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不徳の伴侶(赤坂レッドシアター 5/31 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

久々に、魂持って行かれる感じのものを観た!

オギー作で、彩乃かなみがメアリー・スチュアートをやるっていうから、
そりゃ観ないわけにはいかんだろとチケット取った、
大正解。

ずっとその舞台のことを考えている、
というよりは、
ずっと体の中にある。

「クローゼット(朗読)ミュージカル」と肩書きについているが、
検索しても説明は出てこない。この芝居と、
同じく、オギーと、音楽の福井小百合さんの過去の舞台しかヒットしない。

朗読劇ってふつー、座ってしゃべるだけじゃないですか。
藤沢朗読劇だと、衣装着て、照明とか効果音がいろいろ入る。

それに、歌と踊りがついた。
(衣装は現代的なのでちょっと違うがそこは置いておく)
さらに、立ち位置もどんどん変わる。

だからショーっぽくもある。

このさき、手に台本を持たなくなって、
場面転換がいかにもになったら、
普通のミュージカルになる。
というその境目。

なんでこんなスタイルにしたんだろう。
簡素だから?
でもこれだけ複雑だから、絶対歌も台詞も暗記できてるよね?

いやいや、このスタイルだからこその効果があるんだ。
手に台本を持っているという縛り。
これがあるからこそ、相手役と直接触れ合うことがない。
ちょっと手を取ったりはするけど、基本、向き合わない。

だから、感情が客席に投げ込まれる。

そのうえ、ミュージカルですよ。
感情の量が多い。どんどんあふれる。

それが客席にどくどく流れ込んできて、
待ってー! 受け止めきれなーーーい!

…終演後、隣の人が「はぁ~~~」って長い溜息ついてました。
わかる、わかるよー。

しかも主要3人がめちゃ歌ウマで、
音楽も素晴らしくて、オギーの世界観にぴったりで、
むちゃくちゃ難しい歌が次々繰り出されるから、どんどん飲み込まれる。
(歌詞聴き取れるし! 笑)

メアリー・スチュアートは、中谷美紀で観たことあります。(コチラ
高貴で、優美で、そして愚かな女王様。
「愛した、でも間違えた」というフレーズが切ない。
今の言葉で言うと、リスク管理ができない人ですかね。
恋愛や結婚で間違うと、ひどいリスクを背負ってしまう、王族の悲劇。

少女のように愛らしく、率直で、わがままで、
うっとり顔がさすがの娘役芸で、高貴で、
オギーが是非この人にと思うのが納得のかなみん。
もっと活躍してしかるべきの人だよねー。
歌声がふくよかで麗しい。

メアリーさんは3回結婚してて、3度目の夫が、
今回の相手役であるボスウェル伯。
藤岡正明をはじめてかっこいいと思った! ときめく!
全然好みじゃないけど、これは最高にいい。
ジャージーボーイズのあの卑俗な感じももちろんいいけど、
今回は不器用な武人なのよー。
女王様を宝石のように思って、お互い好きなのに耐えているのよ。

すんごい歌ウマさんなのね。
宮廷の陰謀をリズミカルにすごい早口で歌う歌で、一気に引き込まれた。

メアリーを俺の宝石みたいに讃えるナンバーが切ない!
二人が思い合うナンバーでうっとり!

まるで少女マンガでしょー。
胸キュンだわー。

と思いきや。

なんとまあ。。。
ここがオギーの残酷さなんだろうけど。

二人が結ばれる場面が、全然幸せじゃないという。
いやー、メアリーさん、それはOKしていいんじゃないの、と思いつつ…
いやいや、ボスウェルさん、拒否されたら我慢してくださいよ、と思い…
どっちにも感情移入。

これは宝塚では無理だよなあ。
いや、オギーの『バビロン』の鳩の場面とか、
『タランテラ』の蝶の場面って、そういう意味だったのかな!?
(あと、うえくみの『金色の砂漠』がちょっとそう…??)

しかも、そういう場面をですね、
普通なら暗転しちゃうところなのに、
歌でやっちゃうんだよ。歌!
だから怖い、クローゼットミュージカルとやら。
ありえないっしょ。

二人は結婚して一か月もしないうちに、
反乱をおこされ、逃げることになり、
別れ別れになって、幽閉され、二度と会うこともなく、
ボスウェルは10年後に発狂し、
メアリーは20年後にエリザベス一世に処刑される。

一方、リスク管理ができるのがエリザベス一世。
(レディ・ベスね)
リスクがあるから結婚しません! と徹底している。
父親が妻6人のうち2人を追放、2人を処刑…
夫を持つものは呪われろ、妻を持つものは嘆くがいい、っていうフレーズがつらい。
シルビア・グラブ、硬質で意志が強そうで、
でも本当は傷ついているからそうなんだよね、という線の細さも見える。

ほかには、
メアリーの二人目の夫で、とにかく薄情で悪いヤツの
ダーンリ郷や、メアリーの兄や、
メアリーの一人目の夫の母のカトリーヌ・ド・メディシスとか。
いろんな人物を、一人何役も演じる人が数人。

舘形比呂一は、リカちゃんと共演したとき全然かみ合ってなかったけど、
それは相性の問題だったんだろなあ。
ぞっとするような魅力があるのねえ。カトリーヌ・ド・メディシスの女役の凄み!
百名ヒロキははじめてみる。
薄情で傲慢な遊び人の若い夫、ってのが合ってた。
吉本真悟はダンサーなんだね。
関西弁でスペイン人をやったり、おおげさなカタコトでイタリア人をやったり、
この人だけ衣装が柄もので、
ちょっと別枠という位置付け。愛されキャラだった。

いろんな場面を思い出すなあ。

少女時代を思い出す明るいナンバーが、
処刑の場面で使われていたり。

死んだ後もボスウェルが椅子に座った状態で、
メアリーをじっと見ていたり。

メアリーの衣装は赤で、ボスウェルの衣装は青なんだけど、
二人の思い合うナンバーに「紫」って言葉が入ってた。
二つの色が混ざった色なんだね。

レッドシアターにふさわしい、緋色の女王様のお話しでした。

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図書館的人生Vol.4 襲ってくるもの(東京芸術劇場シアターイースト 5/26 13:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

イキウメの図書館的人生は短編をつないだシリーズ。
(図書館と直接は関係ない)
今回は、完全に独立した短編ではなく、
登場人物が少しずつ重なっている3つの物語。

「襲ってくるもの」というタイトルに一番ぴったりなのは、2つめの話。

意志でも感情でもない「衝動」に突き動かされて、
交通事故を起こしてしまった青年。
大窪人衛さんのいっちゃってる感がすごくいかされている。
そこまでの衝動は、自分的にはそれほどは共感できないなあ、
統合失調症の症状のようにも見える…
でも、彼が言う、自分のちょっとした行動がめぐりめぐって世界を変えてるかも、
というセカイ系の妄想は、わかるなあ。
横断歩道でずーっと手振ってる人がいて、この人もセカイ系なんだろうなあ。

1つめは思い出が襲ってくる話。
認知症になった脳科学者が、
自分の意識を機械に移植して、
寄木細工の箱になっちゃうんだけど、
あまりに人間味がないので、家族がコーヒーの香りをかがせたら、
プルーストのあれみたいに、過去の思い出が襲ってきて、つらすぎる、という。
すごく切なかった。
安井順平は我が家では大人気なんだけど(『地下室の手記』が最高)、
機械の声から、コーヒーの香りを嗅いでからの変化が、すごい上手くて鳥肌もの。

イキウメはつねにSFっぽい設定なんだけど、
結果として、人間らしさとは何かとか、そういうことを対比させているんだよね。

3つめは「優しさ」という欺瞞に襲われている話。
よくある、他人のためと言いながらじつは自分の自己満足のために
他人を変えさせようとする人と、それにあらがう人の話。
優しさを妹に押し付けようとする兄が、
タップダンスが趣味なんだけど、最後あやつり人形みたいに踊っているのも意味深。
兄は浜田信也。この人の機械っぽさ(やや棒、民主党の前原に似てる 笑)が
イキウメのSFっぽさにかなり寄与してる気がする。

セットが、入れ子になったような箱で、これは1つめの話の比喩なのか。
箱の境目から人が出たり入ったりして、通路のようになったりするのも面白い。
つらい思い出がよみがえるとき、その奥から手前に出てきたり、
そこが窓になったり。

1つめのつらい思い出=弟の彼女をとっちゃった。
その弟が2つめの主人公。
弟の勤務先の友達は、昔ストーカーだった。
その、ストーキングの話が3つめ。
ストーキングされる被害者の友人が、1つめの話の「弟の彼女」で、寄木細工の職人。
1つめの話の主人公が入っている寄木細工はこの彼女の作かもしれない。
…この人はあの話の…?? と考えながら観るのが楽しい。

でも肝心な場面(浮気とか警察につかまるとか)は描かない。
すごく自然で、いろんなことを語ってるんだけど、
すべてを明らかにしちゃわないのも、また上手い。


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人形の家(東京芸術劇場シアターウエスト 5/18 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

超有名なあの作品ですよ。
イプセン。(『海の夫人』の感想

以下ネタバレしまくり。

1幕は、主人公ノラがハイテンションで、
一見浪費家かつ、家の中をガンガン仕切ってて充実してるぽく描かれていて、
思ってたのと違う話かも…
と思ったんだけど、

2幕はやっぱり思っていた通りの話だった。
浪費家なんじゃなくて、内緒の借金を返済してたんです。
なんと、女性は借金しちゃいけなかったんですって!
貯金だってしちゃいけないんですからね!

彼女は、夫の病気を治すために借金したの。
でもそれが夫に知れたら激怒されるし(なんでやねん)
世間に知られてもまずい。
悪いことに、借用書の保証人(父親)のサインを偽造もしている。

サイン偽造はともかく、
女性だけ借金が罪だなんて、一体なんという時代なんだ。

お金を貸した人が、わけあってそのことをばらすと脅してきて、
暴露した手紙を送ってきた。
しかし、なんと、郵便受けを彼女は開けられない。
夫が鍵を持っているからだ!

サイテーサイテーサイテー。

そんな世の中から、なんとかかんとか改善してきて、
100年経ってもまだまだmetooとかやってるけど、
それでもがんばってるよ、みんな。
と、ありとあらゆる女性活動家に敬意を表す。

この話が、100年経った今でも現代的なのは、
夫が妻を「愛している」と言い張るところ。
夫は妻を、ものすごくかわいがって、大事にして、
何かあったら命をかけて守るとか言ってるの。
典型的な暴力夫ではないわけ。

でもそのかわいがりかたは、愛ではなくて、人形扱いなんですよ。
と指摘するのが、普遍的なんだよなあ。

裏返せば、ノラも夫を、
自分の庇護者であり、支配者としてしか見て来なかった、ということだよね。
お互いに、一人の人間としては見ていない。

だから、ノラが最後に長セリフを言って、家を出るのは、
私はあなたを人間扱いできますよ、という
いわば、彼女にはじめて訪れた真の「愛」の目覚め、なわけだ。
いやー、鳥肌立つね。

もちろん、夫はそれを理解できないんだけど。

ノラが目覚めるのは、
借金のことを知って激怒する夫の姿にドン引きしたってのもあるけど、
あとひとつ、夫婦の長年の友人である医者が、病気で死にそうで、
二度と会えない、というエピソードが噛んでいる。
このときはじめてノラは、自分は本当はこの医者に惹かれていた
という感情に目覚めたんだろう。
と友人が言っていてなるほどと思った。

ノラの北乃きいが野性的で、良かったと思う。
ノラがキレて叫ぶ場面がけっこう重要だから。
(おそらく、日本初演の松井須磨子も、キレ場面がウケたのではないか、
とこれも友人の弁)

ただ、夫役の佐藤アツヒロが(『愛と青春の宝塚』の手塚治虫良かったよね~)、
いい人すぎて、いまいち圧力が少なかった。
ここがもっといかれた人だったら説得力あったかも。
お医者さんもちょっと棒だったし。

一方、金を貸して脅してくるオジサン(松田賢二)は、すごくいい声で迫力満点。

この人は、かつて自分を捨てた女がよりを戻してくることで、
急に精神が安定し、突然、脅しを取り下げるんだけど、
その女ってのがユウヒさん。
二人の組み合わせは素敵だったけど、
どういう意味のある役なのか、難しい。

ノラが家を出て行くのに対して、
この二人は新たに家族を作る。
それって、逆行じゃないのか。
もう一つの解決、だとは到底思えない。
結局ノラもまた、暴力的な男の元に戻ってきてしまうんじゃないか、
真の自立は難しい、
という意味なのではないかと感じた。
それだけこのオジサンが迫力あって、
(役者としては素敵だけど)
また一緒に家族を作りましょう、とは到底思えなかった。
だって絶対殴られそうだもん。
演出家の意図はどうだったんだろう。

いくら家の中のことを任されているからといって、
お金を自由にできない、通信の自由もないなんて、
今でもやりたい人はそうすればいいけど、
基本的人権の侵害だ。
そうはっきり思える時代に生きていて、本当に良かった。

でもそこにたどり着いたのは、こういう先人たちの目覚めがあったからこそ。
今だって、ちゃんと根付いているとは言えない。
日々、口に出して言っていかないといけないな、と思う。
(当たり前のことだけど、大事なことだからしつこく書いておく)
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カンパニー / BADDY-悪党は月からやって来る-(東京宝塚劇場 4/29 15:30) [観劇メモ]

公演始まってから、ショーの評判ばかり聞こえてきたから、
芝居はいまいちなんだろうな、と思ってました(笑)。

いろいろ批判はあるだろうけど、
自分的にはとにかく、メリハリがなさすぎた。

主人公が妻をなくして無為の日々を送っている、
というわりには、そういうエピソードがない。
むしろちゃんと人助けしたりしてる。
(同じ石田でも『長い春の果てに』だと、
酒浸りだったり女遊び激しかったりしたよねえ)

バレエ団への出向が左遷だ、
というわりには、落ち込んだり他人に揶揄される場面がない。
だから起承転結の「起」もないし「転」もないという。

肝心のバレエ作品がちゃんと上演されなかったことも肩すかし。
白鳥の湖の新解釈だということだが、
新解釈場面は無かったよね??

そして何より、
ヒロインが代役を無事務めるっていうのがすごく大きなことなのに、
全くその場面が無かった。

あと、アイドルがバレエの主役をやるっていう設定が、
さすがにちょっと無理があると思った。
せめて、子供の頃から習ってたってことにすればよかったのに。

あからさまなセクハラ台詞はなかったけど、
女子社員だけ制服とか、
随所に古い価値観が見え隠れするよね。

わかばちゃんのお嬢様役、いいはなむけだったね。
車いすになってからの毅然とした態度が「姫役者」の本領発揮だった。

---

で、ショーはものすごく挑戦的で面白かった!

ロケットが「怒り」なんて、はじめて見た。
従来のロケットは健康的な若さの発露って位置付けだけど、
怒りを発散なんて、いいねいいねー!
足を振り上げるのは確かに怒りに通じるし、
女性の足を商品として消費してきた男性に対する怒りともとれるじゃん。

怒りの対決がデュエットダンスなのも、新しい。
トップコンビが敵として対決するって、
『モンテクリスト伯』であったけど、
恋と同じく、激しい感情のぶつかりあいだから、アリだよねー。

大階段のフィナーレが、
最後の最後に、やっぱり…
とぐちゃぐちゃになるのも面白い。

いやー、うえくみ、攻めてるね~。

禁煙の国に来て、喫煙する悪党っていうのも、
今のなんでもがちがちな社会への批判で、いい。
(私はバリバリの嫌煙家だけど)

悪党にひかれつつ逮捕しようとするヒロイン。
宝塚にありがちな、「悪い男にひかれる」っていうパターンと上手く合致してる。
そう、宝塚の矛盾として、
「清く正しく」をうたう一方で、
悪ぽいものにあこがれるってのがあるじゃないですか。
少女の中の矛盾なわけだけど。
そこをうまく使っている。

ただ、ストーリー仕立てにしたのはいいけど、
肝心なところを台詞で言っちゃってるのが、中途半端。
お芝居としてなら、台詞が少なすぎるし、
ショーとしてなら、台詞に頼りすぎている。
台詞一切無し、で、できなかったものかのう。
やっぱりちょっと観念的なんだろうな。

…というわけで、似た傾向の(台詞に頼る、歴史好き)
我らがたっくんのショー初挑戦はどうだろうか~~ハラハラドキドキ。

生徒一人一人にいろんな通し役があるのは面白いよね。
オギーのショーを思い出す。
変な恰好でも、寒くならないのはセンスの良さ。

そうそう、案内役の、ノバボサで言うところのピエロ的な役。
妖精さん?
藤井ショーだと、往年のショーそのままという感じだし、
齋藤ショーだと、オタクが好きな女子像って感じだけど、
一番自然で好感が持てた。
(おかっぱの子はうえくみに似てるけど、元男役なのね)

銀行強盗の場面の斉藤恒芳の音楽も、オギーを思い出すな。

たまきちの格好が、どう見ても寅さんだった。(ほめている)

デュエットダンスの影ソロ誰かと思ったら、宇月さんだったのか~
ダンスも歌も、、本当にすごい人だったなあ。
わかばちゃんとの台詞無しのサイドストーリー、ときめいた。

…だから台詞無しでできるはずなんじゃないかなあ?


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PHOTOGRAPH 51(東京芸術劇場シアターウエスト 4/21 18:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

DNAが二重らせんであることを発見したのは、
ワトソンとクリックという人だということになっていて、
彼らはノーベル賞をとったのだが、
じつは女性研究者ロザリンド・フランクリンの発見だった、、
その女性の話。

このいきさつはいろいろ議論になっているらしく、
芝居の中でも、のちの視点から、
糾弾したり弁解したりするセリフがちょいちょい入るのが面白い。

1950年代のイギリスの大学。
ロザリンドは、女性で、かつユダヤ人。

彼女を受け入れるウィルキンス氏は、
自分の研究の補佐だと思い込んでいた、
そこがまず齟齬。
ていうか、女性は補佐っていう思いこみ。

ロザリンドの研究の仕方って、
ひたすら実証するやり方なの。

X線でひたすら細胞を撮影して(?)、
DNAの形を見るっていう…

随所に、子供の頃、山登りをしたり、落ち葉を見たりした話がはさまる。
自然の美しさに特別な敬意を持っていて、
その視線が、DNAにもそそがれているわけよ。

その感性に共鳴する、若い研究者(彼もユダヤ人)と、
ちょっとラブになる。これが橋本くん。

ほかに、お茶目な院生として、矢崎広。
彼が笑いを提供してくれてほっとする。

かように、若い男性からはリスペクトされているんだけどね。

たいていの男性は彼女をリスペクトしない。

特に、共同研究者のはずのウィルキンスは、
彼女を補佐役と決めつけ、
学内のクラブにも入らせず(もともと女性立ち入り禁止!)、
それでいながら、愛の贈り物をしようとする。
離婚経験を問われると激昂する。

この人、すごく難しいのに共感されない、気の毒な役だ。
男性なら共感する部分があるんだろうか?

ワトソンやクリックももちろん登場。
彼らも、女性を遊び相手か家政婦だとしか見ていない
主人公をまだ見ていない段階では、
女性の研究者なんて、デブか大女でしょ、とか言ってて、
実物見て美人だから驚いたりして。
あー、現代でもあるあるだよ!

ワトソンやクリックは、彼女の撮影したDNAの写真(それが51番)をもとにして、
ノーベル賞をとった。
彼らには、大胆な仮説を立てて挑戦するっていうやり方があった。
成功するのは、そういう人なのかもねー。

でも、その裏に地道な努力がある。
ロザリンドは、地道すぎるし、かたくなだし、
損して当たり前って気もするけど…

成果をかっさらわれても、
彼女がたいして気にせず、研究を続けるのが、泣けた。
X線浴びすぎで癌で早死にしそうなのに。
健気というか、
自然にたいする敬意が研究の動機だから、
賞をとるかどうかは関係ないんだな、多分。

シェイクスピアの「冬物語」が比喩として出てくるんだけど、
イギリス人ならピンと来るのかな、よくわからなかった。
でも、「冬物語」を観劇して、ハーマイオニーが良かったけど、役者の名前を覚えていない、
と言っていて、
ああ、ロザリンドも、名前が歴史に残らなかったこととかけているんだな、と
そこだけはわかった。

衣装の色が、茶色⇒赤⇒青と変わっていくのは
何か意味があるのかな。
どれも素敵だった。

照明がとっても綺麗。

主役の板谷由夏は、男役っぽい見た目。
かたくなな感じも役にぴったり。
初舞台とは思えない上手さでした。


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zwrotopia(赤坂ACTシアター 5/6 14:00)

地球ゴージャス、はじめて見ましたが、
よくもわるくも学芸会ぽい印象。
ざっくり言うと、新感線に似てる。

ストーリーは、
ディストピアで、人間性に気付かされる、
よくある感じのもの。
テーマ自体は全然良い。
でも、深いことは何もないのよね。
元気に歌って踊って、前向きだ、すっきり!

むしろ、メイン二人のコミカルなやりとりと、
客演の方々の個性を楽しむのが主眼らしい。

原田薫がしゃべってるところをはじめてみたけど、すごくいい。
謎のおばちゃんの役。

そいでもって、西川貴教が大スターさんだった。
コマ劇で座長公演やってそう。
小柄で河童みたいな恰好なのに、
出てきただけでスターオーラばりばり。
歌えばもちろんすごい。
この人主役のミュージカルってないの? 

れおんがすっかり綺麗なお姉さんになってた。
高い声は出しにくそうだったなあ。
もっと自然児っぽい役が来るといいのだが。


…というわけで、
自分の好きなタイプの出し物ではなかったーごめんー
でもこういう出し物、いっぱいあるよね。
すごい人気あるし。うーん。

と家で言っていたら、
「それって宝塚じゃん」と言われた。

そうか、そうだよなあ。
コミカルな場面もあり、最後ヒューマン。
親しみのある出演者のやりとりを楽しみ、
スターさんにうっとりする。

うん、宝塚だね(笑)

宝塚にははまったけど、これらにははまらないのはなんでかなあ。

まず違うのは音楽かなあ。
宝塚をはじめてみたとき、素直に好きだと思ったのは音楽だったから。
(それ以外は、ぎょっとするばかりだった)

そして何より、
宝塚は少女趣味なところかな。
あとは、若い女性という均質さ、一見心地よく閉鎖的なシステム。

同じようなジャンルでも、
システムとテイストで、だいぶ違うな。

なんで観に行ったかというと
咲良さんがアンサンブルで出てたから。
こんな大きな商業演劇の舞台に立って、頑張ってるんだなあ、と。
動きにくい衣装でもキレキレで踊ってました。


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Romale(東京芸術劇場 3/23 18:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

謝珠栄が、お花様主演でカルメンをやる。
ていうことで、
柴田先生の『激情』との比較になっちゃうわけだけど。

カルメンの真実を探しに来た学者と、
昔話を教えてあげる老人、
という外の枠があって、
それがややテンポを悪くしている。

でも必要なんだよね、それが。
なぜなら、老人がドンホセだから。

この老人=団時郎さんが実質の主役というわけ。
最後の亡くなる場面、良かったわ~。

若いときのドンホセももちろん主役で、
彼がどんどんおちて行く様子が、物語らしい部分。
松下優也や、歌謡曲ぽい歌い方でどうかと思ったが、
本当に純粋で、でもバカで、というのにピッタリだった。

なんつーか、
宝塚では当然やれないことが描かれているのがよい
それは差別。
カルメンは、女性として差別されているし、
ロマとしても差別されている。
二重に差別されているんだな、ということを冒頭から感じた。

つまり、
男たちにチヤホヤされつつも、
あっというまに使い捨てられることも暗示されている。
モテる女性ってそういうのがあるじゃないですか。

真実のカルメンは、一途な女だったはずだ、
ということを最初っから前提にしている学者さんは、やや不思議。
なんの根拠があって?

カルメンが一途っていうよりも、
男たちがバカなだけって気がする。
社会がね。
だって、あの時代の女性が、差別される人種で、
ある程度自力で稼ごうと思ったら、
ああするしかないでしょう。
それを、不実だとか勝手に責めて、お前らバカなのかと。

ドンホセが若いうちは全くそのことに気付いていないのが、
本当に、あーあーダメだ、こりゃ、という感じで、
このすれ違いを感じられたのは収穫だった。
(もっと強調してほしかった)

老人ドンホセが最後にそのことに気付いてくれたのだと思いたい。

お花様のカルメンは、
エリザベートみたいに年とっていく話ならいいけど、
さすがに20代はきついかなという気もしてきた。
おばあちゃんみが出てきたというか。
相変わらずスタイルいいし、顔も老けてないんだけど、
なんだろうなあ、発声かなあ。
でもスターオーラは変わりませんよ。

TSの強みなんだろうけど、
アンサンブルの身体能力はもちろんのこと、
難しそうな和音のコーラスを簡単そうにやってて、さすが。

岡田真澄ポジションのハーフ系おじさんがいるな、
と思ったら、伊礼彼方だった。
いい感じでおじさんになってきたね。


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A Class Act(東京芸術劇場シアターウエスト 3/23 14:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

昔からちょっといいと思っている石井一彰主演ということで
観に行きました。

コーラスラインの作詞家の生涯…
って誰それ?

40代で癌で亡くなったそうだ。
才能あるんだけど、世渡り下手で損してしまうタイプ。

あの甘い歌声に、あの顔に、
なんと、メガネなのよーーー!!
しかも、ややダサ服、
そしてそして、完璧主義すぎて変な人、
やばい、やばい、好みすぎる。
現実にいたら100%好きになる。

ずっと体調不良だったんだけど、
全身の細胞が活性化するのを感じた。
私、生きて、この人とつきあいたいわ!!
舞台写真がほしい。どうすれば入手できるの??

ワークショップで知り合った友達たちが彼を紹介するスタイル。
テンポよく進むので、なかなかよくできている。飽きない。
テンポよすぎて逆に、もう少しタメがほしいと思うところもあるぐらい。

音楽はすべて本人の作。
しかも、それぞれのナンバーが、
死ぬときに友達たちに贈った曲だってことが明らかになるのが泣ける。

作詞と作曲の作業の仕方がけっこう面白い。
コーラスラインを知っていると、
ああ、あのメロディーがね、というふうになる。

彼が、ずっとあたためてきた作品が、
「ギャラリー」というタイトルで、
美術館にかざられた名画をモチーフにしているんだけど、
最後の最後、その作品の最後のナンバーを病床で書けたっていうのが、
すごくいい。

自画像だけがたくさんある展示室で、
ああ、勝ち組になるために書くんじゃなくて、ただ書きたいから書くんだ、って
気付けたんだって。

秋夢乃さん、気付かなかった。
美しいなとは思ったが、声の印象が違う。
彼を支える最後の彼女の役の人と、
コーラスラインの振付家の役の人が特にうまかった。

たった4日の上演とはもったいない。
再演してほしい。


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ポーの一族(東京宝塚劇場 2/20 18:30) [観劇メモ]

すごく昔の話ですんません。
具合悪かったり年度末で忙しかったりで、今更ですが、アップします。

---

ホテルの階段を四人が下りてくるところ、
漫画から出てきたみたいに見えた!
そんなことってあるんだ、
ベルばら初演で、漫画から出てきたみたいだと思ったって逸話、
ほんとかよって思ってたけど、ほんとだった(笑)

みりたん、当たり役だ!
歴史に残る!

とにかく、登場人物が二次元を三次元にしてることがすごい。

ただ、ポーの一族が大劇場ミュージカル、
しかも群舞とか、ちょっと笑える。
ポーの民はあんな豪華な衣装着てないっしょ。
文芸作品が俗っぽくなっちゃった感じ。
宝塚あるあるだよなあ。
もっと小さい劇場で、うすぐらーくやってほしい。

でも、生身ゆえに、よりいとおしく、より切なく感じる。
エドガーを抱き締めてあげたい。
実在しないと言われるつらさは、
常に異邦人を描き続けた萩尾作品の真髄。
親に愛されなかったモー様の辛さがひしひしと、
漫画を通してよりもっと生々しく伝わってくる。

エドガーは、原作より少しわがままに感じる。
でも、メリーベルにはと~っても優しいのね。
その差も、生身ゆえに強調されて感じるのかも。

エドガーの年齢は少し上に設定したみたい。
シーラの扱いが大きくなって、エドガーが好きっていう設定も強調。トップだからね。
メリーベルも問題なく美少女。
事前に心配だった点は全部クリア。

一巻をやるのが最適だろう、でも配役は?
と思っていたけど、やはり一巻を中心にして、
後世、ただし70年代の最終話ではなく、
50年代の探してる人たちに、語らせる手法をとった。
三巻の出だしだけを最後に使って、余韻を持たせる。
上手い! さすが小池だ。

降霊術の人たちは、オリジナルの役だけど、実在らしい。
ちょっと面白い仕掛け。

マイティの役、何かと思ったら、
クリフォード先生の友人なのね。
その子孫てのはオリジナルだよね?

原作のちょっとした材料をふくらませているってわけだ。
いいねいいね。

しかし、オズワルドとユーシスが一瞬てのはさみしいなあ。
エドガーの出自の話なのになあ。

消える仕掛けが難しかったね。
老ハンナではやれたけど、大半、ピストルで撃たれる設定に変更。
ポーツネル男爵が馬車にひかれる場面好きなんだけどなあ。

あと、アランのロケットを原作と違って捨ててなかった。

男爵は、威厳より暴力的に感じた。
クリフォード先生はより遊び人に感じた。

柚カレーのアランも、そのものだよね、
ほんと奇跡だ。
ただ、アランのほうがガタイいい。仕方ない。

そうだ、タソがリアル階段落ちしてた



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ひかりふる路 / SUPER VOYAGER(東京宝塚劇場 1/23 18:30) [観劇メモ]

主軸が定まらない話だった。

途中までは、マリー=アンヌが主人公なんじゃね? と思ったのだ。
憎んでいた男に恋をするという大変化があるから。
しかし、元貴族で一人生き残ったから、革命の主導者を殺そうとする…
あまりにもベタな設定だ。
一体どうやって暮らしていたのだろうか。かなり荒唐無稽に感じる。
(でも歌が上手くて、「私はマリー=アンヌ~」とか名乗る素っ頓狂な歌詞も、
違和感なく聞けてしまうからすごい)

途中からは、ロベスピエールの苦悩が中心になる。
独裁者になるしかなくて、本当にこれでいいのかな? 
いや、これしかない、と自分に言い聞かせてる様子が切ない。
髪が乱れているのが色っぽい。
しかし、なぜ独裁者になるのか不自然。
親友ダントンに裏切られたから? それだけ?
ちょっと何段階かステップをはしょっている気がするなあ。

本当は、だいもんが『BUND NEON/上海』の杜月笙をやりたいって言ってくれてたから、
生田先生は、同じような悪の権化みたいなのを予定してたんじゃないのかな。
でもトップお披露目だし…ということで、白い味をつけちゃったら、
わけわかんなくなっちゃったのでは?

で、結局おいしいのは、小悪魔ちゃんサン=ジュストだという…
この人は一貫してるし、魅力的。
結局、サン=ジュストが操ったから、ロベスピエールは悪くなっちゃった、
っていうふうに取れなくもなくて、
じゃあロベスピエール小物じゃん、てことになりかねない。

ミュージカルとしては、
二人が夜道を帰りながらお互いを探り合うナンバーとか、
祭典で殺そうとするナンバーは面白かった。

そうそう、祭典の最中に殺そうとするとか、
最初がルイ16世の裁判で、最後がロベスピエールの裁判っていうのとか、
構造はなかなか面白い。

歴史上有名なセリフがちゃんと入ってるのも、考えてる。

歌は本当に素晴らしいね。
2人とも、歌だけで演技できるから、堪能。
それだけに、話の「?」が目立っちゃうんだよねえ。


そうそう、まあやちゃんのメイクはもう全然OK。
かわゆいかわゆい。

サン=ジュストの朝美さん、爽やか系かと思ってたけど全然違うんだね。
これは本当に当たり役。
歌も上手いし、将来が楽しみだ。

さきちゃんが、人情に厚いあんちゃん系で、
役といい、声といい、ショーでの上着脱げそう加減といい、
もう、湖月さんにそっくり。

まなはるがけっこういい役だったな~。

なぎしょーが女役。
ニジンスキーのときは怖いだけだったけど、なかなかいい。

コマつん!
ショーでのシャンソンすごく良かった~。
男役/女役っていう枠を超えてきちゃったね。
ああ、13年前の今頃、その舞台の上で、
キタロウくんにいじめられて(る役だっ)たよね、
さみしくてたまらない。

ショーは、前作の野口作品ようなスペクタクルってほどじゃないけど、
人の動きがやっぱり面白い。

スーツの場面がとてもかっこよかった。
振付は三井聡!
この人、マジーの公演でいいなと思ってたんだよ! 自分、見る目ある、えへん(笑)
宝塚っぽいけど、テンポが速くて現代的なの。

全体的に音楽も面白かった。
中詰めのyou'd be so nice to come home toのラテン風なんてはじめて聞いた。

ただ、ジャニーズみたいな場面は、好きじゃなかった…
むしろ苦行だった。あんなん、ニーズあるのかなあ?
わしが老人なだけ?

お披露目ムード、宝塚礼賛ムード全開なのも、お披露目にピッタリ。
野口幸作は元ヅカファンだって聞いたとき、
『ガーシュイン』のひどさから全く信じてなかったけど、
これなら信じられる。

さきちゃんの相手役が朝月ばっかりなのはつまらないな。


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