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WEST SIDE STORY(国際フォーラム 1/13 15:00) [観劇メモ]

映画、大好き。何度も見た。
舞台は、劇団四季のを一回観たことがある
宝塚版は、98年月組版を生で観たことはない(←お察しください)。

体育館のダンスからマンボNo.5、そして二人が出会うシーンの流れは、
今の言葉で言うなら、まさに神!

今回、生で、日本語で、観れて良かった~~
特に、宝塚で観れて良かったかも。

宝塚でWSSって、68年の初演当時は特に、
女の子があんなアクションシーンを、
という懸念があったらしい。
確かに、ほそっこいな、という気はする。
でも手足長いから10代後半の男の子には見えたよ。
喧嘩のシーンは、ダンスと殺陣の中間だから、
力が足りなくてやや段取りに見えてしまうけど、
ダンスだと思えばまあいい。

むしろ、若いってことがぴったりだな、と思った。
しかも、宝塚という閉鎖的な世界で、
理不尽なこと、嫌な感情にたくさん襲われながら、
懸命に生きている彼女たちが演じることで、
なんか不思議なリアリティを感じた。
10代の男女の演者でやってみるのもいいと思うけど(劇団四季は老けすぎ 笑)
宝塚という変なカンパニーならではっていうのを強く感じた。
これは、宝塚に夢だけ観ていたときなら感じなかったことかもなあ。

あと、普通なら、トニーが間抜けでかっこわるくて、
マリアはわがままでいまいち感情移入できなくて、
主役二人が、わりを食っちゃう話だけど、
宝塚のスターシステムで二人がクローズアップされているから、
ちゃんと二人に感情移入できた。

シマを荒らされたから、相手が挑発してきたからって
闇雲に喧嘩したら、取り返しのつかないことになる。
武器は持ってはいけない。
馬鹿だと思われても、対話をすべき。
…というメッセージがちゃんと伝わった。今、目の前にある話じゃん!
真風が最後の挨拶で「愛と平和」って言ってた。

真風の、シャツにネクタイ姿が良かったなあ。
あの胸板から腰のまっすぐ具合がいいわあ。
たまきちの場合は胸と肩のガチムチ感がいいけど、
真風の場合はストーンとしてるのがいいよねー。
(変態…)

真風とまどかの組み合わせは、
ヴァンパイアで全然いいと思わなかったし、
今も別にいいとは思わないけど、
今回のように人種が違うと、とてもいい効果が出ている。

キキちゃんのベルナルド、
もともと好きな役だし、リカちゃんがやってたから、
いろいろ比べちゃいそうだったけど、
全然良かった! ときめいたよ!
もともとスタイル超絶いいしね、頭の形がふみか様に似てるしね、
健やか系が多かったけど、
2番手時代にこういう黒い役やるのが、大事よね。

アニタはね…
自分がミュージカル女優だったらやりたい役(なんだそれ 笑)、
映画のリタ・モレノ最高、
だから厳しくなっちゃうけど、
顔と声が男役すぎた。女の色気が無いー。
ダンス、歌の技術は素晴らしかったけど。
リーダーの女という感じがしなくて、
肝っ玉母ちゃんになってしまった。
そのぶん、マリアのために犠牲を払おうとするくだりは合ってた。
じゅりぴょんはきゃしゃで声も高かったから、女っぽさがあったんだよね。

あ、96期だからっていうのはそれほど感じなかったな。
秋音光もほんと芝居が上手いよねえ。
裁判所で見た防犯カメラの映像は脳裡にちらつくけど、、
下っ端や傍観者にはそれほど罪がないと思っているのかな、自分。

えびちゃんが超かわいかったなあ。
ヴェルマって役で、リフの彼女、、、あれ? 
リフの彼女はグラジェラじゃないんだっけ?

リフのずんちゃん、華も技術もあるうえに、
今、少年ぽさがまだ残っている時期にやれたのも良かった。

じゅんちゃん(英真なおきさんね、念のため)がドク、、、
ロミジュリの神父様が同じポジションの役だー。
真風にとっては元組長さんで心強いんだろうなあ。

ところで、今、鈴木大介というライターの
振り込め詐欺とかに関するノンフィクションを読んでるんだけど、
「クラプキ巡査」のナンバーって、まさにその世界なんだね。
このナンバー、どちらかというと退屈な曲だと思ってたけど、
歌詞をちゃんと聞くと深い!
親はヤク中、アル中で、学校にも行かず、少年院では、家庭裁判所では…。
でも本当は頭がいい子も多いし、みんな情に厚い。
って、振り込め詐欺やってる子たちと全く一緒じゃん! 
ていうか本当に普遍な問題なのだ。格差の犠牲になる子供。
現代、振り込み詐欺をしているような少年少女たちを登場人物にしたら、
現代版のWSSになるだろうか???
うーん、、少年たちの背後にいる大人がキモかも。
WSSには、そういう悪い大人が警察以外出てこないけど、
本当(1950年代のニューヨークの裏社会と少年)はどうだったんだろう。
リフやベルナルドたちは、何をして生活してたんだろう。



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鳳凰伝(横須賀芸術劇場 12/8 18:00) [観劇メモ]

初演で嵌ってたくさん観ました。
キムシンの3大名作の一つ(私認定。王家、鳳凰伝、オグリ)。

2003年? もう14年も前??
覚えてないところもいっぱいあって、ほどよく新鮮。
(…初演のビデオを探してから比較しようと思って、
アップするのがこんなに遅くなったんだけど、結局ビデオが見つからないという…)


やっぱいいわ~~
これ、すごくいい!

寓話なんだよね。
問いと答えがふつーの組み合わせでないところとか、
「飛躍」がすごく気持ちいい。
心情描写とか一切不要。
こういうのって貴重。
キムシンよ、この方向で復活してくれ!

最後の「その名は、愛!」は鳥肌だよ~~
泣きそうになる。

つくづく思うけど、
男社会の理不尽さは許せないけど、
男性そのものを嫌っているわけではないのよ。
女性を対等に扱って、敬意を示して、
みずからをオープンにできる男性なら、
むしろ好きなの!

…基本、オペラと同じあらすじなんですね。
セクシー場面がオリジナルなのかなあ?

でも、こういうリアリティのない寓話を、
宝塚でやるのって、ピッタリじゃん。
架空の「素晴らしい男性」と、
架空の「姫」、
だからこそ真実の「愛」が表現できる。

あとやっぱり、甲斐正人の曲がいいよねえ。
それがあってのキムシンオペラだわよ。


たまきちカラフの安定感。
あの女は俺が獲得する! っていう健全な闘争心。
命をかけちゃう潔さ。

ちゃぴトゥーランドットは、さすがにニンが違っていたな。
お花様のような少女の狂気は無い。
でも、謎かけで挑発するときや、
最後の愛に目覚めたあたりは、イキイキしてて合ってた。
あと、メイクが出雲綾さんぽかった(笑)。

バラク月城さんの成長が著しい。
スカステで「銀二貫」見たけど、あれが2年前?
すごい成長ぶりだね。
芝居が上手いのがいいんだよね。
声が低いところが出るようになって。
しかもショーでの歌い方が、安奈淳さんみたいだったよ(褒めすぎ?)。

アデルマ姫の人、抜擢なんだろう、慣れてない感はあったけど、
声が良かった。

ショーはやっぱりオリンピアのとこが好き。

芝居で抑えていたぶん、ちゃぴがくるくる回るのが気持ちいい。

ちなみからんちゃんが、コマ枠になってきた。いいぞ。


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相談者たち(三鷹市芸術文化センター 12/1 19:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

トロワグロが面白かったので。

日常生活、特に家庭の中にあるドロドロした部分を、
ふつーっぽい会話の中で、チクチクついてくる話。
台詞がすごく上手いので、うなる。

ただ、トロワグロは基本、笑いだったけど、
今回のはちょっと深刻でいまいち笑えない。

特に、年配の女性に対して優しくない。
これはつらい。
浮気した夫に捨てられようとしていて、
でもしがみついている設定。
上手ければ上手いほど、悲しい。

浮気相手の女性が、
超地味でメンヘラなのに、
変な色気があって、怖い。気持ち悪い系。
逆にそれがリアリティがある。

露悪もやりすぎると、ちょっとなあ…という感じ。

夫妻の娘の善良な婚約者が橋本淳くん。
まばたきばかりして猫背でおどおどしている、新しい役作り?
すごく上手い。
それでいて最後のあたり、冷たい素地が見えるのが、こわーい。

最後、妻が夫と愛人を刺すかと思ったのに、そうしなかった。
カタルシスが得られないのも、トロワグロと違うなあ。

「相談」というのは、
娘さんと結婚させてください、
離婚してください、
離婚しないでください、
というそれぞれの要望のことで、
設定としては、なかなか面白いと思う。

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この熱き私の激情(銀河劇場 11/17 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

元娼婦で作家、34歳で自殺したカナダの女性ネリー・アルカンの作品から、
6人の女優と1人のダンサーが、散文的に表現する。

全くストーリーが無いので、
これは失敗かなーと思いながら見初めたんだけど、
なかなかどうして、意欲的で実験的な作品でした。

10個の箱(5列2行)、リビングやトイレや、寝室、いろんな部屋に
一人ずつ女優がいて(空き部屋もある)
手前はガラスで、そこに女性たちがはりつくように位置している。
娼婦としての「はり店」状態、もしくは標本。

部屋が、マグリットやバルデュスの絵のように、
普通なんだけどちょっと変、っていうのが素敵。

全員でしゃべる部分と、一人ずつの場面が交互にあり。
ダンサーはそれぞれの部屋を行き来して、
部屋の上から足だけ入れてきたり、
お父さん役になったりと、いろいろ絡むのも面白い。

6人の女優は全く相互に会わないわけ。
でも部屋同士でシンクロしてたりして。

「年を取ってはダメ」と老いにおびえる女性、
北極や宇宙にあこがれた子ども時代を思い出す女性、
自分が生まれる前に死んだ姉のことを語る女性(←きりやん)

一見、バラバラなようでいて、
でも、だんだん収斂してくる。
母親は男の子をほしかった。
父親は宗教的に厳格な人だった。
愛されない自分。
若くて男性に求められるうちだけ自分に価値があると感じられる。
でも、求められるその理由=セクシーであること、
すなわち、罪。

最後の部屋の女性は、もう死んでいるのかも。
最後の部屋担当の宮本裕子って人の語りが素敵だったな。

しかし、銀河劇場は広すぎたかも。
もう少し小さくて、猥雑な場所の激情のほうが合ってたかも。
でもセットに高さが必要だから難しいなあ。

ネリー・アルカンの映画もあるそうで、観たい
と思ったらもう終わってた。
小説を読んでみよう。



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散歩する侵略者(シアタートラム 11/12 18:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

劇団イキウメの本公演を観るのは初めてです。

蜷川版の「太陽2068」を観て、前川知大ってすごいなと思い、
「奇ッ怪 其ノ参」も観ていて、いつかは本公演も観たいと思っていたところ、
テレビで「聖地X」をやっていて、これがもう、爆笑。そしてシュール。

「散歩」の追加公演が売り出されたタイミングだったので、早速ゲットしました。

予想以上にシンプルなセット。
そして、あまりに荒唐無稽な設定。

失踪した夫が、いろいろ不自然になっていて、
じつは、宇宙人になっていると言う。
散歩しながら出会った人から、いろいろな「概念」を収集して、
侵略の調査をしているという。
「概念」を教えてあげた人は、その「概念」を失う。

でも、リアリティがあるんですよねえ。
脚本も演者も上手いから、そうかそうかと思って観ちゃう。

ネットのインタビューなどで、この作品は、
ウルトラマンのとある怪獣から思いついたとのこと。
前川さんと私は3つ違いかな? 同世代だわああ。

「所有格」という概念を失った人が、
共産主義者になるとか、面白い。
(でもそこから反戦運動につながるのは、距離がありすぎな気も)

日本海側のある街という設定で、
隣国からのミサイルが…! という、
本筋とは関係ないように見える背景があるんだけど、
これは、「宇宙人の侵略」が「戦争」の比喩だということなのよね。
知らない間にひたひたと侵略されている、おぞましいもの。
初演が2005年で、今はさらにリアリティが増している。
(北朝鮮が、という意味よりも、
社会全体が戦争を是としつつあるという意味で!)

ラストどうするのかなと思ってたら、
ヒューマンな終わり方で驚いた。
(一応ネタバレ避ける)
希望のある終わり方。

しばらく、いろんなシーンを思い出して、しみじみします。


帰りにはDVDを買いました。
2016年版の「太陽」と、
チラシが素敵で観たいと思ったけど都合が合わなくて観れなかった
「地下室の手記」(イキウメの公演だったのですねえ~)。

「太陽」のラストは蜷川版と大違い。
前川さんと出演者のコメント音声があって、
発想としてはバンパイアものであると。なるほど。
演技とか、人の出入りとか、いろいろ工夫していることがわかる。
リアリティってのは、計算されたものなのだなあ。

「地下室の手記」はもう大爆笑。
ドストエフスキーすごい、前川知大すごい、安井順平すごい。

ほかのも観たいぞー。


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神々の土地(東京宝塚劇場 10/17 18:30) [観劇メモ]



文学的で、すごく良かったなー

ラスプーチン暗殺の実行者が主人公=まあくん、
で、友人の真風さんは美術コレクターの貴族で、これも暗殺の首謀者。
ある程度史実にそった話なんですね。

架空の人物として、主人公の思い人に、
アレクサンドラ皇后の妹で、主人公の義理のおばさん、
っていうのを設定。これがうらら様。

主役二人の、お互い好きなんだけど絶対にそうは言わない、
切ない関係が、たまらーん。
最後の最後に一夜をともにする(んだよね?)けど、
その後も、態度が表面上はそれほど変わらないのが、また切ないーーー。

二人の出会いはどうだったんだろう、
10代のまあくんと、ちょっとお姉さんのうらら様?
ロシア語を教え教わり?
なんて、描かれない部分を想像すると、また苦しい。

二人が雪原で踊る様子とか、雪投げ合いっことか、たまらん。

こうして考えると、
向田邦子ドラマみたいな感じかも(唐突ですが)。
欲望をおさえて、決められた枠の中で生きている、その切なさ。

あと、ショーとしての良さもあったな。

冒頭、紗幕の向こうで、皇帝の暗殺未遂(うらら様の夫が犠牲になる)。
そこから雷の音で、貴族の館にぱっと転換。
上手いなー。

酒場で民衆が盛り上がって踊り狂う場面もすごい。

軍人の任命式が大階段だったり。
ラスプーチン暗殺が、銀橋をしずしずと皇后とラスプーチンがわたり、
そこから大階段の上で暗殺ー
(実際に階段で殺したらしい。なかなか死なないのも史実通り)。

くーみん、次はショー作品だよね、楽しみだ。


キャストでは、
まあくんの凛々しさと、うらら様の美しさは言うまでもなく。

凛きらの初女役? アレクサンドラ皇后が陰気で面白かった。
みんなが私をいじめるんですもの、みたいな卑屈さがある。
(これが、ふみか様なら、もっと威圧的になるんだろう 笑)
あ、くーみんは『翼ある人々』でも、
凛きらに「ベートーベン?」っていう面白い役をふってたから、
けっこう好きなんだね。

皇帝の松風さん、頼りなさが活きてた。メイクも本物みたい。

次期トップの星風まどかは皇女オリガ。
正直、顔が苦手なんだけど、歌のうまさはもちろん、
演技に華があるよね。一気にみんなをひきつける勢いがある。

今回退団の瀬音りさちゃんが、超大きな役でうれしい。
ジプシーの娘さんで、貴族のあっきーとラブなの。
革命を起こそうとしている弟(桜木さん)と板挟みに、、、、
低い声の歌も上手い!
退団してからも舞台に立ってほしいな。

あっきーは優しくてダメなところがこれまたピッタリで、、、
桜木さん、野太い声が出てて、男らしくなったなあ~ほれぼれ。

すっしーさんが女役でかっこよかったよ~。

愛月ひかるのラスプーチン怪演もすごいが、
連れてる巫女の首からさげてるのがガラガラなるのが怖い。
演出効果抜群。


「神々の土地」というのは、ロシアがやや土俗的というか、
西欧的な考え方ではとらえられない、ということなんだよね?
民衆のあの勢いがそれを表しているんだろう。
(人類初の共産主義革命はロシアだからこそ起きた、ということ)
ラストも、主役二人だけでなく、民衆がどわーっと出てくるし、
影ソロは民衆代表の桜木さんらしい。

(そういえば、この11月でロシア革命100年ですね。)
(ところで、ジプシーも共産主義革命に参加したの??)

うらら様の役はドイツからお嫁に来て、革命直前に戻ることもできたのに、
ロシアにあえて残って、ロシア貴族として死ぬ。
ロシアという土地への愛。
でも、まあくんの役は、偶然とはいえ、生き残っちゃうんだよね。
それもまた切ない。(そればっか)

この土地は、ここで懸命に生きた人のものである、
というようなことを台詞で言ってたな。

で、くーみんはパンフでこう言ってた。
「宝塚がいつまでも、そこで懸命に生きた生徒たちのものでありますように」

そうだね、本当にそうだ。

あー、もう一回観たい。


ショーは……あれ? 全然覚えていない(笑)
曲が良かった気がする、、、それ以外出てこない、すみません

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危険な関係(シアターコクーン 10/27 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

ジャンヌ・モローとジェラール・フィリップ主演の映画が大好き、
もちろん「仮面のロマネスク」も好き、
グレン・グローズ主演の映画も見た、
玉木宏の顔と声がすごく好き、
すみ花が出る、

当然、観ますわな。

しかし、
やっぱり無理があった。
舞台の人でないとつらい。

玉木んが下手なのは最初からわかってる(笑)。
鈴木京香も下手なのは残念だった。

台詞をちゃんとこなしてはいるんだけど、
その裏の意味が伝わってこない。

玉木んの初舞台
田舎の素朴な青年だったから、下手さもスター性の内だったんだけど、
この芝居はさすがに難易度高すぎた。
裏の裏の裏をかけひきしながら丁々発止するんだもん。

すみ花が、がんがんに空気を動かしていって、さすがだった。
本当は好きなのに、好きじゃないって言い張って逃げる、とかさ。
台詞のはしばしから、身体の奥から本音がにじみ出ちゃう、なのに台詞は裏腹。
そうよ、舞台を観るってこういうことなのよ!!
ただ、全体としては空気が動かないから、すごく変な人っぽかった(笑)
でも、トールベル夫人は変な人だから、それで良かったと思う。

おばさま役の文学座の方もすごくいい発声でびしっとしまった。
なのに客席が笑ったりして、残念。

玉木んがやたらと脱ぐのもなー。
自分が男性の裸体にそれほど興味ないのもあるし、
この芝居は脱いだりしないほうがいいんじゃないの。
台詞でやりあうエロスを楽しむものなんじゃないかしら。

舞台装置がとても面白かった。
1960年代の日本かぶれのフランス人の部屋、みたいな感じ。
盆栽があったり、ふすまと畳みたいになってたり。
衣装も着物を意識したもの。
ただ、そこにランニングマシーンとかあるのは変。
現代のテクノロジーはやりすぎ。

高橋恵子もなかなか良かった。60代? お美しい。

ストーリーで気になったのは、
ダンスニーがなんでヴァルモンに決闘を申し込むのか、
メルトゥイユ夫人が告げ口したってことがすっ飛ばされてるので、
原作知らない人はついていけただろうか?

あと、ラストは面白かった。
メルトゥイユ夫人が、何食わぬ顔で、このままずっと生きていけると言ってて、
突如、目隠しをされ、人形みたいに動いて終わるの。こわーい。おもしろーい。


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All for one(東京宝塚劇場 10/3 18:30) [観劇メモ]

ただただ単純に楽しかった!

イケコのオリジナルとしては、かなりいい出来なのでは?

よく考えたら、
恋の成就と、独裁者を倒すことと、失った仕事を取り戻すことと、
なんで同時に進行しているのか、わからないような気もするんだけど、

冒険活劇として楽しめました。

トップコンビの次に三銃士がいて、スターさんぞろいだから、
敵役の番手が少し下。
そのことによって、
イケコ作品によくある、
「二番手が敵役で、二番手だから内面を描かなくちゃいけないんだけど、
貧乏コンプレックス以外の内面が設定できなくて、間抜け」
という残念さが無いのも勝因の一つかも。

みやるりとトシちゃんが国宝級のカッコよさなのよーーー。
主に二人をオペラでガン見。

みやるり、これまでも好きだったけど、
ショーの色気ムハムハと、芝居での丁寧で重厚な演技と、
バラバラだったのが、今回、合体したと思うの!
男役さんの色気で鳥肌たったの久々だわぁ~~
いやー、自由自在に色気をしたたらせていて、
これだよこれ、これを待ってたんだよ!!
二番手格で銀橋わたるときも、
二階席の後ろまでオーラが届いてた!
やっぱり、別箱主演やるって大きいねえ。
もっとはやくにやらせてあげるべきだったよねえ。
思わず、ファンクラブの入会書をもらいそうになるくらい素敵だった。
辞めないでよっ!

トシちゃんもねー、渋くて抑えた中に、これまたしたたる色気。
これは、いかにもゲイに好かれそうな…
と思ったら、本当にそういう設定になっていて笑った。

トップコンビ二人が安定の素敵さで、
特に、ちゃぴの「男のふり」が、かっこかわいくて、目が離せない。
それと、ガンガン笑いをとっていたのも、功績。
当初は、ルイ14世がじつは女性だった、
というのがクライマックスかと思ってたんだけど、
それはけっこう最初の頃に(観客には)明かされるのね。
その前後のドタバタで、まずは惹きつける仕組みなので、
スムーズに笑いを取れるかが重要だったと思う。

ちゃぴの元男役がいかされた設定といい、
たまきちの田舎っぽいけどまっすぐでさわやかなヒーローぷりといい、
三銃士もだけど、
とにかく、宛書がいい。

敵役は月城さん。
この方、しょーもないギャグを言わされてるんだけど、
それが上手くて。全然すべらないの。
ああ、本当にお芝居が上手いんだなあ、と。
そりゃそうだ、新人公演でにわにわの役やって注目されたんだからね。

すーさんとコマも国宝級だよねえ。
すーさんが最後にびしっと言う台詞、素晴らしかったなあ。
もちろん、それを受けて「御意…nnnn…に!」ってタメるヒロさんも、さすがなのよー。

コマは、『PUCK』のヘレンの延長の役だけど、
もっとこなれて、もっと舞台全体を掌握してた。

退団とはねえ。残念だなあ。
もはや、「専科」は通過点にすぎないのね。
専科制度自体、解体するんだろうか。
いや、かつての新専科みたいな感じなんだろうか。
でも、コマが専科行ってからの仕事はどれも良かったから、
意味あるって言えば、あるのかな。
辞めてからも、お芝居続けてほしいな。

組子それぞれにちょっとずつ役があって、気持ちよく観れた。
それぞれが自分なりの小芝居をしているのが、いい感じ。

あ、ストーリーで唯一気になったのは、
女性が王様をしちゃいけないの?? ということだ。
当時はそりゃありえないだろうけど、現代人からしたら、
女性が仕事を続けるお話だったら良かったのに、と感じる。
ただ、最後に、「バレエは続ける」と言っていたのが、救い。
これが無くて、ただ「妻」になるだけだったら、フェミ的にはブーイングでした。


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円生と志ん生(紀伊国屋サザンシアター 9/20 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

昭和を代表する落語家、円生と志ん生。
終戦時に満州の大連にいて、600日帰れなかったのだそうです。
その間の出来事を、井上ひさしが想像したのがこのお芝居。


なんとまあ、わたくし、
観劇10日前に、大連に旅行に行ってたんですよ!

友達に誘われて観劇することにしてて、どんな芝居かよくわからず、
でも、旅行の予習をしてたら、
あれ? 関係あんじゃん、と。

なので、大連への飛行機の中で、戯曲も読みました。
もう一つの大連もの『連鎖街の人々』も読みました。

その頭で、大連の街に行って、
舞台に登場する様々な場所に行ってきた!

ここまで予習バッチリな観劇もはじめてです。


話の筋を知っているから、つまらないかな?

と思いきや。

もうねー、
戯曲だけでも面白くて笑ったけど、
その登場人物たちが動いてしゃべってるのを見たら、

愛おしくて、愛おしくて、たまりません。

なまの人間って、本当に愛らしい。

円生と志ん生が、多分、実物に見た目も似てるし、
しゃべり方もかなり似せてるんだと思う。
ああ、本当にこういう人たちがいて、こういう苦労をして、
それで戦後、大成したのねえ、
と思い入れて、切ない。切なすぎて苦しい。

井上ひさしの芝居は、テンポが昔風というイメージがあったけど、
これに関しては全然そんなことはなかったです。

円生と志ん生以外は、女性が4人で、
場面も次々変わり、女性たちはそれぞれ違う役をやります。

それが、当時の大連の苦労を象徴している人たち。

・軍人のおめかけさん
(宝石だけを頼りに生き延びようとしている)

・遊郭の女郎とおかみさん
(一般婦女子の防波堤として、ロシア人の相手をしている)

・満蒙開拓団の女性たちの幽霊
(満州の奥地から大連まで来たけれども封鎖されていて入れず、
殺され、中国の人に託した子どものことが心配で化けて出る)

・女学生とその先生
(中国共産党の指導で組合ができて、密告めいたことが起きている)

・修道女
(路上生活者への炊き出しのために、帰国しないでいる)

それぞれの場面を経て、
最後は、昭和22年1月の引き揚げ舟で、志ん生が先に帰る、
というところまでの1年半を描きます。

『連鎖街の人々』は、逆に、終戦直後の2日ぐらいだけ、
数人の人が、ずっと同じ場所でドタバタするのを描いているので、
対照的。


でもどちらも、
芸に生きる人が、苦境にあっても芸を捨てない、
いや、むしろ芸が磨かれちゃう、
その健気さをテーマにしているんです。

廃屋で残飯を食べながらも、
落語の稽古みたいなのをしちゃう、1幕最後、
しかもここには、幽霊のお母さんたちも登場するので、
それぞれの健気さに、泣かずにはいられません。

それに比して、2幕はクライマックスっぽくはないので、ちょっと拍子抜けかな。
でもそれが、落語らしいのかも。


円生は要領がよく、すらっとしていて、人情噺が得意。
(大森博史さん。自由劇場の人だそう)
志ん生は破天荒で、貧乏も平気、ばくちが大好き。テンポのいい落とし噺が得意。
(なんとラサール石井。ヘッズアップ以来、ラサール石井の株は上がりっぱなし)
対照的な組み合わせも面白い。

二幕では、二人の服装がボロとスーツでどんどんかけ離れていって。
でもその差を簡単に超えてしまう、
落語という素晴らしい世界!
そして同じように健気な女性たち!

4人の女性は、ゆうひさんが、どの場面もわりと年上の役。
おばあさん声がいいね~。びしっと落ち着く。
太田緑ロランスさん、海の夫人で見た人。
修道女の場面はこの人のテンションで入りこみやすかった。
池谷のぶえさんは、それぞれの役が別人にしか見えない。すごすぎる。
あとお一方は…前田亜季さん、どっかで見たことある。
学級委員的な修道女が良かったね。


ちなみに、私の父は大連生まれなのです。
昭和22年3月の引き揚げ舟で帰ってきたそうで、
(作中だと、円生と一緒ということですね)
当時12歳だったので、
こういう苦労はあまりよくわかっていなかっただろうけど。
でも、昭和20年8月9日にソ連が参戦した途端、
近所の中国の子どもたちとの上下関係が一変した、
子どもでもそうだった、と言ってました。

パリを模した素敵な街並み、
満鉄の傘の下でのモダンで豊かな暮らし。
ある日を境に急に世界が変わって、
今まで下に見ていた中国人に助けられる日々、、

そして現代の大連は、
ものすごく発展していました。
歴史的建造物の後ろには、高層ビルがにょきにょき。
路面電車と並んで、外車がびゅんびゅん走っていました。

古い建物を、中国の人なりのやり方で
保存していたり、壊しちゃったり。
(特に連鎖街は、ほぼバラックと化しているので、
今のうちに見ておいたほうがいい)

都市が、使われる人によっていろいろに姿を変えて、
地層の奥にいろいろな記憶をたくわえていくことを、
しみじみと感じました。

路面電車は日本統治下のときの車体そのままです。
表面はリフォームしてあるけど、そのリフォームもとってもかわいい!
円生や志ん生、あの女性たちも、これに乗ってたんだろうなあ。

人は、みんな親切でした。
もちろん、日本のような「サービス」とは違って不便もあるけど、
日本人だから、とかいうことは一切無いです。
泊まったホテルのガイドさんが、
(満鉄が作ったヤマトホテル。
今は大連賓館として昔の建物をそのまま使っているので、
展示室があって、ガイドさんがいるのです)
「ウソ(←多分満州国のこと)はいけないけど、
日本は技術を残してくれたから感謝している」
と言っていたのが印象的でした。

落語は、あとに残るインフラ的な技術じゃないけど、
でも、言ってることは同じだと思う。

(ウソの政治は良くないからそれに反対することはもちろんだけど)
各人は、それぞれの場で、
国とか人種とかのこだわりなく、
何かに精進して、
インフラのように後世の人の役に立つものなり、
悲しい気持ちを笑い飛ばして元気になれる落語なり、
少しでも、「いいこと」をしたいものだなあ、
と強く感じました。




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GOHST CLUB(シアタークリエ 9/5 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

藤沢文翁の朗読劇にまたリカちゃんが出るので
いそいそと観に行きました。
今まで観た中で一番完成度高いんじゃないか!?

スランプ中のコナン・ドイルが主人公。
ホームズじゃないのを書きたいんだけど、
ファンはホームズばかり求めて、うんざり。

これがオサさん。
弱気なのにナルシスティックっていうのがすごく合ってる!

コナン・ドイルの妄想で、シャーロック・ホームズが出てくる。
ふつーにほかの人ともしゃべったりするのが面白い。
朗読ならではだよねえ。

これが声優の朴ロミさん(字が出ない)。
この朗読劇シリーズでいつも思うけど、
声優さんてすごい!
声だけでいろんな表現ができる!
…NHKの「オイコノミア」のナレーションやってる方なんだね。

「ビクトリアンジャズ」でも登場したように、
当時おおはやりの「科学」で、コナン・ドイルもはまった降霊術。

それを「奇術」だよ、とあばく、不遜なアメリカのマジシャン、
フーディーニ(実在の人)、がリカちゃん。
かーっこいい~~~!!
この朗読劇シリーズだと、
繊細な天才バイオリニスト(男)か、
狂気をはらんで突然男になったりする謎の美少女か、
(あ、サンジェルマン伯爵もあったな)
だったけど、
今回は、野心的な男なのよーーー!
髪は長いウェーブだけど、顔は男っぽいメイクだったかな?
出番ないときに椅子に座って
水(ウイスキーにしか見えない)を飲んでいる姿とか、
あーもう、やっぱり好きだなあ、うっとり。。。

そいでもってそいでもって、
彼等が検証するのは、
幽霊が出ると有名な劇場。
その劇場主が、15歳の高貴な少年。

これが、退団後お初の、ふーちゃん!
ショートカットで、足開いて座って、
ちょっと低い声で、
かーーーわいいーーのーー!!
すごくいい「少年声」。
ちゃんと「声」で選んでるんだなあ、
さすがのキャスティングだなあ。

幽霊ではなく奇術、
だとしてもそこには「情」がある。
この朗読劇の根底は、いつも「情」なんだよね。
それでうるっとしつつ、
それぞれが、自分のとじこもっていた殻から抜け出す、
という前向きなストーリー。

こう書くと単純だけど、
場面転換とか、照明や音楽の演出とかが、
すごく上手いので、「次どうなるんだろう」と思いながら、
全然飽きない。

日によってキャストが違うんだけど、
この回は、女性ばかりで男性の役をやるっていうのが、好み~
でもほかの組み合わせも気になる~

「サウンドシアター」というくくりからは、藤沢さんはおりて、
でも結局クリエで新しいシリーズをやっているらしい、、よくわからんが。

そいでもって今回はCDが出る! 早速予約したよ!


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