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王妃の館 / VIVA! FESTA!(東京宝塚劇場 4/6 18:30) [観劇メモ]


洗練された石田作品って感じだった。
場面転換などが上手だし、台詞も自然。説教臭くない。
そして、セクハラがないのがよい。多分。
(オカマの扱いはどうなのかやや疑問だが。)

みんなに役があって、ドタバタして、いわゆる「ハートウォーミング」、やや人生訓あり。
田渕 大輔は大劇場デビュー? なかなかいいんじゃないでしょうか。

真風演じるルイ14世にドラマがあり、
自殺未遂夫婦に物語のクライマックスがあるので、
どうしても主人公が弱いのが難点。
それを、ルイを裏切った自分にショックを受ける、
しかもヒロインが救ってくれた→恋に発展、てのは、やや無理がある。
が、まあくんは、前半戦は笑いを取る形で、差をつけてて良かった。
長い手足がコミカルに動くのが、ほんと面白い。

りくとあっきーが儲け役。
二人とも、これまでのよくある役を少しずらしたところにある、
笑える路線で、とにかく愛おしい。
あっきーの硬質な感じが、硬派に転じ、そこから、硬派で不器用な男子、になって、
しかも、オカマに好かれちゃって、ハッピーエンド、、って何それーー。

美風舞良は、おばちゃんの悲哀を演じさせたらぴか一。
大好きな真風&うらら様がクラシカルさをいかして、大昔の貴族の亡霊で、ピッタリ。
瀬音りさが、真風の母親役で長台詞! 芝居上手い人なんだから、この調子で使って!
凛きらが着々と悪役路線で、しかもショーで4人口とか入っててうれしい(もう少し「重さ」がほしいかな~)

みりおんは、退団なのにそれっぽい役じゃなかったなあ。
でも、「今の仕事をやめて、しばらく自分を見つめ直す」ていう台詞が、退団仕様なのかしら。

ショーは中村Aだが、わりと楽しい。
祭りっていうコンセプトがやりやすいよね。
闘牛の場面が音楽も振付も装置も面白かったなあ。

宙組はスターさんがそこそこいる気がする。豪華豪華。

あ、あと、春瀬さんと七生さんも素敵だと思うんだけど、
もうちょっと使ってほしいわ~。

トップ娘役を男役が囲む場面が、みりおん退団仕様、かな?
でも、こういう場面て、昔は退団時に限らず、もっと普通にあったよねー。

そして、最後にデュエットダンスで泣いた。
みりおん、ほんとに良かったね。
「女をうっとりさせてる自分にうっとりしてるまあさま」にもときめくー。

仮面のロマネスク / EXCITER!! 2017(神奈川県民ホール 4/2 15:00) [観劇メモ]


映画の『危険な関係』が元から大好きなので、
脳内保管しやすい、というアドバンテージがありまして。
なので、それなりに楽しめたけど、
やはり、柴田作品は無理なのでは、という感じは否めない。

どうして二人同時に落とすんだっけか、
それでもメルトゥイユが本命ってどういうわけなんだっけ、
と、すごく現代的な感覚で疑問符がとんでしまって、
いやいや、貴族の恋愛ってこういうもんだから、
これが退廃の美学だから、と自分に言い聞かせる。

つまり、そういうことに疑問を持たないぐらい入り込むということは、やや難しかった。

どの生徒さんも、「全然ダメ!」なんてことないのに。
みりたんはいきがってる高校生みたいで母性本能くすぐるし、
ユキちゃんは細雪の長女がやれる迫力だし(「蒔岡の家名が!」とか言ってほしい)
ダンスニー役は、まあ毎回、なぜこの人がっていうキャスティングなんだけど、
カレーは笑いをとっててよくやってたし、
マイティはかっこかわいいし、
べーちゃんは貞淑さが全面に出てて「こんな人でも情念があるのね~」と思わせるし、
召使3人組が元気良かったし

うーん、何がいかんのかのう

五峰さんがいると、ぱっと世界観がかわる。
そうなんだよねー
やっぱ古い作品を続けて行くっていうのは、
人の面で続けて出てる人とかが大事なんよ、きっと。
宝塚は入れ替わりが激しいから、なかなかそこが難しいのよ。
だからこそ、長くいる専科さんが大事なのよ!
上級生をもっと大事にしなくちゃいけないのよ!

ふと気づいたのだが、ちょうど前日に観た細雪と同じで、
終わってゆく古い制度、その美学の話なのだ。

だからこそ、「古い」ということを実感できるような雰囲気がほしい~


エキサイターは懐かしかった~
最初は、「あああ、ふみかがいない…!!」と泣き崩れそうになったけど、
全ツ規模なので、ある程度別物として見れた。
セクシーな場面で五峰さんがいて、ほんと良かった。
ちゃんとセクシーな場面になってたと思う。

そうそう、みりたんの歌声がなめらかで、
まとびさんはしゃがれてたなー、と懐かしく思い(しゃがれ声、好きでした)。

コメディ場面は、「りお」つながりで、リオのカーニバルらしいのだが、
ちょっとごちゃごちゃしていた。
「ブラジル」の曲が入る編曲も、ごちゃごちゃ。
そして、びっくが変身して五峰さんってのは、うーん(笑)
やっぱ姫花ぐらいの差がほしいな。
変身した後のみりたんが、チンピラ衣装が似合わな過ぎて、
これまた、まとびさんのチンピラ似合いっぷりを懐かしく思い出した。

大好きなハバナの場面、楽しくもあり、
しかし、こんな歌詞だったかな? とも思い。
もはや青春の日々は遠くなりにけり、、、
しかし、若い生徒さんたちが懸命に生きている姿を素晴らしいと思い、、、
いやはや、完全に老人ですな。

ところで、紅羽真希さんてかっこよくなった?
表情が素敵くない?


細雪(明治座 4/1 16:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

暗転が長くて、休憩も2回あって、まったりしている形式だけど、
中身は全然面白い。退屈しない。
さすが菊田一夫。

映画しか見たことないけど、
三女が次女の夫のことを好きっていう設定は排除されてた。
それだけに、四姉妹を男たちが賛美している構造が強調されていて、
女優さんの美しさを讃え、楽しむ舞台になってるのも、いい。

リカちゃんの三女は、メラニーの路線。(化粧が変だけど 笑)
もはや能の世界って感じで、一人だけ不思議ちゃん。
壮さんの四女は、本当にお似合い。特に赤いツーピースがいい。

最初は、中間管理職的に、
家を重視する長女と、言うこときかない三女四女にはさまれた
次女(水野真紀)に感情移入する作りになってるんだけど、
最終的には、ずっと不機嫌でずっと体面ばかり言ってきた長女(賀来千香子)が、
夫と心を通わせるシーンがクライマックスになってて、泣けるーーー。
やっぱり、カンパニーのかなめは、長女なんだね。

あ~、細雪ごっこをしたい~
あの台詞回しとか、真似したい~~!
三軒茶屋婦人会の『紅姉妹』が細雪ごっこ、やってたなあ)

しかし、細雪を観てきたよ、というと、
大阪のお嬢様の存在が、関東人には全然伝わらないんですわ。
芦屋なら伝わるんだけど。
上本町って、今はただのターミナル駅のイメージだし。
もはや、時代劇の範疇なんだろうな。

でも時代劇として続いていってほしい。
着物の着付け、所作、セリフ回し、、、
そして、新派なのかな? 前を向いて見えをきる感じとか、
続けていないと途絶えちゃいそう。
女優さんもスライドして続いているんだよね。
(リカちゃんが長女や次女をやるのも面白い…か??)
リピーターが多いらしいし、納得だ。

三女が結婚する相手が、好みだわー。
と思ってたら、『王様と私』の外交官役の人だった。
長女の夫も『王様と私』の総理大臣だ。しかしいい声だ、この人。
麻世が出ているのはうれしかったが、映画では一徳の役で、ちょっと似合わないね。

また観たいなあ。
ほんと、名作として続いているのも納得でした。


死の舞踏(シアターコクーン 3/24 18:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

令嬢ジュリーと死の舞踏を、交代で上演するという。
令嬢ジュリーは前に観てすごく面白かったのでそれにするか、
いやいや、観たことないほうにするか、ということで死の舞踏を選択。

シアターコクーンの舞台の上なんですかね、
上に照明や幕をつるすバトンがいっぱいある狭いスペースを
三つに区切って、中央が演者がいるところ、左右に即席の客席という
変なつくり。
演じているほうは、両側から見られているわけ。
夫婦というものはお互いさま、みたいな意味なんだろうかねえ…??

話は、壮絶な夫婦喧嘩です。
とにかく最初から最後まで夫婦喧嘩。
いやはや。
こんなひどい夫婦喧嘩は見たことない。
二人とも相当病んでいる。ひどいわあ。

と思いつつも、
たとえば、喧嘩しておきながら、
すぐに「トランプする?」なんて言ったりするあたり、
自分にも思い当るような、
ものすごーーくリアルな感じが、またまた怖ーい。

病んで喧嘩ばっかりしてる夫婦のところに、
妻のいとこで、二人のキューピッド役だったという男が登場。
力関係が危うくなって、
妻が夫の昔の罪をあばいて、夫を投獄させようという計画がどうなるか、
というのがおおまかなストーリー。

いとこが、妻のほうと駆け落ちしようとしてたんだけど、
それをやめる瞬間というのが、象徴的だった。
ひどい夫から解放してあげたと思っていたけど、
結局、自分とこの女との関係が、ひどい夫との関係と
全然変わんないじゃん、という気付きなのか。
それとも、病んだ夫婦の喧嘩のネタとして、
結局自分は利用されてただけなんじゃないか、という気付きなのか。

膨大な台詞のやりとりに、必死についていって、
心理を読み解くのが楽しい。
でもさすがに、ずっと夫婦喧嘩なので、疲れる(笑)

やってるほうは100倍大変だろうなあ。
令嬢ジュリーじゃなくて死の舞踏を選んだもう一つの理由は、
神野三鈴が出てるから。この人、ほんとにいっちゃってて好き。
夫の役は(ひらみきがやる予定だったとか?)池田成志。
こういう落ちぶれた役はイメージじゃなかったんだけど、違和感なかった。
ただ、やや健康そうなので、
急に心臓発作が起きる動作とかに笑いが起きていた。
(でも、ここまで壮絶な夫婦喧嘩って、ある意味、
笑うしかないものだから、それでいいんだと思う)
いとこ役ははじめてみた音尾琢真、声にすごく張りがある!

しかし、ストリンドベリって、すごい人なのだなあ。。。
令嬢ジュリーといい、男と女のいがみ合いをここまで徹底して描けるなんてなあ。
病んでるよなあ。

イプセンといい、チェーホフといい、ストリンドベリといい、
19世紀終わりころのお芝居って、すごいのね。
あれっ、イプセンはノルウェーの人、ストリンドベリはスウェーデンの人、
北欧か~~

と、検索していたら、このブログが面白かった。
http://yondance.blog25.fc2.com/blog-category-26.html
ストリンドベリも病んでいるが、ファンも相当面白い。

こっちも面白い、と思ったら、令嬢ジュリーの脚本家だった。
http://blogs.yahoo.co.jp/backstage_majorleague/43632300.html?__ysp=56y56YOo5Y2a5Y%2B4IOOCueODiOODquODs%2BODieODmeODqg%3D%3D

グランドホテル / カルーセル輪舞曲(東京宝塚劇場 3/16 18:30) [観劇メモ]

グランドホテル形式、すなわち群像劇、の語源であるにもかかわらず、
やはり宝塚、トップスターをがっつり主人公に据えた作りでした。
これはこれでいい。

たまきちが、カウチにがばーって脚開いて座るの、
あれ、なんなんすか。
そして、ちゃぴの、年くってる(役作り)のにキュートで、
ラブシーンでの、ぱあああっと明るくなる表情!

たまちゃぴ、ええのう~。

たまきちは強いていえば優等生っぽさが難だけれども、
年上の女性(設定)と組むと、
大人の女につりあってる包容力ある男、
すげー見る目あんじゃん、
ってことになって色気が出るから、組み合わせとしてすごく良い。

ちゃぴが、ちょっとした動作すらもバレリーナっぽいのが、素敵。
台詞の抑揚といい、貫禄といい、
大スターを観たぞ、トップ娘役ってこういうものなんだぞ、って気分になる。大満足。

みやるりのオットーも良かったなあ。
ちっちゃくてほそっこくって、ひょこひょこしているの。
美しい御尊顔ゆえに、世間知らずの少年のようにも見え、
でも重い芝居(褒め言葉)ゆえに、
ホテルに泊めてもらえないことや、社長への恨みが切々と伝わる。

この3人がいるときにグラホ。
素晴らしい選択だ。

フラムシェンはわかばバージョン。
バカっぽいのが本当に似合う(褒めている)。
野心はあるが、リスク管理は全くできていない。
やや高貴なので(当たり役マリーアントワネットが高貴なおバカさん)、
なぜ貧しい暮らしなのかな? とはちょっと思った。

主人公を一人に定めた結果、
ワリを食ったのはプライジング社長。
カラスのソロがまるまるカット。
うーん、これは残念。
せっかくのみつるのおじさま役なのに~

あと気に入ったのは、やはりトシちゃん。
すげー眼力。冒頭出てきただけで、ぐわーっとひきつけられる。
輝月ゆうまくんもやっぱりいいねー。髭と長身、ちょっと傲慢な支配人。

エリックは暁さん、出番少ないのね。
ラファエラは朝美さん、断髪がお綺麗でした。

退団の咲希あかねちゃんと、たかちくんが、
それほど出番がなくて残念。
海外ミュージカルは役が少ないのが難点よね。
二人がダンサー役かと思ってたのになあ。

そうそう、最後の死神役がちゃぴちゃんだったのは驚き。
エリザベッタと出会ったことが男爵の死の直接の原因ではないじゃーん。
まあ、スターの格と技術から言ったらちゃぴで正解なんだろうけど。

ラストに二人が白い衣装で踊るのは、宝塚らしくていいね。
その前に、白い服の二人が回転扉ですれ違うっていうのも、面白い。

従業員が貧しいという場面や、娼婦の場面も当然無し。
階級差があまり出て来なかった。すみれコードなんだろう。
ラスト全員が一列に並ぶのは、階級差の無い世界だといいな、
という意味らしい。

それはまあいいけども、
舞台の周囲に椅子があって、出演者がそこで待機してるっていう、
よくある演出。あれは意味不明だ。
特にラブシーンを衆人環視の中でやってるのはよろしくない。
観客はラブシーンに入り込んで見ていたいのに。
(実際は2000人で見てるんだけど、そのことに気付きたくない)


ショーはねー
最初、三木作品かと思うほどのブツギレ。(稲葉作品だった…)
コンセプトは一体なんなのか、と面食らったが、
どうやら、モンパリ=世界旅行→回転木馬、ということらしい。
世界をめぐって、最後、宝塚に戻ってくるのね。
それ自体は悪くないが、、、回転木馬と二重になっていることが伝わりにくいし。
なんといっても、場面ごとに、じゃじゃーんって中央でポーズとって暗転するのが、
つまらなく感じてしまう。
あああ、オギーのショーが観たい…場面場面がつながっていく、アレが観たい。

テキーラの場面はかっこよかったな~。
トシちゃんの、超絶素早いサンバステップにも驚愕。


そうそう! みやるりが二番手の羽しょってた!
ちょっとウルッとしました。


炎 アンサンディ(シアタートラム 3/10 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

初演のとき評判良かったな、
ターコさん主演だし、取っておくか、
という軽い気持ちでチケットを取りました。

観劇が近づくにつれ、
なんだか重い話みたいだからどうかな、うーん、
と気乗りせず。

だがしかし!

こりゃすごいわ!
チケット取ってほんっとーーに良かった!


重いは重いです。
最重と言ってもいいです。
(あ、うそです、『マーキュリーファー』の重さはどんな作品でも超えられない)

最初の舞台はカナダ。
お母さん(ターコさん)が死んで、のこされた双子の姉弟が、
「父と兄を探して手紙を渡せ」という
お母さんの遺言を果たすうちに、
衝撃的な自らのルーツにたどりつく。

…冷たかったお母さんの過去はどんなだったのか、
「兄」とは誰か、「父」とは誰か、
という謎解きで進んでいくので、
3時間以上の長い芝居でも、全く長く感じない。

お母さんは、中東の、
日常的に戦闘(「衝突」じゃないよ)が起きている国の出身。
なので、過去の場面と、姉弟が調査しにくる場面ではそこが舞台。

作者はレバノン内戦を逃れてカナダに移民したそうで、
レバノンが舞台らしい。
でも国名とかは全然出て来ない。
あえて抽象的にしているんだと思う。
同じことが、いつ、どこでも起きうるのだ、と言うために。

読み書きもできない育ちで、幼い恋も、生まれた子どもとも引き離され、
内戦が始まってゲリラ活動に身を投じ、
子どもを探し続けても、孤児院は焼かれ、
投獄されてからは拷問やレイプに遭い、、、

「アンサンディ」という原題は「災害」「火災」という意味だそうで、
まさにそんな人生ですよ。


お母さん(の若い頃)と、その友人が、
報復につぐ報復をいかにとめるか、
いや、こんなことされて、あとは報復しかないだろう、腕組みして見てるのか?
と言い争う場面は、(「父」「兄」の種明かしをのぞけば)白眉。

○○が殺されたのは、××に△△を殺されたから。
××が△△を殺されたのは、◇◇に◎◎を殺されたから。
◇◇が◎◎を殺されたのは…
無限の報復連鎖。

「たーたかいーはあらたなー、たたかいをーうむーだーけー♪」
なんだけどさ、
現実問題、その場にいたら自分だってどうするかわからない。


観劇後何日経っても、いろんな場面を、
しみじみと思い返すんだけど、
そのたびに、発見がある。

上述の場面で、報復したいと友人が思った直接のきっかけは、
三人の息子を殺されそうになったとある母親が、
「一人選べ、そいつだけ助ける、選べなければ全員殺す」と
脅されたということだった。
子ども三人…、双子の姉弟と、彼等が探す「兄」も、三人だ!

お母さんは祖母(双子からしたらひいおばあちゃん)から、
「書くこと、読むこと、話すこと、数えること」を学びなさい、と言われる。
…娘(双子の姉)は、数学者なのだ!

冒頭で彼女が、多角形について教えている場面があって、
この点からはこの点は見えていない、云々と言ってるんだけど、
ああ、それって、「父」「兄」のことなんだなあ、とか後からわかる。

そんなふうに、いろんなことが象徴的にリンクしていて、
全く、無駄がない。


そして、演劇ならではの表現がたくさんあって、
楽しい(筋書き的には「楽しい」とは無縁なんだけど)。

過去と現代を行ったり来たりする、
過去の人物と現代の人物がすれ違ったり、

遺言について話している公証人の部屋で、
隣が工事しててうるさくて、というその音が、
そのまま過去の場面のライフルの音につながるとか、

舞台の真ん中の穴が、
土葬のためのくぼみになったり、
狙撃兵が隠れている塹壕になったり。

映画にもなったんですね。(邦題『灼熱の魂』)
映画だとこういう仕掛けはできないだろうなあ。
(そのぶん映画ならではの表現があるのだろう、いつか見たい)


ターコさんは10代から60代まで、
恋する乙女から、かっこいいゲリラ、そして菩薩様のようなラスト…
憎しみと慈愛の共存、素晴らしかったです。
(ああ、そうだ、やっぱり、元宝塚の男役の良さは、力強さと慈愛なのだ)

オカケンが重要な役なんですが、
ほかにも何役もやってて、
ジャニーズの人とは思えない(失礼)、立派な役者さんだ。
最後、泣いてました。

双子の弟が小柳友、
『非常の人』でオカケンと共演してましたね。
華があって生意気で、
最初はお母さんの過去を知ろうとしなかった彼が、
だんだん変わっていくのが、ドラマチック。

双子の姉(栗田桃子)、それからお母さんの若い頃の友人(那須佐代子)、
お二人とも、今まで観たことありませんでしたが、
一見、地味なのですが、
しゃべりだすとすごい!! 引きこまれる!
いろんな役を次から次へとやってた中村彰男も、
演じ分けが上手かった。


一日1回公演しかないのが納得の、
全身全霊でないと演じられない芝居でした。


…ネタバレしないようにしているので、
半分も語っていません。
まだまだ語りたいことがあるのよー。


コメディ・トゥナイト(新橋演舞場 3/5 16:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

ソンドハイムの作品というと『南太平洋序曲』を見たことがあるけど、
すごく難しいという印象。
でもこれは単純なドタバタコメディなので、わかりやすかったです。
女装したり、人を取り違えたり、というよくあるやつ。

でも多分、日本人にはわからないことが多いんじゃないかな。
古典を踏まえたりしてるんじゃないの? と思った。
それか、すごくシニカルでドライな話??
あと、韻を踏んだりしているはずだよね?

ヒロインがものすごくバカだったり、
身分制度が歴然としてあったり、
武士がものすごく横暴だったり、
普通のお話しだったらちょっとあり得ないぐらい「よろしくない」ことが多い。
あえてそうしているとしか思えない。
でも、その意図は伝わってこない。
なので、大爆笑というわけには全然いかない。

あ、だからやっぱり「難しい」んだな。

主役はラブリンで、ひたすら動く役で、恋愛も発生しないので、
なかなかやりづらい役だとは思うが、まあ合ってたんじゃないでしょうか。
(藤原紀香が客席入口でお知り合いにご挨拶してた)

女装させられるルー大柴が良かった。
下手うまなの。山田花子みたい。
棒読みなんだけど華がある。
このキャスティングがあるからこそ、成立してた。

あと、老人役の徳井優がものすごく上手かった。
ちょろっと出てきて、ちょろっと台詞言うだけなんだけど、
拍手喝采。

おばかなヒロインが平野綾。
はじめて見たけど、うっとり顔とうっとり声ができてて、
ヅカっぽくてすごくいい。

ジェントルマンな印象がある鈴木壮麻さんが、
マッチョでバカな役で、ちょっと無理してて切なかった。
歌はめちゃウマ。

女郎屋の主人のダイヤモンド☆ユカイが一瞬、山本耕司に見える。
まあこのひとも上手いよね。うさんくささ含めて。

お母さん役の松田美由紀が芝居が下手だったのと、
お父さん役の高橋ジョージが芝居や歌は下手じゃないんだけど、
美しくないのが、残念だった。


それと、どうしても書いておきたいことがある。

「女中に夢中」という曲があって、
オッサンは若い女中さんが大好き、という内容なんですが、
それ自体はまあ、そう思うことは勝手だし、よくあることだろうし、
オッサンはバカだなーっていう曲としてアリなんですが。

その中に出てくる「秘密を守ってくれる女中さん」
「夜は自分の部屋に来てくれる女中さん」っていう歌詞に顔面蒼白になった。
それはあんたが雇用主の権力で無理強いしとるだけだろうが!

オッサンがそう思うのは勝手だけど、なんの批判もなしに
「楽しいナンバーですよー」「嫌なことが一つも起きないお芝居ですよー」
という触れ込みで、搾取を肯定する歌詞を垂れ流さないでほしい。

たとえば歌い終わったあとに上からバケツの水が降ってくるとか、
そういう批判を入れればいいのに。

ほかにも、「あの子はバージンだから」と30回ぐらい言ってて、
1~2回なら「オッサンのたわごと」で済むけど、連呼しないでくれ。

設定として女郎屋がメインだから、
その手のことを取り除けというわけではない。
歴史的にどこにでも存在していたこと。
ただ、「搾取」をあからさまに肯定するな、ということです。

ふ~

あ、今回も(←亜門演出という意味)、
咲良さんがアンサンブルで出ていて、
長い手足とダンス力をいかした役でした。
ほんと華やか。

曲はなかなか良かったです。
演奏する人が和服で、最初に花道を通ってやってくるのもいい演出。


エリザベートガラコンサート(オーチャードホール 1/20 17:30) [観劇メモ]

友達からチケットを回してもらって、運よく観られました。

アニバーサリーバージョンというやつで、しかも千秋楽。
いやはや。

一通り順番に歌うんだけど、場面によって演者が変わるという。
壮大な役替わり公演みたいな。

しかも、時空を超えて20年ぶんですぞ!
なんて贅沢なんだ~。

随所に、同期同士とか、相手役とか、いろんな組み合わせがあって、
面白いし。(ワタルルキーニと美穂さんのマダムヴォルフ、楽しそうだった!)

最初は、歌うだけで、しかも次々人が変わるから、
中途半端なんじゃないか、
歌が上手い人のほうが得なんじゃないか、と思ってたんですが、

いやいやいや。
さすがみなさん集中力がすごい。
突然出てきて歌い始めるだけで、世界がばああっと成立しちゃう。
歌の上手い下手関係ない。

太った人、痩せた人、
現役のときと変わらない衣装やメイクの人、全く違った解釈での衣装やメイクにした人、
いろいろなのも、「その後」をどう生きるか、生きてきたか、
と思わせてしみじみ。

現役時代を生で観れなかった、
大峯麻友さんが観れたのもうれしかったし(表情だけで渋いオジサマになってた!)
一路トート、やっぱりこれが基本だよねーと確認、
ワタルキ、明るくて、みんなが大好きになるよねーと再確認、
革命家トリオがなぜか私がちょい好きな、ねったん&キング&みっしょんだったのもツボだし、
現役時代にはやってなかったけど10周年ガラコンで好評だった伝説の樹里ルキもやっと観れたし、
制作を天地ひかりと一色瑠加が担当しているとか、
えっとえっとえっと、

何よりも、
20年ぶり、二度目、ナマで白城あやか様を観れたのが、
もう、もう、胸いっぱいでございます。。。

私の宝塚初観劇は「二人だけが悪」でございました。
私のベストエリザベートは星組版でゆるぎません。

変わらない美しさ、
情感あふれる大人な演技、
ややエキゾチックな顔立ち、
倍音が聞こえる深みのある声、
は~~、うっとり。

僥倖としか言いようがありません。

友達よ、ありがとう。
企画してくれた人、ありがとう。


虚仮威(こけおどし)(本多劇場 1/8 14:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

柿喰う客、一年半ぶりの本公演。

現代に生きる「僕」が、愛人らしき女性に呼び出され、
彼女の祖先の話を聞かされる。
という入れ子構造で始まる。


明治から大正時代、女性の祖先は東北の寒村で、「長者」をやっていた。
山の神にお伺いを立てながら、自然と共存していたんだけど、
謎の赤い服の老人が年末にやってきて、
プレゼントをくれるようになる。
サンタクロースというらしい。
その人を迎えるために、山の神に断らずにモミの木を切ったりしちゃう。

物質社会が自然をないがしろにする構図。


主人公である長者の長男は立身出世を願って上京、
学問のほか、社会運動にも参加、
なにがしかの人間にならなければならないと思っている。

つねに上昇、成長しなければいけない「文明」。

長男を助けるために、次男三男が犠牲になる。
男を助けるために、女が犠牲になる。


とはいえ、次男は河童の婿になり、三男は山の神の生贄になるの。
こういうところには自然と共存していた時代の風習が残っている。
『遠野物語 奇ッ怪』を思い出す。


中屋敷はアフタートークで、(彼は青森出身)
自分のおばあちゃんは大正生まれで、
サンタクロースを信じていなかった(知らなかった?)、
でもその頃東京ではクリスマスで盛り上がっていた、
そのギャップに驚いたことから考えた話だと言っていた。

劇中、「(今は)大正○年」ということをしきりに言っていて、
なるほど、現代のような社会と、それ以前の社会が、
シフトしていく時代を描きたかったんだ、と納得。


と、後からまとめて書くと、理路整然としてる芝居のように見えるけど、

柿なので、そんなことは全然ない。


とにかくパワフルで、恐怖と爆笑が入れ替わり立ち代わり。

なんたって、七味さんのサンタが、怖い怖い。
いや、かわいい? いやいや、怖い。
夢に出てきそう。

主人公は玉置。出世にまい進してエネルギーを出しまくっているのに、
からだの中は空疎な狂気に満ちている。

長者の永島さん、突然出てきていろんな役をやる大村さん、
山の神の葉丸さん、元からいたメンバーは本当に上手いのう。
三男の田中穂先が、前回のフランダースで間抜けな子をやっていた人。
これはめっけもんだ。次男の加藤ひろたかも細いけど可能性ありそう。

「僕」の牧田くん。これが大根でねえ。
前回主役をやった「フランダースの負け犬」の感想では
あまり触れないようにしたんだけど(笑)、
なぜか、観劇後、友人たちと、牧田くんの大根ぶりについて語ってしまって。
これって、愛? 愛なの? (笑)
宝塚でも、「美貌枠」「綺麗なのに何もできない、そこがかわいい」
ってのあるからなあ。


サンタが、最初は文明の象徴だったのに、
途中から、子どもの本心によりそう良い存在にスライドするのが、
ちょっと「?」だった。

最後のオチは、全く予想していなかったけど、
そういうこともあるかもなあ、とちょっと切ない。


あ、そうそう、産休でお休みしていた深谷さんが復活していて、
アフタートークに出演していたんだけど、
かーなーりぶっとんだ人だった。話聞いてない系(笑)。
我が家には、「世迷言」のときに売ってた出演者コメントつきおみくじがかざってあって、
深谷さんが「平穏が一番」みたいなことを書いてるんだけど、
凡人からしたら、あんた全然平穏じゃなさそうだよ、と
いやはや、役者の狂気をぞんぶんに味わえる柿は、ほんとすごいと思う。


プリシラ(日生劇場 12/28 18:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

LGBTが広まってきたとはいえ、
日本ではまだ無理なんじゃないか、という気が…。
いや、それが原因じゃないかなあ。うーん。

オーストラリアのドラアグクイーン3人が、
シドニーから、田舎を目指すロードムービー。

年とった、かつてのパイオニア(性転換者)が、陣内孝則で、
乙女ちっくな感じで面白い。彫が深い顔だから、
あー、こういう年とったオネエさんているよね、と思う。

若くて挑発的な子は、古屋敬多という人で、スタイルもいいし、歌も上手い。
(Wキャストらしい)

何よ、ババア!
何よ、若造!
みたいな感じでいがみあっていた二人が、最終的に仲良くなる過程が、
なかなかドラマチックで良かった。

特に、パイオニアの過去の業績について、若造は全く認識していないんだけど、
その時代のファンの人と途中で出会って、
ファンの人の回想で、美しいレビューが上演されるところが、
とっても素敵! (若造も尊敬せざるを得ないような美しさ)
(回想シーンはさすがに陣内じゃない人がやってんだけどね 笑)

しかも、このファンの人とくっつくのよ。さらに素敵でしょ~~
(ファンの人はCONVOYの人らしい。役柄上、すげーいい男に見える)

だがしかし。
肝心な主人公(いっくん)のドラマがよくわからないのだ。
ドラアグクイーンなのに、子供がいるんだよ。
で、妻が経営している田舎の劇場でショーをする(妻とは今や親友)、
子供が自分の仕事を理解してくれるか…
バイってこと? それはわからないでもないけど、
妻と今でも仲良しっていうのが、都合よすぎないか~?
うーん…

と悩んでいたが、ふと気づいた。
『ラ・カージュ・オ・フォール』と構造は同じじゃん!!
(しかも、いっくんはラカージュでは息子のほうを演じてたよね~)

なんで、ラカージュは、自分の仕事を子供に理解してもらえるか、
という悩みが、すんなり入ってくるのに、
プリシラでは、なかなか伝わってこないんだろう。
うーん…

ひょっとして、ロードムービーの特性上、
子供がなかなか登場しないからかな?
ラカージュみたいに、目の前で、子供に否定されたりしないからかな?
そうかもしれん。

映画も見てみよう。

あーー、ラカージュが観たくなってきた!(笑)
将来、いっくんのザザが観てみたいなあ!
(その前に、岡っちにやらせてあげてよ!)

そうそう、
陣内の役の人が昔やってたのは、ヅカファンになじみ深い「レビュー」。
ラカージュでやってるのも、「レビュー」っぽい。
それと、ドラアグクイーンの文化って、当たり前だけど、つながってるんだね。
ナイトクラブでおネエさんがやるショー、を
あえて「ドラアグ」と名付けていったのは、いつ頃、どういう動きだったんだろう??

あと、プリシラでは、導入部分に本当のドラアグクイーンが登場して、
場を盛り上げてくれるんだけど、すごくいいんだけど、
でも3人のオネエさんぶりが足りないようにも見えてしまい、難しい。
ミュージカル俳優として表現する部分も必要だから、
完全にオネエっぽくするのも変だし。

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