってハッピーエンド、
という設定のシリーズ。

宝塚のOG公演でもありましたね。

これは、宮本亜門が20年ぐらい前にやったものの再演だそうです。

宮本亜門。
豪華な出演者。
狸御殿。
いやがおうにも期待は高まりますが。

明治座とか、御園座とかでやってるのって、
こういうやつだよね、というやつでした。

それぞれ面白いところもありつつ、
一体となって盛り上がるような感じではなく、
くすくすっと笑ったりして、予定調和で終わる。

セットは下手ウマ風でかわいいけど、
もっともっとゴージャスに、立体感あるようにすればいいのになあ。
歌や踊りの場面ももっと増やせばいいのになあ。

肝心のクライマックスが、歌対決なんだけど、
オペラの人と、民謡の人で、かみ合ってるんだかかみ合ってないんだか。

ていうか、そこは主役が活躍するべきなんじゃないのかーー??
(調べたら、オペラの人と民謡の人は、
テレビ番組のカラオケバトルで有名なんだそうで。)

主役の松也さん、ナマで見るのは初めてですが、
ほんと、目に色気があって素敵~。
でも、肝心の活躍場面が少なくてもったいない。

花緑がナレーターとして頑張っていました。

渡辺えりと赤井英和のラブシーン(?)がすごく良かったです。

ところで、アンサンブルにいる咲良さん、
なんと、あのWさん。(→こちらの記事
卒業後、頑張っていたんですねえ。
ひときわ華やかで、動きにキレがあって、目立っていました。
ソロもありました。歌も、上手!
今後も楽しみです。

あ、ひびのこずえの衣装がすごくかわいかったです。


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月・こうこう, 風・そうそう、Vamp Bamboo Burn [観劇メモ(ヅカ以外)]

●月・こうこう, 風・そうそう(新国立劇場 7/30 13:00)

別役実というと、エッセイか何かを読んだことがあります。
もはや歴史的な作家だと思っていたのですが、ご存命だったんですね。

うーん…、いろんな要素がバラバラでした。
かぐや姫の伝説は、竹藪での人身売買である、という現実的で面白い解釈がありつつ、
謎の巨人が登場したり、ファンタジックな部分も多く、
世界観がちぐはぐな感じがしました。
明かされないことがたくさんあって、最後のほうで明らかになって面白くなるのかな?
と思っていたら、それほど派手に明かされなくて、おや~? となったり。

ヒロインが和音美桜で、トップにならなくてもこんなに活躍しているんだなあ、と嬉しい限り。
娘役らしさが活きていたと思います。
相手役が橋本淳くんで、意外な組み合わせ。雄々しい役は珍しく、かっこよかったです。


●Vamp Bamboo Burn(赤坂ACTシアター 8/20 12:30)

新感線とクドカン。
クドカンらしいネタ満載で、特に前半は面白かったです。

しかし、詰め込みすぎ。
かぐや姫(またか!)がエイリアンであるという設定と、
吸血鬼と、ヤクザの抗争。お腹いっぱい…。

特に後半は、脚本の出来が遅かったんだろうな、という感じでグダグダに。
いや、ヤクザの抗争を混ぜ込んだのが失敗か?

主演の生田斗真は、ストレートプレイで観たときはなんとも思わなかったけど、
こういうコスプレっぽい役だと、なかなか素敵。
ヒロイン格の中村倫也は美しい~。
あ、ほんとのヒロインは小池栄子で、思ったよりも華がありました。スタイル抜群。

おじいさん役の村木とし子、赤いほうのヤクザの川原正嗣が良かったです。
あと印象に残ったのは、ジャニーズの神山智洋が笑いを取ってたことと、
鉄道オタクの徳永ゆうき……ええっ、この人、演歌歌手なの!? しかも21歳!?

そいでもって、我らが花瑛ちほ! 色っぽく元気いっぱいに頑張ってました。

しかし、篠井さんの使い方がのう、もったいないのう。





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ジャージーボーイズ(シアタークリエ 7/1 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

男声コーラスって、いいよね~~
子どもの頃は、ダークダックスとかデュークエイセスとか、いたなあ。
ゴスペラーズはもっと後か。

「君の瞳に恋してる」などの有名な曲を歌った
フォーシーズンズというグループ、
認識していませんでしたが、
聞けば知ってるような曲ばかり。
アメリカの国民的なグループなんですね。
その曲だけを使って、
彼らの成功と離散を物語るミュージカル。

有名なあの人たちが、
じつは、仲悪かったんです。こんないさかいがあったんです。
そういう、のぞきみ趣味は、簡単に面白いお話になるけど、
このミュージカルがいいのは、そこじゃなくって、

共同作業って、どうしてもそういうことってあるよね
と思えるところ。
国民的ヒットグループでなくって、ただの一般人でも。
上手くいってるときは気にならなくても、
じつはちょっと我慢してたり、優越感もってたり。
完全に公平で対等ってことは、ありえない。
それが「あるある」って思えるから、切ない。

4人のメンバーそれぞれが場面を分けてナレーターをつとめるので、
「やつはこう言ってたけど、じつは俺はその前からこう思ってたんだ」
みたいな語りで、奥行きが深いのもいい。

クライマックスに向けてどんどん深刻になっていって、
でも曲はどれも楽しくて、
これ、どーやってオチつけるんだ、と思ったら、

(以下、盛大にネタバレ)


ラスト、家族の不幸でどかんと落としたあと、
急に、年とってからの復活コンサートの場面になり、
それぞれが、その後どんな人生を送ったか、
あのころどんなふうに思ってたか、を総括してくれる。

その中で、主人公格のフランキーが言うことがいいんだよねええ。
「街灯の下で、はじめて4人で歌ったときの感動が忘れられないから、
今も自分は歌っている。」

そういう原点があるからこそ、なんだ。

ギャングたちも、お前たちの歌が好きだから(殺せない)って言ってた。

その素晴らしい原点である、「音楽」が、
ちゃんと4人の歌で表現できているのも、いい。

フランキー役は中川あっきーで、この人だけシングルキャスト。
いやはや、主役はれて、あれだけ高い音域が出る人は、
この人しかいないのでは。シングルにせざるをえなかったのでは。と思う。

ほかは、レッドチームということで、

田舎のチンピラっぽいトミーが藤岡正明。
俗っぽくて似合ってたけど、
カーテンコールでしきりに「ほんとはいい人ですから」って言ってた(笑)。

この二人が、いかにもアメリカ! っていう歌い方をしてくれるのも、
世界観をあっというまに作ってくれてよかった。

ちょっとボンボンで、作曲の才能があるボブが矢崎広。
いやはや、『愛と青春の宝塚』のあの兵隊さんが、
いまやこんなスターさんにねえ。
つるっとした感じで、チンピラとそりが合わないのも納得って感じだった。

ベースのニックが吉原光夫。
『サイド・ショウ』以来だよー、ジャンバルジャンも観たかったのよー。
悠然としてて、ちょこっとした動作で笑いをとれる、すごい余裕だなあ。
じつはちょっと神経質って設定も面白い。

ホワイトチームも観てみたいけど、チケットないだろうなあ。

コーラスって、究極の共同作業だよね。
同じ人の声で録音でコーラスにしても、全然面白くない。
他人と声を合わせるからこそ、素敵な音楽になる。
でも他人だから、かみ合わないことも絶対にある。

カーテンコールがショーみたいになってて、
当然のようにスタンディングして、みんなで同じふりをして手拍子して、
切ないけど、楽しく終われたのも、よかったです。




柿喰う客フェスティバル、冷蔵庫の上の人生 [観劇メモ(ヅカ以外)]

劇団「柿喰う客」について語る言葉を私はあまり持っていない…
昨今の演劇シーンとか、
小劇場とか、
全然知らんので。

でも面白いと思うんだよなあ。なんでだろー。
文語調だからかな?
(アングラ演劇の系譜なんですかね? 柿。)

あと、役者がみんなめちゃくちゃ上手いからかな?

10周年の再演祭り。
5作品を上演するうち、2作品を観ました。

●いまさらキスシーン(6/5 17:00)

わたくしイチ推しの玉置玲央の一人芝居。

恋愛に勉強に部活に、すべてにまい進して突っ走る、
よくばりで耳年増な女子高生が、
飛んだり跳ねたりしながら、
30分間ノンストップで高校3年間を駆け抜けます。

機関銃のように発射される言葉の羅列(時に文語調)、
女子高生が女子高生らしくなくふるまおうとすればするほど、
女子高生の嫌な部分がより伝わってくる滑稽さ、


一人芝居というと、私が観たことあるものは、
一人の人物として台詞を言ってました。

でも、この芝居は、他人の台詞からト書きから、全部しゃべっちゃう。

今回は音楽を新たに作ってもらったそうですが、
それがないと「落語」っぽいんだそうです。
なるほどなるほど。

柿は「語り」の芸能に近いよね。

だから、突拍子もないことが起きたり、
暴力沙汰になっても、
それほど生々しくはない。

空想の世界を、台詞であっというまに作ってしまう。
いわゆる台詞劇とは真逆。


そんな芝居でイキイキと輝く玉置。
ふつーの演劇だと(いのうえひさしの『戯作者銘々伝』を観ただけだけど)
ちょっと物足りなく感じてしまう。上手いけど。上手いんだけど。

間合いを感じて劇場の空気を動かしていくような上手さではなく、
観客が置いていかれようがどうしようがお構いなしに
自分の世界を作ってしまう、
そういう、ぶっとび、のめりこみ系の演技。

が、私は好きであります。
(リカちゃん、ふみか様、しかり)


ところで、制服の下はTバックでした。
飛んだり跳ねたりするたびにドギマギしました。
友人いわく「あれが画竜点睛なのよ」
…! 画竜点睛て!
肉体を余すところなく使います、演劇に捧げます、
という宣言なのでしょう。Tバックが。多分。



●フランダースの負け犬(6/17 19:30)

高校演劇でもよく上演されるそうです。
とても、わかりやすいです。

でも深いのよ~。

どの組織にもいそうな、バカだと思われている人物と、
それに罪をなすりつけようとする体制の問題。

主宰の中屋敷が19歳で書いたという。19歳だよ、19歳。
19歳でこんなこと考えて、作品にできちゃうなんて、天才としか思えん。

登場人物の半分ぐらいは実在の人物で、
ドイツ陸軍が第一次大戦中にフランダース地方でやらかした失敗についての話。

それと、日本人が大好きな「フランダースの犬」をからめているという。

(そういえば最近『誰がネロとパトラッシュを殺したか』
という本を読んだのでした。
「フランダースの犬」って、イギリスの通俗小説なんですね、元は。
で、肝心のオランダ人はこの小説が嫌いだそうで。)

玉置は主役の上官の役。
上官チームには中屋敷も入ってる。
客演の方が一人、この人もすごくうまかった。

バカ役の人(新メンバー)も徹頭徹尾バカでゾクゾクした。
柿でおなじみの永島さん、大村さんも、やはり上手いなあ、と感嘆。

そんな中、主役のイケメン(新メンバー)の演技が、ふつーすぎた。
ほかだったらそこそこ上手いのかもしれないけど、
周りがあまりにも「役者の狂気」を帯びているから、違いすぎる。
中屋敷らの育成に期待す。



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あと、ユウヒさんが出た『冷蔵庫の上の人生』も、
友人に連れられて観ました。

ガンで亡くなる40代女性と、高校生の娘との、
冷蔵庫に貼るメモでの交流を描いた二人芝居。

アメリカ人なのかな? カナダ人?
「大好きよ、ママ」とか、日本人は言わねーよなー、と思いつつも。

泣いた泣いた。

女医で、シングルマザーで、病気になって。
白衣と極限状態が似合うユウヒさんでした。

娘の役の子は、あまちゃんに出ていたらしい。
ものすごく生命力あふれるお嬢さんでした。




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