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不徳の伴侶(赤坂レッドシアター 5/31 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

久々に、魂持って行かれる感じのものを観た!

オギー作で、彩乃かなみがメアリー・スチュアートをやるっていうから、
そりゃ観ないわけにはいかんだろとチケット取った、
大正解。

ずっとその舞台のことを考えている、
というよりは、
ずっと体の中にある。

「クローゼット(朗読)ミュージカル」と肩書きについているが、
検索しても説明は出てこない。この芝居と、
同じく、オギーと、音楽の福井小百合さんの過去の舞台しかヒットしない。

朗読劇ってふつー、座ってしゃべるだけじゃないですか。
藤沢朗読劇だと、衣装着て、照明とか効果音がいろいろ入る。

それに、歌と踊りがついた。
(衣装は現代的なのでちょっと違うがそこは置いておく)
さらに、立ち位置もどんどん変わる。

だからショーっぽくもある。

このさき、手に台本を持たなくなって、
場面転換がいかにもになったら、
普通のミュージカルになる。
というその境目。

なんでこんなスタイルにしたんだろう。
簡素だから?
でもこれだけ複雑だから、絶対歌も台詞も暗記できてるよね?

いやいや、このスタイルだからこその効果があるんだ。
手に台本を持っているという縛り。
これがあるからこそ、相手役と直接触れ合うことがない。
ちょっと手を取ったりはするけど、基本、向き合わない。

だから、感情が客席に投げ込まれる。

そのうえ、ミュージカルですよ。
感情の量が多い。どんどんあふれる。

それが客席にどくどく流れ込んできて、
待ってー! 受け止めきれなーーーい!

…終演後、隣の人が「はぁ~~~」って長い溜息ついてました。
わかる、わかるよー。

しかも主要3人がめちゃ歌ウマで、
音楽も素晴らしくて、オギーの世界観にぴったりで、
むちゃくちゃ難しい歌が次々繰り出されるから、どんどん飲み込まれる。
(歌詞聴き取れるし! 笑)

メアリー・スチュアートは、中谷美紀で観たことあります。(コチラ
高貴で、優美で、そして愚かな女王様。
「愛した、でも間違えた」というフレーズが切ない。
今の言葉で言うと、リスク管理ができない人ですかね。
恋愛や結婚で間違うと、ひどいリスクを背負ってしまう、王族の悲劇。

少女のように愛らしく、率直で、わがままで、
うっとり顔がさすがの娘役芸で、高貴で、
オギーが是非この人にと思うのが納得のかなみん。
もっと活躍してしかるべきの人だよねー。
歌声がふくよかで麗しい。

メアリーさんは3回結婚してて、3度目の夫が、
今回の相手役であるボスウェル伯。
藤岡正明をはじめてかっこいいと思った! ときめく!
全然好みじゃないけど、これは最高にいい。
ジャージーボーイズのあの卑俗な感じももちろんいいけど、
今回は不器用な武人なのよー。
女王様を宝石のように思って、お互い好きなのに耐えているのよ。

すんごい歌ウマさんなのね。
宮廷の陰謀をリズミカルにすごい早口で歌う歌で、一気に引き込まれた。

メアリーを俺の宝石みたいに讃えるナンバーが切ない!
二人が思い合うナンバーでうっとり!

まるで少女マンガでしょー。
胸キュンだわー。

と思いきや。

なんとまあ。。。
ここがオギーの残酷さなんだろうけど。

二人が結ばれる場面が、全然幸せじゃないという。
いやー、メアリーさん、それはOKしていいんじゃないの、と思いつつ…
いやいや、ボスウェルさん、拒否されたら我慢してくださいよ、と思い…
どっちにも感情移入。

これは宝塚では無理だよなあ。
いや、オギーの『バビロン』の鳩の場面とか、
『タランテラ』の蝶の場面って、そういう意味だったのかな!?
(あと、うえくみの『金色の砂漠』がちょっとそう…??)

しかも、そういう場面をですね、
普通なら暗転しちゃうところなのに、
歌でやっちゃうんだよ。歌!
だから怖い、クローゼットミュージカルとやら。
ありえないっしょ。

二人は結婚して一か月もしないうちに、
反乱をおこされ、逃げることになり、
別れ別れになって、幽閉され、二度と会うこともなく、
ボスウェルは10年後に発狂し、
メアリーは20年後にエリザベス一世に処刑される。

一方、リスク管理ができるのがエリザベス一世。
(レディ・ベスね)
リスクがあるから結婚しません! と徹底している。
父親が妻6人のうち2人を追放、2人を処刑…
夫を持つものは呪われろ、妻を持つものは嘆くがいい、っていうフレーズがつらい。
シルビア・グラブ、硬質で意志が強そうで、
でも本当は傷ついているからそうなんだよね、という線の細さも見える。

ほかには、
メアリーの二人目の夫で、とにかく薄情で悪いヤツの
ダーンリ郷や、メアリーの兄や、
メアリーの一人目の夫の母のカトリーヌ・ド・メディシスとか。
いろんな人物を、一人何役も演じる人が数人。

舘形比呂一は、リカちゃんと共演したとき全然かみ合ってなかったけど、
それは相性の問題だったんだろなあ。
ぞっとするような魅力があるのねえ。カトリーヌ・ド・メディシスの女役の凄み!
百名ヒロキははじめてみる。
薄情で傲慢な遊び人の若い夫、ってのが合ってた。
吉本真悟はダンサーなんだね。
関西弁でスペイン人をやったり、おおげさなカタコトでイタリア人をやったり、
この人だけ衣装が柄もので、
ちょっと別枠という位置付け。愛されキャラだった。

いろんな場面を思い出すなあ。

少女時代を思い出す明るいナンバーが、
処刑の場面で使われていたり。

死んだ後もボスウェルが椅子に座った状態で、
メアリーをじっと見ていたり。

メアリーの衣装は赤で、ボスウェルの衣装は青なんだけど、
二人の思い合うナンバーに「紫」って言葉が入ってた。
二つの色が混ざった色なんだね。

レッドシアターにふさわしい、緋色の女王様のお話しでした。

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図書館的人生Vol.4 襲ってくるもの(東京芸術劇場シアターイースト 5/26 13:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

イキウメの図書館的人生は短編をつないだシリーズ。
(図書館と直接は関係ない)
今回は、完全に独立した短編ではなく、
登場人物が少しずつ重なっている3つの物語。

「襲ってくるもの」というタイトルに一番ぴったりなのは、2つめの話。

意志でも感情でもない「衝動」に突き動かされて、
交通事故を起こしてしまった青年。
大窪人衛さんのいっちゃってる感がすごくいかされている。
そこまでの衝動は、自分的にはそれほどは共感できないなあ、
統合失調症の症状のようにも見える…
でも、彼が言う、自分のちょっとした行動がめぐりめぐって世界を変えてるかも、
というセカイ系の妄想は、わかるなあ。
横断歩道でずーっと手振ってる人がいて、この人もセカイ系なんだろうなあ。

1つめは思い出が襲ってくる話。
認知症になった脳科学者が、
自分の意識を機械に移植して、
寄木細工の箱になっちゃうんだけど、
あまりに人間味がないので、家族がコーヒーの香りをかがせたら、
プルーストのあれみたいに、過去の思い出が襲ってきて、つらすぎる、という。
すごく切なかった。
安井順平は我が家では大人気なんだけど(『地下室の手記』が最高)、
機械の声から、コーヒーの香りを嗅いでからの変化が、すごい上手くて鳥肌もの。

イキウメはつねにSFっぽい設定なんだけど、
結果として、人間らしさとは何かとか、そういうことを対比させているんだよね。

3つめは「優しさ」という欺瞞に襲われている話。
よくある、他人のためと言いながらじつは自分の自己満足のために
他人を変えさせようとする人と、それにあらがう人の話。
優しさを妹に押し付けようとする兄が、
タップダンスが趣味なんだけど、最後あやつり人形みたいに踊っているのも意味深。
兄は浜田信也。この人の機械っぽさ(やや棒、民主党の前原に似てる 笑)が
イキウメのSFっぽさにかなり寄与してる気がする。

セットが、入れ子になったような箱で、これは1つめの話の比喩なのか。
箱の境目から人が出たり入ったりして、通路のようになったりするのも面白い。
つらい思い出がよみがえるとき、その奥から手前に出てきたり、
そこが窓になったり。

1つめのつらい思い出=弟の彼女をとっちゃった。
その弟が2つめの主人公。
弟の勤務先の友達は、昔ストーカーだった。
その、ストーキングの話が3つめ。
ストーキングされる被害者の友人が、1つめの話の「弟の彼女」で、寄木細工の職人。
1つめの話の主人公が入っている寄木細工はこの彼女の作かもしれない。
…この人はあの話の…?? と考えながら観るのが楽しい。

でも肝心な場面(浮気とか警察につかまるとか)は描かない。
すごく自然で、いろんなことを語ってるんだけど、
すべてを明らかにしちゃわないのも、また上手い。


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人形の家(東京芸術劇場シアターウエスト 5/18 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

超有名なあの作品ですよ。
イプセン。(『海の夫人』の感想

以下ネタバレしまくり。

1幕は、主人公ノラがハイテンションで、
一見浪費家かつ、家の中をガンガン仕切ってて充実してるぽく描かれていて、
思ってたのと違う話かも…
と思ったんだけど、

2幕はやっぱり思っていた通りの話だった。
浪費家なんじゃなくて、内緒の借金を返済してたんです。
なんと、女性は借金しちゃいけなかったんですって!
貯金だってしちゃいけないんですからね!

彼女は、夫の病気を治すために借金したの。
でもそれが夫に知れたら激怒されるし(なんでやねん)
世間に知られてもまずい。
悪いことに、借用書の保証人(父親)のサインを偽造もしている。

サイン偽造はともかく、
女性だけ借金が罪だなんて、一体なんという時代なんだ。

お金を貸した人が、わけあってそのことをばらすと脅してきて、
暴露した手紙を送ってきた。
しかし、なんと、郵便受けを彼女は開けられない。
夫が鍵を持っているからだ!

サイテーサイテーサイテー。

そんな世の中から、なんとかかんとか改善してきて、
100年経ってもまだまだmetooとかやってるけど、
それでもがんばってるよ、みんな。
と、ありとあらゆる女性活動家に敬意を表す。

この話が、100年経った今でも現代的なのは、
夫が妻を「愛している」と言い張るところ。
夫は妻を、ものすごくかわいがって、大事にして、
何かあったら命をかけて守るとか言ってるの。
典型的な暴力夫ではないわけ。

でもそのかわいがりかたは、愛ではなくて、人形扱いなんですよ。
と指摘するのが、普遍的なんだよなあ。

裏返せば、ノラも夫を、
自分の庇護者であり、支配者としてしか見て来なかった、ということだよね。
お互いに、一人の人間としては見ていない。

だから、ノラが最後に長セリフを言って、家を出るのは、
私はあなたを人間扱いできますよ、という
いわば、彼女にはじめて訪れた真の「愛」の目覚め、なわけだ。
いやー、鳥肌立つね。

もちろん、夫はそれを理解できないんだけど。

ノラが目覚めるのは、
借金のことを知って激怒する夫の姿にドン引きしたってのもあるけど、
あとひとつ、夫婦の長年の友人である医者が、病気で死にそうで、
二度と会えない、というエピソードが噛んでいる。
このときはじめてノラは、自分は本当はこの医者に惹かれていた
という感情に目覚めたんだろう。
と友人が言っていてなるほどと思った。

ノラの北乃きいが野性的で、良かったと思う。
ノラがキレて叫ぶ場面がけっこう重要だから。
(おそらく、日本初演の松井須磨子も、キレ場面がウケたのではないか、
とこれも友人の弁)

ただ、夫役の佐藤アツヒロが(『愛と青春の宝塚』の手塚治虫良かったよね~)、
いい人すぎて、いまいち圧力が少なかった。
ここがもっといかれた人だったら説得力あったかも。
お医者さんもちょっと棒だったし。

一方、金を貸して脅してくるオジサン(松田賢二)は、すごくいい声で迫力満点。

この人は、かつて自分を捨てた女がよりを戻してくることで、
急に精神が安定し、突然、脅しを取り下げるんだけど、
その女ってのがユウヒさん。
二人の組み合わせは素敵だったけど、
どういう意味のある役なのか、難しい。

ノラが家を出て行くのに対して、
この二人は新たに家族を作る。
それって、逆行じゃないのか。
もう一つの解決、だとは到底思えない。
結局ノラもまた、暴力的な男の元に戻ってきてしまうんじゃないか、
真の自立は難しい、
という意味なのではないかと感じた。
それだけこのオジサンが迫力あって、
(役者としては素敵だけど)
また一緒に家族を作りましょう、とは到底思えなかった。
だって絶対殴られそうだもん。
演出家の意図はどうだったんだろう。

いくら家の中のことを任されているからといって、
お金を自由にできない、通信の自由もないなんて、
今でもやりたい人はそうすればいいけど、
基本的人権の侵害だ。
そうはっきり思える時代に生きていて、本当に良かった。

でもそこにたどり着いたのは、こういう先人たちの目覚めがあったからこそ。
今だって、ちゃんと根付いているとは言えない。
日々、口に出して言っていかないといけないな、と思う。
(当たり前のことだけど、大事なことだからしつこく書いておく)
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PHOTOGRAPH 51(東京芸術劇場シアターウエスト 4/21 18:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

DNAが二重らせんであることを発見したのは、
ワトソンとクリックという人だということになっていて、
彼らはノーベル賞をとったのだが、
じつは女性研究者ロザリンド・フランクリンの発見だった、、
その女性の話。

このいきさつはいろいろ議論になっているらしく、
芝居の中でも、のちの視点から、
糾弾したり弁解したりするセリフがちょいちょい入るのが面白い。

1950年代のイギリスの大学。
ロザリンドは、女性で、かつユダヤ人。

彼女を受け入れるウィルキンス氏は、
自分の研究の補佐だと思い込んでいた、
そこがまず齟齬。
ていうか、女性は補佐っていう思いこみ。

ロザリンドの研究の仕方って、
ひたすら実証するやり方なの。

X線でひたすら細胞を撮影して(?)、
DNAの形を見るっていう…

随所に、子供の頃、山登りをしたり、落ち葉を見たりした話がはさまる。
自然の美しさに特別な敬意を持っていて、
その視線が、DNAにもそそがれているわけよ。

その感性に共鳴する、若い研究者(彼もユダヤ人)と、
ちょっとラブになる。これが橋本くん。

ほかに、お茶目な院生として、矢崎広。
彼が笑いを提供してくれてほっとする。

かように、若い男性からはリスペクトされているんだけどね。

たいていの男性は彼女をリスペクトしない。

特に、共同研究者のはずのウィルキンスは、
彼女を補佐役と決めつけ、
学内のクラブにも入らせず(もともと女性立ち入り禁止!)、
それでいながら、愛の贈り物をしようとする。
離婚経験を問われると激昂する。

この人、すごく難しいのに共感されない、気の毒な役だ。
男性なら共感する部分があるんだろうか?

ワトソンやクリックももちろん登場。
彼らも、女性を遊び相手か家政婦だとしか見ていない
主人公をまだ見ていない段階では、
女性の研究者なんて、デブか大女でしょ、とか言ってて、
実物見て美人だから驚いたりして。
あー、現代でもあるあるだよ!

ワトソンやクリックは、彼女の撮影したDNAの写真(それが51番)をもとにして、
ノーベル賞をとった。
彼らには、大胆な仮説を立てて挑戦するっていうやり方があった。
成功するのは、そういう人なのかもねー。

でも、その裏に地道な努力がある。
ロザリンドは、地道すぎるし、かたくなだし、
損して当たり前って気もするけど…

成果をかっさらわれても、
彼女がたいして気にせず、研究を続けるのが、泣けた。
X線浴びすぎで癌で早死にしそうなのに。
健気というか、
自然にたいする敬意が研究の動機だから、
賞をとるかどうかは関係ないんだな、多分。

シェイクスピアの「冬物語」が比喩として出てくるんだけど、
イギリス人ならピンと来るのかな、よくわからなかった。
でも、「冬物語」を観劇して、ハーマイオニーが良かったけど、役者の名前を覚えていない、
と言っていて、
ああ、ロザリンドも、名前が歴史に残らなかったこととかけているんだな、と
そこだけはわかった。

衣装の色が、茶色⇒赤⇒青と変わっていくのは
何か意味があるのかな。
どれも素敵だった。

照明がとっても綺麗。

主役の板谷由夏は、男役っぽい見た目。
かたくなな感じも役にぴったり。
初舞台とは思えない上手さでした。


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Romale(東京芸術劇場 3/23 18:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

謝珠栄が、お花様主演でカルメンをやる。
ていうことで、
柴田先生の『激情』との比較になっちゃうわけだけど。

カルメンの真実を探しに来た学者と、
昔話を教えてあげる老人、
という外の枠があって、
それがややテンポを悪くしている。

でも必要なんだよね、それが。
なぜなら、老人がドンホセだから。

この老人=団時郎さんが実質の主役というわけ。
最後の亡くなる場面、良かったわ~。

若いときのドンホセももちろん主役で、
彼がどんどんおちて行く様子が、物語らしい部分。
松下優也や、歌謡曲ぽい歌い方でどうかと思ったが、
本当に純粋で、でもバカで、というのにピッタリだった。

なんつーか、
宝塚では当然やれないことが描かれているのがよい
それは差別。
カルメンは、女性として差別されているし、
ロマとしても差別されている。
二重に差別されているんだな、ということを冒頭から感じた。

つまり、
男たちにチヤホヤされつつも、
あっというまに使い捨てられることも暗示されている。
モテる女性ってそういうのがあるじゃないですか。

真実のカルメンは、一途な女だったはずだ、
ということを最初っから前提にしている学者さんは、やや不思議。
なんの根拠があって?

カルメンが一途っていうよりも、
男たちがバカなだけって気がする。
社会がね。
だって、あの時代の女性が、差別される人種で、
ある程度自力で稼ごうと思ったら、
ああするしかないでしょう。
それを、不実だとか勝手に責めて、お前らバカなのかと。

ドンホセが若いうちは全くそのことに気付いていないのが、
本当に、あーあーダメだ、こりゃ、という感じで、
このすれ違いを感じられたのは収穫だった。
(もっと強調してほしかった)

老人ドンホセが最後にそのことに気付いてくれたのだと思いたい。

お花様のカルメンは、
エリザベートみたいに年とっていく話ならいいけど、
さすがに20代はきついかなという気もしてきた。
おばあちゃんみが出てきたというか。
相変わらずスタイルいいし、顔も老けてないんだけど、
なんだろうなあ、発声かなあ。
でもスターオーラは変わりませんよ。

TSの強みなんだろうけど、
アンサンブルの身体能力はもちろんのこと、
難しそうな和音のコーラスを簡単そうにやってて、さすが。

岡田真澄ポジションのハーフ系おじさんがいるな、
と思ったら、伊礼彼方だった。
いい感じでおじさんになってきたね。


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A Class Act(東京芸術劇場シアターウエスト 3/23 14:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

昔からちょっといいと思っている石井一彰主演ということで
観に行きました。

コーラスラインの作詞家の生涯…
って誰それ?

40代で癌で亡くなったそうだ。
才能あるんだけど、世渡り下手で損してしまうタイプ。

あの甘い歌声に、あの顔に、
なんと、メガネなのよーーー!!
しかも、ややダサ服、
そしてそして、完璧主義すぎて変な人、
やばい、やばい、好みすぎる。
現実にいたら100%好きになる。

ずっと体調不良だったんだけど、
全身の細胞が活性化するのを感じた。
私、生きて、この人とつきあいたいわ!!
舞台写真がほしい。どうすれば入手できるの??

ワークショップで知り合った友達たちが彼を紹介するスタイル。
テンポよく進むので、なかなかよくできている。飽きない。
テンポよすぎて逆に、もう少しタメがほしいと思うところもあるぐらい。

音楽はすべて本人の作。
しかも、それぞれのナンバーが、
死ぬときに友達たちに贈った曲だってことが明らかになるのが泣ける。

作詞と作曲の作業の仕方がけっこう面白い。
コーラスラインを知っていると、
ああ、あのメロディーがね、というふうになる。

彼が、ずっとあたためてきた作品が、
「ギャラリー」というタイトルで、
美術館にかざられた名画をモチーフにしているんだけど、
最後の最後、その作品の最後のナンバーを病床で書けたっていうのが、
すごくいい。

自画像だけがたくさんある展示室で、
ああ、勝ち組になるために書くんじゃなくて、ただ書きたいから書くんだ、って
気付けたんだって。

秋夢乃さん、気付かなかった。
美しいなとは思ったが、声の印象が違う。
彼を支える最後の彼女の役の人と、
コーラスラインの振付家の役の人が特にうまかった。

たった4日の上演とはもったいない。
再演してほしい。


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秘密の花園(シアターウエスト 1/17 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

唐十郎作品を観るのは、少女仮面滝の白糸につづいて3つめ。

ストーリーがあるようでいて無い、
え、何それ、ファンタジー? みたいな設定もあったり、
見得を切るような、時代がかった部分もあるし、
いやー、アングラだなー、と思いながら見ていた。
アングラ演劇って、見世物小屋だよねえ。
でも、セリフ劇っぽくて、セリフでぐっとくるところもあったり。

面白くて後からいろいろ思い出すんだけど、
全体としては、そんなに集中できなかった。

三角関係の2つの角にあたる、
妻:寺島しのぶと、夫:田口トモロヲが、
軽やかすぎて、あまりファンタジーでは無かった、気がする。
現代劇ならすごいと思う人たちなんだけど…。

愛人:柄本佑は、とても良かった!
柄本明の息子なんだね。
しかも、この作品の初演でこの役を柄本明がやっていたという。
ぬぼーっとしてて、つかみどころがなさそうなんだけど、
声が良く出て、演技もすごく骨太。
ファンタジーの世界なのに、リアリティを感じる。
すごい逸材じゃない?
この人が末井昭をやる映画があるそうな? 見なくちゃ!

お目当ての、柿喰う客の玉置玲央は、
完全にファンタジーの人だった。いい仕事してた。
ていうか柿って、アングラの系譜だよね?
あの筋力で、タンスで懸垂したり、本水使った舞台で跳んだり跳ねたりして、
私の大好きなあの滑舌で、わけのわからないことをしゃべっていた。

そのお父さん役の、池田鉄洋という人もすごかった。
顔を赤と白に塗り分けて、着物みたいな服で、本当に見得を切る。

主役じゃないけど、こうやってぐわあっと舞台をかっさらっていく役者さんが好き。

あ、演出の福原充則も出てたんだ。へー。
日暮里の駅で、主人公(?愛人)を現実の世界と区分けしている謎のオジサンの役。

舞台は日暮里なんだけど、
現実の、卑俗な街を「秘密の花園」とネーミングするのが、
すごくわかる。素敵。

で、聞くのもヤボだけど、、
菖蒲って何の比喩なんだろ…?

あとあと、木造アパートの窓が開いて、ババーンと主役登場!
みたいなのって、銀ちゃんにもあったような。
(銀ちゃん=「銀ちゃんの恋」=「蒲田行進曲」の宝塚版)
同じ時代の演劇なんだなあ~。
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相談者たち(三鷹市芸術文化センター 12/1 19:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

トロワグロが面白かったので。

日常生活、特に家庭の中にあるドロドロした部分を、
ふつーっぽい会話の中で、チクチクついてくる話。
台詞がすごく上手いので、うなる。

ただ、トロワグロは基本、笑いだったけど、
今回のはちょっと深刻でいまいち笑えない。

特に、年配の女性に対して優しくない。
これはつらい。
浮気した夫に捨てられようとしていて、
でもしがみついている設定。
上手ければ上手いほど、悲しい。

浮気相手の女性が、
超地味でメンヘラなのに、
変な色気があって、怖い。気持ち悪い系。
逆にそれがリアリティがある。

露悪もやりすぎると、ちょっとなあ…という感じ。

夫妻の娘の善良な婚約者が橋本淳くん。
まばたきばかりして猫背でおどおどしている、新しい役作り?
すごく上手い。
それでいて最後のあたり、冷たい素地が見えるのが、こわーい。

最後、妻が夫と愛人を刺すかと思ったのに、そうしなかった。
カタルシスが得られないのも、トロワグロと違うなあ。

「相談」というのは、
娘さんと結婚させてください、
離婚してください、
離婚しないでください、
というそれぞれの要望のことで、
設定としては、なかなか面白いと思う。

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この熱き私の激情(銀河劇場 11/17 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

元娼婦で作家、34歳で自殺したカナダの女性ネリー・アルカンの作品から、
6人の女優と1人のダンサーが、散文的に表現する。

全くストーリーが無いので、
これは失敗かなーと思いながら見初めたんだけど、
なかなかどうして、意欲的で実験的な作品でした。

10個の箱(5列2行)、リビングやトイレや、寝室、いろんな部屋に
一人ずつ女優がいて(空き部屋もある)
手前はガラスで、そこに女性たちがはりつくように位置している。
娼婦としての「はり店」状態、もしくは標本。

部屋が、マグリットやバルデュスの絵のように、
普通なんだけどちょっと変、っていうのが素敵。

全員でしゃべる部分と、一人ずつの場面が交互にあり。
ダンサーはそれぞれの部屋を行き来して、
部屋の上から足だけ入れてきたり、
お父さん役になったりと、いろいろ絡むのも面白い。

6人の女優は全く相互に会わないわけ。
でも部屋同士でシンクロしてたりして。

「年を取ってはダメ」と老いにおびえる女性、
北極や宇宙にあこがれた子ども時代を思い出す女性、
自分が生まれる前に死んだ姉のことを語る女性(←きりやん)

一見、バラバラなようでいて、
でも、だんだん収斂してくる。
母親は男の子をほしかった。
父親は宗教的に厳格な人だった。
愛されない自分。
若くて男性に求められるうちだけ自分に価値があると感じられる。
でも、求められるその理由=セクシーであること、
すなわち、罪。

最後の部屋の女性は、もう死んでいるのかも。
最後の部屋担当の宮本裕子って人の語りが素敵だったな。

しかし、銀河劇場は広すぎたかも。
もう少し小さくて、猥雑な場所の激情のほうが合ってたかも。
でもセットに高さが必要だから難しいなあ。

ネリー・アルカンの映画もあるそうで、観たい
と思ったらもう終わってた。
小説を読んでみよう。



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散歩する侵略者(シアタートラム 11/12 18:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

劇団イキウメの本公演を観るのは初めてです。

蜷川版の「太陽2068」を観て、前川知大ってすごいなと思い、
「奇ッ怪 其ノ参」も観ていて、いつかは本公演も観たいと思っていたところ、
テレビで「聖地X」をやっていて、これがもう、爆笑。そしてシュール。

「散歩」の追加公演が売り出されたタイミングだったので、早速ゲットしました。

予想以上にシンプルなセット。
そして、あまりに荒唐無稽な設定。

失踪した夫が、いろいろ不自然になっていて、
じつは、宇宙人になっていると言う。
散歩しながら出会った人から、いろいろな「概念」を収集して、
侵略の調査をしているという。
「概念」を教えてあげた人は、その「概念」を失う。

でも、リアリティがあるんですよねえ。
脚本も演者も上手いから、そうかそうかと思って観ちゃう。

ネットのインタビューなどで、この作品は、
ウルトラマンのとある怪獣から思いついたとのこと。
前川さんと私は3つ違いかな? 同世代だわああ。

「所有格」という概念を失った人が、
共産主義者になるとか、面白い。
(でもそこから反戦運動につながるのは、距離がありすぎな気も)

日本海側のある街という設定で、
隣国からのミサイルが…! という、
本筋とは関係ないように見える背景があるんだけど、
これは、「宇宙人の侵略」が「戦争」の比喩だということなのよね。
知らない間にひたひたと侵略されている、おぞましいもの。
初演が2005年で、今はさらにリアリティが増している。
(北朝鮮が、という意味よりも、
社会全体が戦争を是としつつあるという意味で!)

ラストどうするのかなと思ってたら、
ヒューマンな終わり方で驚いた。
(一応ネタバレ避ける)
希望のある終わり方。

しばらく、いろんなシーンを思い出して、しみじみします。


帰りにはDVDを買いました。
2016年版の「太陽」と、
チラシが素敵で観たいと思ったけど都合が合わなくて観れなかった
「地下室の手記」(イキウメの公演だったのですねえ~)。

「太陽」のラストは蜷川版と大違い。
前川さんと出演者のコメント音声があって、
発想としてはバンパイアものであると。なるほど。
演技とか、人の出入りとか、いろいろ工夫していることがわかる。
リアリティってのは、計算されたものなのだなあ。

「地下室の手記」はもう大爆笑。
ドストエフスキーすごい、前川知大すごい、安井順平すごい。

ほかのも観たいぞー。


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